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・『Frozen Bloom』/ Olhava


・Olhava

ロシアのアトモスフィリック・ポスト・ブラックメタルデュオ。
2016年結成。Timur YusupovがDrumsを担当し、Vo含めそれ以外すべてをAndrey Novozhilovが担当する。Olhavaは恐らくロシア北西部を流れる、Olhava(ヴォルホフ)川からきている。

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・『Frozen Bloom(2021)』

アトモスフィリック・ポスト・ブラックメタルがアトモスフィリックを冠される所以はその空気感・自然描写にある。アートワーク・アーティスト名もさることながら、Olhavaの紡ぎ出す音像は眼前に風景を描き出す。
#1 The Queen Of Fieldsは最も顕著である。
荘厳にして雄大、一面雪に覆われた終わりの見えぬ遠景。あるいは近くに森の控えた、雪を乗せた枯れ木生い茂る叙情的な風景かもしれない。
息もつかせぬドラムの速度と鳴らされる凛としたリフ。激しさの極地のような音から感じられるのはしかし優しさだ。それは、肌を刺す冷たさが心地よく感じられる冬の夜のように。
後半二曲ではタイトルトラックらしく、雪に飛び散る鮮血、あるいは血すらも流れえない自然の確実さとでも言うべきものが感じ得よう。
20分越えの大作も含め、4曲1時間弱の今作、Tohji「sugAA」のリリックを借ると、''目の前広がる景色にすら勝てない音じゃなんもならない''である。

アートワークにOlhavaの文字が隠されているのもたまらんね。

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