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・『細胞と才能』/ それでも尚、未来に媚びる

・それでも尚、未来に媚びる

大阪発5人組ロックバンド。(2012-2021)
今年6月7日公式HPにて活動休止を表明。
主な原因はVoの精神状態の悪化とした。それに伴いGt,Ba,Drの脱退。
事実上の解散状態となっている。
構成は以下の通り
Vo.がーこ Gt.ろく Gt.松本 翔 Ba.井地 良太 Dr.344

彼らの1stアルバム『細胞と才能(2016)』を聴く-

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・収録曲

1.浅き夢見じ
全体を通して高めの熱量で紡がれる今作。その一曲目に相応しい#1浅き夢見じ。こぶしのきいた、粗野でそれでいて儚い声。Vo.がーこの持ち味である。
振り絞るような本心の歌詞。裏で鳴るドラムのBPMも頼もしいものである。

2.処暑
シームレスでつながれる#2処暑。彼らの代表作である。
ツインギターと荒れ狂うドラム。50秒余りのたっぷりのイントロ。
歌い出しはGt.が担当。実直で癖のない声に、Vo.がーこの声が絡む。


3.暮れぐれも
ひと際、和の香りが高くBPMも速い#3暮れぐれも。
心に刺さるリフ2分強の短尺を瞬く間に走り抜ける。
彼らのなんでもない街の美しく悲しい夕焼けのようなイメージが最も色濃い。

4.友達を失くした日
過ぎる時間が惜しいように言い聞かせるように紡がれる#4友達を失くした日
彼の美しい高音と切ないリフが胸を打つ。シンガロング、ブリッジがそれを増長させる。

5.殺風景な夜に涙で濡れた花束を
一転変わって本心を露呈した赤裸々な歌詞の#5殺風景な夜に涙で濡れた花束を。''人は人を半端に愛せない''と唄った歌手があったが、それの体現である。キャッチーで単調なサビのメロディと実直な歌詞。

6.罪憐
またしてもシームレスで繋がれる#6罪憐。それ媚びらしさがこれでもかと詰まっている。
複雑でうねる曲調に荒れ狂うドラム。しっとりと自由に乗るVo.がーこ
彼らのポテンシャル、可能性が詰まった一曲。

7.グッドバイ
スケール感があり、アルバムではバラードの位置づけだろうか。
Vo.がーこの違った一面が見られる。火照った心情を鎮めてくれる。

・『細胞と才能(2010』とは

彼らの1stアルバムにして、最も高い名声とクオリティを誇る今作。
開幕からノンストップの熱情と熱量である。公開当初彼らの技術とまだ見ぬ飛躍に驚嘆したものである。Vo.がーこの獣のようなヴォーカルを飼いならす演奏陣。1stにして荒削りながらその未熟な面すらも凌駕する端々のクオリティ。まさにキャリア最高傑作である。それ媚びとしての彼らの前途が閉ざされたのは心苦しいが、公式HPではフルアルバムの時期未定でアナウンスがされており、復活を待つばかりである。


・各リンク

公式HP

公式Twitter





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