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『狂言』/ Ado 【'22所感】

 恥ずかしながらAdoは初聴であり、アルバムリリースの際に聴けばいいかと思う最中その機会は唐突に訪れたのである。
私の学生時代は6割のメタルと4割のボカロ文化に占められていたのであり、昨今のニコニコ動画を出自に持つアーティストたちの作品群には敬遠気味であったのであった。

一聴した感想としては歌い手文化が時代の潮流を受けてアップデートこそすれど、'10年代初頭の冷凍保存されていたあのテイストが脚光にでも解凍されたのか諸所に、諸所に感じられる。
「レディメイド」クラブ=マジェスティぽくて幕が上がる感じ、「踊」は聞き馴染みのあるギガPの弾けるビビットなEDM調ちょっとれをるに聞こえてくる、「FREEDOM」はbuzzGに代表されるような邦楽ロックの系譜、「会いたくて」ド直球jpopバラード作詞曲がみゆはんなの驚きだし、みきとさん編曲と聞いて納得である。「阿修羅ちゃん」ばりNeruさん、「かなしみのなみにおぼれる」まだ聞いてますよ。「心という名の不可解」ばりまふまふさんだし、「戯曲とデフォルメ都市」に代表される難解で厨二全開の叙情なロック。

ニコニコ動画・現ポップシーン最前線で活躍するプロデューサーのモンスター級の楽曲。歌い手がアルバム出す場合として、世界観のばらつきによりカバーアルバムのような、のぺっとした世界観になりがちでであるが、Adoは使い分ける声色により払拭し、''アド''としての役割を完全にこなしている。ニコニコ動画の空気感をもってポップシーンに躍り出た唯一の存在ではなかろうか。

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