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・『Post-sepsis Syndrome』/ Porifice


・Porifice

スイスの Brutal Death Metal/ Gore Grind バンド。
すべてをスイスのマルチプレイヤーSergio Da Silvaが手掛ける。彼はPorifice以外にも多量のプロジェクトに一人または属する形で関わっており、その音楽性はBlack/ Doom/ Brutal Death/ Ambientと幅広い。
Porificeは2001年にスタートし、'10年に『Unreleased Demo 2010』をリリース。'18年に初の流通版『Post-sepsis Syndrome』をリリース。タイトル・曲名などから、Pathological Goregrindの側面も持つ。


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・『Post-sepsis Syndrome(2018)』

32曲30分弱。ショートカットグラインドに徹した冷徹な作品と思いきや、マルチプレイヤーらしく粋な展開や側面も顔を出すバラエティ豊かな作品である。ワンマンゴアグラインドということもあって非常にサウンドにまとまりがある。
#1 Introの大型の獣の咆哮、女性の悲鳴のようなGore具合からは少し逸れるような音楽性に思える。特筆すべきは粒がしっかりたったドラミングと流麗なギターであろう。必ずしもBPMが早いものばかりではなく、緩急があり非常にグルーヴィーに展開する。暴力性はガテラルVoのみに留め、マスタリングも絶妙で、少し後方に配してあるように思える。
#4 Kill Dictatorsでは前半ブラストビートに絡むようにリフが展開されておりGore Metalの側面もみられ、他の収録曲にもその要素を見ることができる。

#6 Extremtikのイントロでは軽快な電子音から成っており、虚を突かれる。

#23 The Butcher Lover, #24 Hot Music For The Dogの二つは異端であり、他の30秒前後の作品と比べると1分半前後と長いのに加え、イントロダクション、畳みかけとブルータルデス然とした構成が見て取れる。
と思いきや、それ以降(#25~)の収録曲では、総じてメタル色が強くなり、リフによる刻み、構成やVoの声音もブルータルデスさを増している。

Gore Grind作品としては王道からは外れるであろうが、様々な要素、可能性が垣間見える怪作である。ゴアグラインド入門編としてもおすすめである。


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