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腫瘍の疑いの記録(覚書)

突然の謎の炎症(痛み)から腫瘍の疑いが判明するまで、初めてのことをたくさん経験したので、忘れない内に時系列で記録する。


1 総合病院の救急外来 7月30日(日)

数日前から左腕の肘辺り(外側)が痛いなと思っていたら、金曜日の夜には肘を上げるだけで激痛が走るようになる。寝るにも右腕を下にすることができず、枕で腕の位置を固定しないと眠れない。
外観からは傷や腫れの症状はなく、正体不明の痛みが続く。

週末に入って痛みが治まらないかと観察していたが、月曜日から京都方面への泊りがけ出張を控えており、この状態ではとても行けないと判断。
安易な救急外来の利用は避けたいところだが、もうしかたがない。近所の総合病院の救急外来に行く。

切羽詰まって救急外来へ

当日(昼間)の当番医は、整形外科の先生。痛みの箇所や腕の動き、症状を診て、傷から入った細菌による炎症と診断がされ、緊急的な外科的処置はすぐには必要がないとのことで経過観察。痛み止めと抗生物質、抗生剤入り塗り薬を処方していただく。

  • リンデロンVG軟膏

  • アセトアミノフェン錠(200mg)15回分

  • ケフラールカプセル(250mg)5日分

経口用セフェム系抗生物質製剤ケフラール

救急外来から戻り、自宅で静養。昼、夜と抗生剤を服用すると、劇的に効き、あっという間に痛みが和らぎ、腕の動きも戻ってくる。出張に出かける月曜日の朝には、概ね平常の状態になり、1泊2日の結構ハードな出張をこなす。
その後も痛みは和らいだ状態で安定、やはり単なる炎症だったのかとちょっと安心。

2 開業医の皮膚科に通院 8月18日(金)

総合病院の救急外来以降、抗生剤が効き、一旦、痛みは和らぎ、その後も激痛はなく経過。しかしながら、常に左肘周辺に若干の熱っぽさを感じる。また、テーブルなどに肘が触れると鈍痛もあり、肘周辺の内部が炎症を起こしているという自覚症状あり。

3ヶ月に一度通っている皮膚科に通院した際に、これまでの経過と症状を伝えると、掻き傷などから菌が入り炎症を起こしているのだろうと、抗生物質を処方される。

  • セフェム系の抗生物質、ケルフェックス顆粒500mg 4日分

  • ビオフェルミンR錠

3 再び開業医の皮膚科に通院 9月2日(土)

抗生物質を服用している間は、症状が軽減されるが、しばらくすると左肘周りに再び炎症が起こっているような熱を持った症状。外観の変化なし。その他、体温が上がるとか食欲不振などの症状もない。

再び開業医の皮膚科に通院し、自覚症状を愁訴。同じくケフレックス顆粒が処方される。

  • セフェム系の抗生物質、ケルフェックス顆粒500mg 4日分

  • ビオフェルミンR錠

4 患部に膨らみが・・・3度目の皮膚科に通院 9月21日(木)

数日前から鈍痛があった肘の手首側に膨らみが出てくる。観察をすると筋肉がある部分ではなく、骨と皮膚の間が腫れているようだ。触っても痛みはほぼないが、やな感じ。

平日であったが仕事の合間に開業医の皮膚科で診察を受ける。診立てとしては、菌が入ったことによる炎症ということであるが、心配であるならレントゲンなどによる検査をしたらどうかと提案される。

ビビリの私としては、そのままにしておくのは嫌なので検査を希望する。開業医の方から、別の総合医療センターへの紹介状を書かれ、予約も取っていただく。診察は、一週間後だ。

初めて専門医への紹介状を持たされる

今回は、処置、投薬はなし。

5 紹介状を持って総合医療センターへ 9月28日(木)

ゾクゾクしながら一週間を過ごし、車で1時間ほど掛かる総合医療センターへ行く。この病院は建て直しがされてまだ一年も経っておらず、新築の病棟に行くのは初めてだ。建物も受付システムもすべてが新しいので、ちょっとワクワク。写真を撮りながら受付をする。

紹介状を持っているので、受付から診療科までの流れがスムースだ。診療科は、今回も皮膚科。外来診察のシステムが最新で、スマホで自分の診察順が判り、当てもなく待合いにいる必要がない。

スマホで自分の順番の位置が判るシステム、素晴らしい

意外に早く診察の順番が来て、紹介状の内容の問診と触診、これまでの経過など聞き取りがされるが、結果として外観だけではわからないので、MRI検査をすることになる。

MRIの検査日の予約をしてこの日の診察は終了。ピカピカの院内の見学をしながらも心はもやもや状態で帰宅。早く結果を出したい。

6 総合医療センターでMRI検査を実施 10月4日(水)

午前の外来診察が終わった後の午後2時40分がMRI検査の時間であったので、遅れないよう早めに出かけて手続きをする。

問診票

MRI検査は、これまで脳ドックで10年以上、毎年やっているのであの狭隘な検査機器の中に入ることに抵抗感はない。大体の場合は、あの機器に入って横になると寝てしまうのであっという間に終わってしまう。検査中のガンガンというやかましさも、もう慣れっこだ。

今回も検査の小一時間があっという間に終わる。検査結果は後日とのこと。予約をして帰宅。

7 総合医療センターでMRIの検査結果 10月10日(火)

検査をしてから6日後、再度、総合医療センターで診察。外来診察の時間であるが、予約をしてあるので待ち時間は少ない。

MRI検査の画像(マークをつけてみた。この部分が患部か?)

MRI検査の画像を見ながら担当医から説明を聞く。結論から言えば、明確な結論を示せないとのこと。以下が説明の要旨。

皮下に腫瘤があるが、その境界やその良悪の判断は、この検査結果だけではわからない。
組織を取って検査することも可能であるが、その検査に寄って症状の悪化も考えられるのでわからないまま検査をすることは避けたい。緊急性はないと思われるが、専門医の診断をしてもらった方が良い。
近くの総合病院にその分野の専門の先生がいらっしゃるので紹介をする。

MRI検査の説明の要旨

わからないままにしたくないので、紹介状の準備と診察予約の手続きをお願いする。しばらく待って、紹介状とMRI検査による画像(CD-R)を受け取る。
受付に行くよう言われたので院内を移動している時に気がついてしまった。紹介状の封がしてないじゃん。

若干の葛藤はあったが興味本位が優先され、院内の隅に行き、封筒の中身を確認し写真を撮る。
なるほど、病状と疑いの内容がわかりやすく書かれている。絶望的な内容ではないことに安心したことと、紹介目的がそういうことなのかと理解する。

紹介状を激写

正直、患者が読むことができる状況で紹介状を渡すのは、安易というかミスじゃないかと思う。ここは病院の運営として改善の余地あり。
以下、参考までに紹介状から抜粋して記載しておく。紹介状って、こうやって書かれるのね。

病名:左肘皮下腫瘤
紹介目的:治療継続のお願い
2023年7月頃から左肘全体の痛みを自覚されました。9月頃には、肘頭に1-2cm大の痛みを伴う皮下腫瘤をふれ、当科を受診されました。滑液包炎や神経鞘腫などを鑑別としました。超音波所見では左前腕背側に、周囲との境界が不明瞭な11.4✗2.8✗8.8mmの低エコー領域をみとめました。単純MRIでは、肘伸側皮下に頭尾5.3cmにわたる異常信号域を認め、周囲脂肪織との境界は不明瞭、fibromatosisや脂肪壊死などが鑑別にあがりました。
境界不明瞭な軟部の病変であり、安易な生検をおこなうよりは、最初から専門家にみていただきたく、この度の紹介をさせていただきます。

紹介状(抜粋)

8 紹介状を持って総合病院での診察 10月13日(金)

結婚記念日だ。

総合医療センターからの紹介状を持って、新たな総合病院で診察。今回の症状が出てから3つの総合病院を渡り歩いているが、この総合病院は、公立ではなく民営の病院となる。

紹介された先生は、某大学病院医学部附属病院の先生が週一でこの病院で診察を行っている方で、整形外科の骨軟部腫瘍が専門領域だ。いよいよ核心に近づいた感がある。

受付をして、整形外科外来に行く。古めの病院だが、看護師や医療事務の方々の動きはよく、対応も丁寧だ。あまり待たずに診察の順番となる。

総合医療センターで検査した大量のMRI画像を見ながら説明を受けたが、正直、これらの画像だけでは判断できないので、再度、MRI検査を行いたい。その際には、造影剤を投与して検査をするとのこと。

おー、かなり本格的になってきた。造影剤の投与は人生始めてだ。一体、どこからどのくらい入れるのか、皆目不明。検査薬なので体に悪そうだし、アレルギー反応もあるかもしれない。そんな不安はあるものの、なんだかわからない高揚感を感じる。
二つ返事で、再検査を承諾し、検査日の予約をする。1ヶ月後だ。

9 総合病院で再びMRI検査(造影剤入り) 11月17日(金)

いよいよ人生初の造影剤入りMRI検査の日だ。約3ヶ月の病院巡りの白黒をはっきりさせるぞ。

MRIは5番、わかりやすい。
この中かあ、緊張する。

今回の検査は造影剤を入れるなので、事前のアレルギーチェック(問診)が丁寧だ。看護師さんのあと主治医の問診もあり、MRI検査の実施となる。検査着に着替えて、検査室へ入る。見慣れたMRI機器であるが、女性の検査技師2人掛かりで対応してくれる。親切というか丁寧。患部がある右腕を丁寧に固定される。

まず、造影剤を入れずに30分程度の通常パターンのMRI検査を行う。途中、中断して、患部は左腕だが、造影剤は右腕から静脈に注射器で入れられる。注入は、検査技師ではなくて看護師(もしかして女性医師)が行う。診療明細書を見ると、どうやら13mlを入れた模様。注入後、アレルギー反応などの確認をされる。特に変化なし。

ちなみに、造影剤はどうやって体外に出るのかと確認をすると、排尿により排出されるとのこと。

造影剤を入れたらすぐにMRI検査を再開。造影剤ってあっという間に体内に浸透するのね。どういう仕組なのかしらん。再開後のMRI検査も約30分くらいかな。眠っていたのではっきりしない。「終わりましたよー」と声掛けられて終了。熟睡できたので疲れが取れた。

30分ほど外来の待合で待っていると、主治医の診察となる。前の病院で撮ったMRI画像と今回の造影剤入り画像を比べて、説明を受ける。診断としては、腫瘍ではなく瘢痕(はんこん)で間違いないとのこと。

はんこん【瘢痕】火傷や外傷・潰瘍などの治ったあとにできる傷あと。組織の欠損部に増殖した肉芽組織が古くなって繊維化したもの。

大辞林

それから前回のMRIから今回のMRIまで(約1ヶ月)に外部的でも患部が縮小している所見が見られる。腫瘍であれば自然に小さくなることはない。
よって、経過観察とし、その後、気になれば診察に来ていただきたいとのこと。治療・投薬は不要。

おー、白だ、潔白だ、診察完了ということで、とりあえず安心する。
9千円近い診察料支払って病院を後にする。気分がむちゃ軽くなったので、この検査料も高くは感じない。いやー、健康が一番だな。

レバニラ炒めと半チャーハン

昼食の時間であったので、天気も気持ちも晴れ、急激にお腹が減る。自分へのご褒美として、お気に入りの町中華でレバニラ炒めと半チャーハンを食する。今日は格別に美味しいと感じる。

10 総括

地方に住んでいるので、なかなか高度医療に触れることがない。開業医から紹介状がなければ総合病院には診察ができないし、更に専門医となるとハードルが高い。
大都会の医療体制が羨ましいが、それもお金や地位があればであって、なかなか庶民が最高の医療行為を享受することはできないのが現実。

今回は、4ヶ月も掛かって医大の先生に診断をして頂いたが、その道筋は近くはない。

いずれにしろ、小さな疑問や症状を見逃さずに遠慮なくまずは開業医(かかりつけ医)に相談し、更に心配であれば、遠慮なくセカンド・オピニオンを受けてみれば良い。

それと自分の記憶力が信じられなくなった。あんなに心配して、こんなに診察を繰り返したのに、5ヶ月経過しただけで、かなり忘れている。この記録は、領収書やらスマホの写真、スケジュールアプリなどをデータを穿り返し、少しずつ思い出しながら書いたもの。
そういった意味では、こうして残しておくことは十分意義がある。

ということで、参考になればと公開してみる。参考になったのであれば「スキ」をお願いします。





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