棘の根を探る旅

私の投稿を一度でもご覧になったことのある皆様。
お久しぶりです。

ここ数ヶ月の間、長文にして書きたいと思うことがありませんでしたが、やっとできました。

と言っても、ただの旅行記です。

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先日、韓国に行きました。

「やっぱただの旅行記じゃねえか、そんくらいのこと書きたいと思ったのかよ」

と思う方がほとんどかとは思います。

ただ僕は。いやあの、無礼のないよう伝えるつもりではいるんですが…


韓国が好きではありません。

今でこそこんな言い方をできるようになりましたが、3〜5年前まではもっと極端に嫌韓側の人間でした。

ちなみにこの投稿において、政治的発言や人種差別をする気は一切ございません。

「嫌いなら行くな!文句言いにきたのか!」

もちろん違います。じゃあ何故行ったのか。


あ、もう全然大した理由でもないので勿体ぶらずに申し上げます。彼女が行きたいと言ったからです。

「惚気かよ!彼女ができると変わっちまうんだな!」

それは否定できません。
が、100%ノリノリで行った訳でもありません。

だって。

性犯罪率が高いらしいやん。

日本や日本人に対して良く思わん人が一定数おるやん。

日本人に対して当たりのキツい人がおるやん。この間も韓国で日本人が侮辱される動画を見たよ。

日本と比較すると衛生面でちょっと不安。

食が合わなさそう(俺の好みの問題)。


その他にも行きたくない理由は細かくですがありました。


しかし、なんやかんやで行くことになった日から、私(達)は韓国Vlogを漁る日々となったのです。

すると。


日本語が通じやすいところが多いな。

日本人に優しい人なんてたくさんおるな。

トイレットペーパーをトイレに流しちゃダメなとこあるん!?

バスこわぁ。


気がつくと、事実に基づく苦手こそ残ったものの、偏見に基づく嫌いは7割ぐらい消えていました。


そして出国。人生初海外。そして韓国到着。

第一印象は

「なんだこの匂い」

でした。

確かに、以前に彼女が言っていました。

「韓国ちょっと変な匂いするよ。夜には慣れるけど翌朝戻るよ。」

あー、これかぁ…。

直近で東京に行っていた私は思ったのです。

「これ夜の渋谷の匂いだ」

あの下水が流れることによって発される匂い。
あれがずっと続いてるような感じです。
また10月上旬という季節も災いし、落ちた銀杏が歓迎のご挨拶。
加えてどこからか漂うキムチのような辛い匂い。

匂いは終始続き、合体臭には時折クラっとするほどでした。

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海外とはいえ、お隣かつ好きな人は好きな国。

平日にも関わらず、飛行機内でも、明洞や弘大などのソウル付近の都市でも日本語が聞こえるぐらいには、日本人もちらほらいました。

そこで気づかされました。

日本人がいてホッとしている自分と、
海外ではっちゃけたいから会いたくない自分が、
ちょうど5:5だったことに。

それからもうひとつ。

日本も韓国も同じアジアのため、今までは顔の見分けがつかなかったのですが、

特に女性において、顔が若干異なることに気づきました。骨格やメイクの違いでしょうか。
旅行の後半は、日本人or韓国人を概ね判別できるようになっていました。


ただ、たまに見かける美人の方がめちゃくちゃ美人で、何もかもが異なりすぎていたため、それは最後まで判別できませんでした。

彼女と来てなかったら、しばらく目で追ってただろうな、とやや邪なことを考えていました。


はい、失礼致しました。

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いろんなお店に入ったのですが、
「カムサハムニダ」
「Thank you」
「アリガトウゴザイマシタ」

と様々な言語で退店する私たちに声をかけてくださったのですが、中には対応まで日本語で話してくださる方がいました。
ホテルマンやキャッチならともかく、靴下屋のおじさんまでも日本語を話せることに驚きました。

センシティブな話にはなりますが、見た感じ日本語を強制された年齢には見えなかったので、独学で覚えたor観光用に覚えたのでしょう。

多国語を操れることに素直にすごいと思いました。


とはいえ、対人ではない情報に対して全くの無力でした。

看板や電光掲示板。アナウンス。

大体のそれらには日本語も明記してくれているのですが、中には全くないものもありました。

これがもし英語であれば、大凡のニュアンスを汲み取ることはできたと思います。

しかしそこにはハングル。

記号の羅列にしか見えないため、
翻訳アプリの意訳力だけが頼りでした。

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韓国、少なくともソウルは10月上旬ながらしっかりと肌寒かったです。

最高気温は20℃前後と、過ごしやすい気温に思えましたが、世界地図を思い浮かべると東北や北海道と横が変わらないため、最低気温は10℃前後。

今の家に引っ越す際、実家から長袖を持ってきていなかった私は半袖で臨み、ソウルで即効服を買うことを誓ったのですが…

そもそも仁川空港からホテル、ソウルへの到着までに時間がかかったため、すでに腕はひんやりしていました。
ただその分、今後着る秋・冬服を探しやすかったとも言えるので、結果よかったのかもしれません。

ロンT、パーカー、ニット、ズボンを買いました。
日本円に換算すると2〜5000円程度と極めて安く買えました。

基本的に物価は安いのですが、移動手段に利用した地下鉄は平均で約1200ウォン!これが特に安かったです。

100円=900〜1000ウォン

のため、

「見た目の数字より実際は安いからな〜」

と気を抜くとモノを買いすぎてしまうため、人によっては注意が必要かもしれません。

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私達が宿泊に利用したホテルなんですが…


正直に申し上げます。汚かったです。


そもそも口コミを見ている限り、綺麗と汚いの賛否両論でした。
なので非常に不安を膨らませた状態でチェックインを済ませており、一見、

「なんだ、言われとるより綺麗やん」

と思ったのですが…


よく見ると、
取れないタイプの汚れが壁や洗面台周りに。

それだけならまだ我慢できると思ったのですが、ベッドの掛け布団をめくると、シーツにしっかりとシミがついておりました。

これにはさすがに清潔感を感じられませんでした。


さらにシャンプーも押すところが壊れており、開けないと出てこない仕様になっておりました。


なんやかんやであっという間に3日が経ち、日本に無事帰宅したわけです。


恐れていたことはほとんど起きず、結果的に「楽しかった」で締めくくることができました。


しかし楽しかったという感想以上に、自らに財産が生まれたと思っています。


本来の人生であれば、韓国は行くはずのない国でした。


そんな場所に行くことで与えられ深まった知見があり、そのきっかけをくれた彼女には感謝しています。


棘ついた角ばかりに着目して、全てが尖っているようにしか見えていなかったから。

角を辿ったその根本は、もう少し丸みを帯びた得体だったから。


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