『母に捧げるバラード』現代博多弁訳

先週のオールナイトニッポン猛プッシュといえば、1973年にリリースされた海援隊の『母に捧げるバラード』でしたね。
武田鉄矢さんの声に加えて特徴的なのは、やはり語りの武田鉄矢さんのお母様・武田イクさんの博多弁と熊本の小国弁がミックスされた方言。


しかし、九州に住む僕からしても、当時の方言は訛りすぎています。僕達の世代ではほとんど使われていない口調もあります。

そこで今回は母に捧げるバラードをできるだけ今の博多弁に再訳していこうと思います。
ただ、語りの部分は歌われる時に毎回微妙にセリフが変わるのもこの曲の特徴なので、歌詞はごちゃ混ぜにすることにしました。また、"女性の"博多弁に合わせるのもまた難しいので、間違った表現もあるかもしれません。
それらに関しましてご意見、ご提案など(特に同じ地域に住む方々)お待ちしてます。


[語り]
お母さん今僕は思っています
僕に故郷なんかなくなってしまったんじゃないかと
そしてひとつ残っている故郷があるとすれば
お母さんそれはあなた自身です
あなたは何から何まで故郷そのものです
今ここでこうして静かに目を閉じていると
あなたのあの声があの姿が聞こえてくるんです

今も聞こえるあのおふくろの声
僕に人生を教えてくれた優しいおふくろ


[語り]
コラッ 鉄矢 何しよーとよこの子はテレッとして
早よ学校行ってきーよアンタ
大学行ってアンタ勉強してきいよ

近所の人からいつもなんて噂されよるか知っとる?
タバコ屋の武田さんとこの息子はフォークソングぐるいのバカ息子バカ息子って噂されよーとよ?
なんでまたこんな頭悪い子ができたとかいなほんと
あーもうあの日とうちゃんが酒飲んで帰って来んかったらアンタみたいなバカ息子できとらんかったのに
それにアンタいっつもつまらん女に騙されよろ?
最近の女ってブラジャーの中にクラゲの頭みたいなの入れてアンタ男を誑かすばっかっちゃけん
コラ鉄矢早よしいよテレーっとしてから
本当アンタ包茎やけんそんなだらしないっちゃろ

早く学校行ってきーよバカチン
待って待って、鉄矢アンタまた黙ってタバコとか持って行きよろーが
ばり腹立つ
家がタバコ屋やけんってこの子は
小学校4年の時からタバコの味覚えて中学校1年の歯の検査の前
ザクトライオンで一生懸命歯のウラオモテ磨きよったろーもん
まだわからんと?かあちゃんがこのタバコ屋を経営するためにどんだけ苦労しよるか
血と汗と涙で汚れた女の半生がまだわからんっちゃろこんな事が
行ってきいアンタどこにでも行きなさい
かあちゃんアンタの事はアンタがおらんくなっても何も寂しくないとよ
鉄矢ひとつだけ言っとくけどさ
人様の世の中に出たら
腰下ろして休もうとか思ったらつまらんばい
死ぬ気で働いてみり
働いて働き抜いて休みたいとか遊びたいとか
そんな事一回でも思ってみり
そん時はそん時は死ね
それが人間っちゃけんそれが男っちゃけん
アンタも故郷を捨てて上京するってなったら誰にも負けたらつまらん
輝く日本の星になって帰ってきい
行ってきい行ってきい

今も聞こえるあのおふくろの声
僕に人生を教えてくれた優しいおふくろ

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