【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5 「今から数年後・・・」 第4章 (No.0054)


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 このように、以前まではあれほど嫌われ犯罪を犯し続け、しかもずっとそれを告発されていたのに一切手を出されず放置され好き放題悪を行い人々を苦しめ続けたパチンコ店すら、今は正しい人達によって学習や芸術の場としてお金なんか気にせずに利用され愛されるように変わりました。

パチンコ店ひとつ取ってもこれだけ変わりました。
ですから癒着していた警察も変わりました。

正義の為の警察組織のはずなのに全く機能せずに私利私欲や組織政治にしか働かなかった警察は、新しく出来た政府によって厳しく裁かれたのです。

新しい政府は以前から警察の腐敗を心配してました。
そしていざ捕まえて調べてみると、本当に酷かったのです。
何も仕事をしていないだけでなく、悪の限りを尽くしていました。

弱い人や真面目な組織に物凄く暴力や嫌がらせを行い、助けを求めても何もせず、罪を擦り付けていました。
そのせいで皆が苦しみ死んでいきました。

強い人達や組織には、ありとあらゆる手を使い手助けをしました。媚びへつらい全て言いなりになっていました。
法律もルールも全て無視して悪の味方に付いてきたのです。


新しい政府はとてもとても怒りました。

悪に手を少しでも染めた警察関係者を全員逮捕して投獄しました。莫大な罰金を科しました。全員死んでしまいました。


新しい政府は新しい警察を作りました。
この時代は昔と違い皆が賢かったので、悪事に手を出す者は居ませんでした。そんな事がいかに愚かで汚らわしく虚しく恥ずかしい事なのかを知っていました。

新しい警察には、元々警察官だった人も再度応募して採用されたりもしました。

そういう人達の全てが、昔の警察が嫌で嫌で仕方がなかった人達でした。
悪に染まっていた時代の警察組織に苦しい思いをし続けた人達が、こうして新しい素晴らしい警察が出来たことで、やっと本当に正義のために働けると喜び、みんな嬉し涙を流しました。

新しい警察はとても働きました。
あらゆる悪事を見逃すこと無く、悪質で今まで手出しが出来なかった大物から順番に毎日毎日徹底的に逮捕し続けました。

残念なことに、どんな組織にも極悪人がいました。

たとえ老人であろうとも、昔の事であろうとも、全く容赦せずにどんどんと留置所へ放り込みました。そして普通に刑務所に送りました。とんでもない金額の罰金を科しました。

今まで何百年何千年も続いてきた支配者層は、一瞬にして全ての人間が逮捕され投獄され、財産は全て没収され天文学的な金額の罰金を科せられ刑務所で全員死んでしまいました。
ただの一人も跡継ぎを残せませんでしたから、全部滅びました。

また引退した元警察官もこぞって応募しました。
今は歳を取った彼らも、現役時代は自分の正義の魂を満足させるような働きがまるで出来なかったことが大変悔しく、その思いが晴らせるなら是非働きたいと言って名乗りあげました。


その中のひとりであるマルオは、引退して5年ぶりに改めて制服を着ることが出来ました。
かつてはただひたすらに自分の正義の魂に水をかけられ続けたマルオでしたが、今度は違います。
ただ真っ直ぐに、ひたすらにこの地上にいる悪を一人残さずに逮捕出来るのです。
マルオは歳を感じさせない熱い言葉を人々に語りました。

「警察官になったばかりの頃の私の写真はここにあります。まだ子供のような私です。この頃は正義の情熱に燃え上がっていました。
しかし、その後配属されてからドンドンとその情熱がくすんでいきました。
社会の悪のせいではなく、警察内部の悪によってです。

私の情熱は、この内部の悍ましい私利私欲とコネや血縁のしがらみによって苦しめられ続けたのです。

一見正義ヅラしたご立派な連中が、一体どれほど汚らわしかったことか・・・、体格とうって変わって極めて陰険で邪悪でした。」

マルオは熱い涙を流し続けています。

「もう他界してしまった妻にも、どれほど私の魂が苦しめられたかは結局最後まで話すことが出来ませんでした。妻や子どもたちにはあのケモノのような警察内部の実情を知ってもらいたくなかったのです。私は彼らの期待を裏切るようなことは出来ませんでした。

現役時代、そのようなケダモノ達に反抗的だった私はまだ20代で早くも配属先で居場所を失いました。ずっと私は軽んじられ続け、40歳になっても配属されたばかりの若者と同じ単純な仕事ばかりをやらされました。同期は出世しましたが、私はヒラのままでした。それも立ち番などの閑職でした。私はそれを50年続けて引退しました。」

「今私はあの時の、引退した時の制服を着ています。ここには若き頃の写真もあります。
時代が変わり遂にケダモノたちを叩き潰すことが出来るようになったのです。

この老いた私の身体には、この写真の頃のような煮えたぎる正義の魂が完全に蘇っています!

いや!もっとです!50年の魂の苦しみの分さらに燃え上がっているのです!」

新たな警察へ期待を膨らませている市民や政治家達は彼の魂に心を揺さぶられながら、いつまでも熱い拍手を送り続けました。


【グッドプラン・フロム・イメージスペース】Episode.5

「今から数年後・・・」 第4章 (No.0054)

おわり


第5章につづく

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