Las Vegas ,Dec.2023 vol.1〜 A night in Joshua Tree
ラスベガスでU2のライブをみるために、おそらく約6年ぶりのプライベートでの渡航。移動はレンタカーで、結果的にハードな弾丸ツアーとなった。
2023年12月8日
那覇から羽田に向かう便の到着は20分ほど遅れた。成田からのロサンゼルス行きは17:00。羽田の到着時点ですでに14:10。荷物のピックアップにも時間がかかり、リムジンバスに乗れたのは14:50だった。この時点ですでに残り2時間10分。羽田〜成田の所要時間をググると80分ほど。出発時刻の45分〜50分前には到着できるから大丈夫だろうとタカをくくっていた。羽田〜成田のミニマムコネクティングタイム（MCT）は3時間で、航空会社発券の乗り継ぎチケットだし、那覇からのディレイは航空会社の責任だし何も問題はないものと思っていた。
成田に着くとカウンターの女性は少し困った顔で「手荷物の預かりがすでにクローズされている」と話しながら、電話で担当者と話している。搭乗券は発券してもらえたものの、荷物は別のスタッフが手持ちで運んで行き、私自身はもうゲートが閉まるからと、カウンターの女性に付き添われてファストトラックのセキュリティーとイミグレを抜けて、そのままゲートまで。買うはずだったモバイルバッテリーを買えないまま搭乗させられた。MCT３時間で、遅れは航空会社の責任だし、自分に非はないはずなのだが、遅れてやって来た迷惑な客になってしまったような気分の悪さだった。
朝9:30、ロサンゼルス着。機内では映画を１本。タイトルは失念。４時間ぐらいは眠れたのだろうか。
イミグレは相変わらず酷い。１時間以上呆然としながら並ぶ。人によるのだろうが、係員の態度はあまりに酷く、英語もよく聞き取れない。目的、滞在先、所持金、帰りのチケット、etc。ここまで突っ込んで聞かれたのは初めてかもしれない。パスポートはほうり投げるように返された。
そのままレンタカー会社のシャトルで、SIXTというレンタカー屋へ。3日で23,000円ほどだった。セダンで予約したのだが、スーツケースが一つだと言うとミニクーパーになった。慣れない外国での運転だし、小さな車の方がありがたい。
出発前に自販機でペットボトルの水を1本買う。5ドル紙幣を入れると、お釣りは2ドルだけ。３ドルということは、１本約450円。いきなり物価の高さを思い知らされる。
ラスベガスまで飛行機で飛ぶ方がよほど楽なのだが、４時間ほどのドライブということで車にすることにした。レンタカーなら、途中Joshua Treeにも寄ることができるし、普段見ることのない風景を見ることもできるだろう。
とはいえ、久々の海外でのレンタカーの運転は想像を超える過酷さだった。
今夜の宿であるJoshua Treeの宿に向けて、車とスマートフォンのナビをセットして出発した。どちらもある程度ルートは同じなのだが、微妙に違った。その時々でベターな方向を選ぶのだが、ロスの市街地から郊外に出るまでの間に、４〜5回ルートを間違えてしまった。間違うたびに、正しいルートに戻るために大きく迂回することになるので、時間的にも気分的にもロスが大きかった。
制限速度はほぼ70マイル（約112km）。地元のドライバーはそこをものすごいスピードで追い越していく。それにつられるように、自分のスピードも時々90マイル（約144km）に届きそうになり、慌てて自重する。そして必ず周期的に訪れる渋滞。目の前のさまざまな状況に対応しているうちに、肩から首に痛みを感じるようになる始末だった。運転しながら首や肩を回して、片手で揉んだりするものの、回復することはなかった。
Joshua Treeの玄関、Yukka Valleyの町に着いたのは16:30頃。ロサンゼルスを出て4時間半ほどが経っていた。すでにあたりは薄暗い。Yukka Valleyは、街道沿いの典型的なスモールタウンだった。こういう普段何の縁もない町に滞在するのも面白い。客室に必要最低限のものだけが揃った全国チェーンのモーテル。携帯やWifiを充電しながら１時間だけ横になった。携帯のアラームで無理やり起きだすとモーテルの道向かいの大きなスーパーに、モバイルバッテリーを探しにいく。一つだけ残っていたものと、２リットルほど入った水とパストラミビーフのサンドウィッチを買った。夕食は外食も考えたのだが、さほど空腹感もなく簡単にすませることにした。水はここで買うと大きなボトルが1ドル30セント程度。これをレンタカー屋で買った水のボトルにリフィルする。
ライブ会場があるとは思えない場所だった。
夜、車で7~8分の隣町、Pioneer Townにある店でライブをやっていると知り出かけてみた。
“PAPPY + HARRIET’S”という店は伝統あるライブ・レストラン。2016年にはポール・マッカートニーがライブもやったことがある。店内の大半はグリル・レストランで、ステージ前の一角に、それ用の座席とステンディングの観覧エリアが設けられていた。
木戸口で「テーブルと椅子はいっぱいだから、ステンディングでお願いね」と言われる。金曜日の夜ということで、賑わっているのかもしれない。車があるので酒は飲めず、ジンジャーエールをいただく。
今夜の出演アーティストはSunny Sweeney。アリゾナの女性カントリーシンガーのアコースティックライブ。とてもいい声をした人だった。
周囲に何もない場所にも関わらず、この店のライブの本数は驚くほど。ツアーバンドがラスベガスとロサンゼルス、サンディエゴへの中継地として演奏することが多いのだろうと想像した。“おとぼけビーバー”も、しっかりスケジュールに入っていた。
ショーの途中、酷い眠気がやってきてホテルに戻る。
（続）
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