【観賞記?】台北・東京・大分二千八百六十三キロの証言
第一章 東京
「警部、◯◯さんをお連れしました。」
部下の声に振り向いた□□署の▽▽警部の視野に、50歳半ばと見られる中年の男が映った。これから、ある事件の重要参考人として、この男を任意で事情聴取するのだが、一目その姿を見て、警部は、こいつに間違いないという直感が働いた。取調室に通したところで、
「◯◯さん、いや、やはりこの界隈ではモノノフLv.1さん、それとも、おぢさんとお呼びしましょうか?」と、さり気なく、お前の素性は知っているぞと、警部が脅かすと、その男、以後はおぢさんと呼ぶが、彼は早くも怯えた表情を隠すこともなく、
「い、一体私が何をしたというのですか?」
と掠れた声で聞き返した。
「実は、7月28日に、ある事件が起こりました。我々はそれについて数多くの人物を調べましたが、被疑者は特定できませんでした。そこで、もっと広い範囲から対象者を洗い出すうちに、あなたを探し出して、お越しいただいたんです。」
「な、何故私を?」
「あなたは、スターダストプラネット、スタプラというようですが、そこに所属しているアイドルの「AMEFURASSHI」と「内藤るな」さんを10年近く応援していますよね。あなた自身が記事に書いています。」
警部の話に、そこまで調べているのかと、さらに怯えと驚愕の表情を加算したおぢさんは、不安を晴らしたいがために、
「じ、事件というのは、どんなものなんですか?」
と恐れながら問うと、
「詳しくは、これを視てください。」
と警部が差し出したのは、あるXのポストで、彼が天賦の動画をクリックすると、ある人物の大切なものが無残な型で遺棄されている場面が映し出された。続く言葉を発しない警部に、
「こ、これと私が、何の関係があるというのですか?」
と問うと、警部は、
「この犯行現場は、新宿のライブハウスです。あなたは、28日のこのライブハウスでのイベントの主催者、スタプラの現場にはかれこれ12年以上も通っていて、業者のふりをすれば関係者エリアに潜入することは簡単なことを知っているはずです。また、あなたはブログや記事も同じ期間書いています。この数年本来の生活の多忙などを理由に記事を書かなくなるうちに、読者は減ったようですね。それがこの7月から急に記事を増やし始めて、もう一度読者を戻したいためにも、こうした事件は格好のネタですよね。」
一旦言葉を区切る警部は、さらに追い打ちをかけるように、
「さらに、あなたは先の24日の、AMEFURASSHIメンバーの市川優月さんとの特典会で、「次はフェスで会おう!」と言ったそうですね。こうしたことから、我々はあなたを重要参考人、いや、被疑者として連行したんですよ。」
ここまで警部は、それまで自信たっぷりにゆっくりと話を進めてきたが、この後、多少穏やかに笑みを浮かべながら、
「おぢさん、あなたのこれまでの記事は、ざっとではありますが、見せてもらいました。アイドルとの距離を間違わない年輩者らしい応援姿勢のあなたが、こんな、魔が差したような悪戯は似合わない。私の一存手で自首扱いにしたっていい、どうか自白くださいませんか?」
「わ、私の記事をお読みならば、その距離感ゆえに、彼女達の認知は無いですよ。ゆづは、さすがに私の顔と名前は一致するようですが、話の内容なんて、覚えてませんよ。そして、私が言ったのは、TIFです。ティフという8月3日のイベントですよ。」
「おぢさん、あなたは本当に謙虚な方だ。認知についてはもう少し自信を持たれた方がいいですよ。ただ、今回の証言をしたのが市川さんか、剥がしというんですかね、ついていたスタッフかは言えませんが、なるほど、柚姫のフェスでは無いとおっしゃる。しかし、当日券という、購入履歴の残らない方法での入場もできますし、あなたが行かなかったことにはなりません。」
警部に否定されたおぢさんは、この時初めて、この警部と対決することを決意したかのように、弱さを精一杯消しながら、宣戦布告をした。
「警部さん、私はね、7月28日はもとより、27日にも新宿には行けないんですよ。AMEFURASSHIや内藤るな、るんぱんを裏切ってでも、行きたかったイベントに行っていたんです。つまり、アリバイがあるんです!私は、27日は台湾で、彼女達と同じように応援している、播磨かな、今はスタプラの「浪江女子発組合」に所属している彼女が出演した「漫画博覧会」のライブステージと、28日は、やはり彼女達の仲間だった3Bjuniorの元メンバー、夕月の、大分・国東市の「歌の花束コンサート」を観に行っていたんです!」「・・・ほう。詳しく、うかがいましょうか。」
警部からは穏やかな笑みが消え、再び自信を秘めた冷静な表情に戻った。
第ニ章 7月27日 台北
「5月でしたか、浪江女子発組合、JA浪江が7月に海外へ行くと発表がされた時点で行こうと。それが台北での漫画博覧会だとわかったとき、去年AMEFURASSHIで行ったイベントだったので、私は鉄道や飛行機での旅行も趣味ですから、やや物足りなさを感じたので、台北には、
ベトナムと、
マレーシアに寄ってから入ろうと、安いLCCを利用して、ゆづの渋谷のイベントの後羽田空港へ行き、25日と26日で両国を回り、その日の夜に台北に着いたんです。」
「それで?」
「翌日は、JA浪江のライブが11:20からでしたが、やはり鉄道好きなものでして、朝7:30にはホテルを出て、台北駅から桃園までMRTで行ってから、台湾新幹線(高鐵)で台北まで戻ってから、会場の、
世界貿易センターに11:00に来ました。」
さらにおぢさんは続けて、
「私は、JA浪江の公式ツアーではなく、今日27日だけの参加ですので、ライブの優先入場権などはありません。100人以上が観覧スペースに入ってから、ステージ上手の後方で待機しました。日本からのスタッフは、イーブルレコードの斉藤久美子さんやngsmさん、スタプラからも塩沢さんなどが来ていましたよ。あっ、あと最高峰で日本人のご夫妻が、別のスタッフに挨拶していましたけど、もしかしたらあれは、あーりんの・・・・?ご夫妻ともマスクをしていましたし、昔のテレビに出た時の印象しか分かりませんから確信はありませんでしたけれども。」
「なるほど、ライブ以外の、記事に書いたら面白そうなことばかりを覗き見る、あなたならではの視線ですね。続けてください。」
警部は皮肉のつもりだったが、おぢさんは意に介さずに続ける。
「ほぼ定刻どおりで、JA浪江の「なみえのわ」出囃子に乗って、今回の遠征メンバーの4人、播磨、里菜さん、雪月さん、そしてあーりんが登場してきて、まずはその「なみえのわ」に入ります。8人の歌を4人でどう歌うのかな?というのが気になりましたが、ペアで歌う部分が多く、サビはソロで、という感じでした。全部撮影可能でしたが、私は後方でしたから、
こんな感じですが、4人は狭いステージを広く並んで、あーりんなんかは久々にファンと近い位置でのステージだったからでしょう、レスも全方位でしたね。2曲目は「桜梅桃李夢物語」で、これは4人の短縮バージョンでしたね。そして「ミライイロの花」と続いて一旦トークになります。」
「あいさつでは、播磨が、昨日台北に入ってから、平目?鍋をみんなで食べたそうですが、里菜さんからは、播磨はハーゲンダッツばっかり食べていたと暴露されてました。あーりんによると、台湾オリジナルのフレーバーがあるそうで、目がくらんだんでしょう。余談ですが、あーりん、里菜さん、播磨は、同じH高校の出身なんですよね。漫画博覧会全体の混雑が凄くて、4人で肩に手を乗せて迷子にならないようにと見学したそうです。そして、早くもラストスパートということで、新曲の「いろむすび」は、MVの制服姿とかより、私は歌を聴く側なので、これは動画に撮りました。その一部が、
こんな感じです。そして、ああ、本当にフィナーレでしたよ、「またキミと」が流れてきていしまいましたから。7月の上旬に、AALLOPでの特典会で、またキミとのエンディングポーズをお願いしましたが、台北でもまたキミと、しかも別の4人でのフィニッシュポーズでしたからね、感慨深いものがありましたよ。あーりんに言わせれば、明日もあるからさっ!って感じで正味25分と、想定より短かったですが、メインはツアー参加の方たちとのファンサービスでしょうし、それで良いと思ってます。みんなと近づくならそれに参加すればいいんですから。このあとは、あーりん以外の3人もバスツアーで特典会もありません。それでもライブを観れて良かったですよ。」
取り調べであることも忘れて饒舌に語ったおぢさん。その後、聞かれてもいないのに、次のステージに登場の、事務所は同じスターダストプロの制作3部、元ときめき宣伝部のメンバー、浴衣で登場の、
小高サラさんのステージについても、JA浪江から引き続いて最前に張り付いていたのは10人前後・とき宣時代からのファンみたいな人は少なくとも見かけなかった(とき宣はこの週末ソウルでコンサートだったらしい)・それでも呼び込み等で40人くらいは集まった・台湾のドルヲタがオタ芸していて台湾も大丈夫と思った・「陽の当たる坂道を自転車で駆け上がる」の「風になる」・「恐れてないものを」の「シルエット」・いきものがかりの「ブルーバード」の3曲を歌った・特典会もあるそうだったがどうだったんだろうか?などを語尽くした。警部が、
「で、次が佐々木彩夏さんのステージですか?」
と聞くと、おぢさんは、
「はい。時間が10分ほど押していたようです。こちらも100人以上の優先入場が終わってから、同じく後方の上手側に待機しました。斉藤さんがスタッフ用の撮影用の台に登っていて配信用に撮影するようでしたね。JA浪江のときよりも、ピンク武装のプニノフが多い感じで、もしかして今も、ももクロしか、あーりんしか、のファンもいるんでしょうか?ってことが率直な感想でしたね。」
「そのまま10分押しで、AYAKA-NATIONでおなじみの出囃子であーりんが登場してきて、そのまま、あの「ハッピーバースデー!」の歌を始めます。そして、おお、カバーで来るのか!となったのが「キューティハニー」と、さらに私は知らない曲で、最初は彼女の持ち歌?となったのですが、どうやら漫画博覧会に来ているということで、アニメ関連の歌のようでしたが、なんとラスサビ後の部分を歌詞飛ばして、苦笑いでハミングごまかしでした。余談ですが、こういう間違えを、がははと笑い飛ばすあーりんも良いですし、平瀬美里さんという私の贔屓は、この日だけしか来ないひともいるのに完璧なものを見せられなかったと涙ぐみますし、どちらもあっていいと思いますよね。」
「話が逸れました、そのことを「おかしいなあ、ちゃんと歌詞入ってたのになあ」と苦笑い後、ファンツアー行く人はこの後も楽しもう、など言っていましたが、お疲れ気味なのか、話題はあまり広がらずにラストスパートとなりまして、その後で、予想しなかった「走れ!」でした。ピンクペンライト皆さんさすがもっていましたよ。2番は「いつだって踏み出す前に」「結局何にも出来なくて」の方を歌い、「言い訳ばっかり考えて」「時間が過ぎて」の方は歌わない感じでしたので、私、声出して歌いたかったですよ!」
「そして最後は、やはりあの曲「だってあーりんなんだもん!」で締めでした。「成長期よ16歳」で、苦笑いみたいに見えたのは私だけでしょうか?マイク差し向けたり台湾でも、ファンとの近い距離でのコール&レスポンスを楽しんでいましたよ。そしてやはり30分満たないくらいで13:05頃に終わりのあいさつで終了しましたよ。」
「それで、あなたはその後は?」
「帰国の便がANAの16:50発でしたので、少し早いですが海外は不慣れですから、そのまま地下鉄で松山空港に行きました。空港では3時間ほど待っていましたが、時間はすぐに経過して、ほぼ定刻どおりに飛行機は飛んで、羽田には21:30前に着き、明日は大分なので、近くのホテルに泊まりましたよ。」おぢさんの話を警部は冷静冷徹に聞いていたが、そのままの表情で、
「おぢさん、あなたは、出入国を踏まえた完璧なアリバイが27日にはあることを言いたいんでしょうが、27日まであなたがどこで何をしていようと関係ないんです。」
「し、しかし私みたいな小心者は、28日の当日に堂々と施設内に立ち入るなんて無理だ。前の日に忍び込むでもしない限りは!」
「おぢさん、あなたは、あの遺棄されたものは、前日にあそこにあったと思いますか?今の時期ではありえません。あれは明らかに28日当日に会場内に運ばれて、その日に無惨にも遺棄されたんです。」
怒るでもなく勝ち誇るでもなく、警部は最初におぢさんと相対した時と同じように冷静に言い放った後、
「では、問題の28日のことをお話してください。」
と言った。
第三章 7月28日 大分
「元々、大分に行くかは悩んでいました。やはりJA浪江の二日目を観てから帰ろう、と思っていましたが、夕月が、8月11日に、平瀬美里、さっきも言いましたが元3Bjunior仲間の彼女の主催のイベントに出ることになり、そして、その会場の大分県国東市は、大分空港から近くで旅気分も味わえる、良いところですので、やはり行くことにして、7:50発の大分行に搭乗しました。」
「空港に着いたら、予約していたカーシェアで、国東市の会場、
アストくにさきに向かい、予定の「歌の花束コンサート第一部」の開場時間10:30には会場に入り、客席最後方から4列前のやや上手寄りに座りましたよ。最前には、彼女の昔からのファンが4人いて、ほか合わせてだいたい10人くらいが現場に行っている感じでしたか。」
「10:50に、つるがわFMのパーソナリティのくまださんですか、諸注意と今回のコンサートの協賛会社の紹介があって、3分くらい前には、夕月と、もう一人の地元にゆかりある、元宝塚歌劇団の和泉紗江さんが影ナレのあいさつがありました。そして定刻11:00に緞帳が上がり、白のロングジャケットの夕月と黒のロングジャケットの和泉さんが並んで、和名タイトル「君の瞳に恋してる」を歌いました。和泉さんが英語歌詞で、夕月が和歌詞で歌い、サビは二人で歌うという感じでした。この曲の後に、昨年11月に、同じこちらの場所で「国東オールスターズ」という市民のイベントにゲストとして参加した時に、またここで歌いたいという思いが、今日のコンサートとなりました、と二人とも素敵な表情で話していましたよ。」
「続いては、夕月が、夏にふさわしい曲として、「世界で一番熱い夏」。フルコーラスではなく1番と半分、というくらいでした。駆け抜けるゼブラのストライプ、が2人の白と黒の衣装にマッチしていましたね。次に「春を告げる」という曲では、国東市近隣で活動するダンスサークル・TOMOダンススクールの12人の皆さんとコラボで歌い、なんと夕月も、実に3Bjr終了時以来の、ダンスをしながら歌うというシーンがありました。思えば3Bjrのころは、彼女はダンス上手、という評価だったのが、いつしか歌唱上位者になっていったんですよ。懐かしかったあ・・・。その後、昨年11月も歌った、3Bjr時代の課題曲である「奏」を1番半披露して、和泉さんに代わります。」先ほどの台北でのライブのこと以上に、恍惚として入り込んで語るおぢさんを、ただ冷静に見つめる警部。
「和泉さんは、まずは出身のr宝塚といえば、もちろん「すみれの花咲く頃」。余談ですが、あの騒動を、出身者としてはなんともやるせない思いでおられるんでしょうね・・・。そして、次は、これも11月に歌ったかな?「You Raise Me Up」という英語歌詞の曲と、オリジナルソングの「Orange」という、前を向いて頑張ってゆこうという曲を披露して、再び夕月です。」
「今度は、やはりTOMOダンススクールのみんなと、遊んでる暇あったら発明して・自尊心なんとかかんとか、というコミカルな「エジソン」という曲を、やはり一緒にダンスで歌います。その次は、和泉さんが、同じく地元のATダンスミュージカルというダンス教室の、小学生から高校生くらいまでの女性たちと一緒に、「アナと雪の女王」の楽曲メドレーと「Part of Your World」という曲を披露します。そう、今回のコンサート、単に2人が歌うだけでなく、地元国東で活動する若い人たちとのコラボレーションをしたいという和泉さんの思いが反映された、大変素敵な演出になっていたんです。終わってから、一人ずつですが感想を言う姿が、堂々とした人、小さいながらも洒落たことを言う人など、みんな楽しそうでしたよ!」
警部は、決しておぢさんの話に引き込まれていることはないが、遮ることもなく、このコンサートの講釈を続けることを許している。
「そして、ああ、和泉さんの粋な計らいでしょうか?夕月が、自身が月例で開催している「ハロー!ユヅキソング」と同じような長袖ブラウスとロングスカート、そして方にはアコースティックギターを下げて、この国東で初めてシンガーソングライターの姿を披露するんです。デビューソングといっていいでしょう「23」の後に、私は夢を叶えるために去年10月に再びステージに立つことを決めました。今日来ている小中高のみんなにも、自分の夢を追うこと、そして夢を叶えるために応援していくれる人がいることの素晴らしさ、そういうのっていいなと思ってもらいたい、という、なんとも素敵なメッセージを話してくれたんです!会場にコールレスを求めて「Ordinary」どんな明日を描こう?(wow wow)後悔は空に捨てて!不器用な生き方(wow wow)もう一度楽しもうよ!そのとおりじゃないですか!司会のくまださんも、歌ってダンスもできて、そしてギターも出来てと、歌詞にもありますが、アイドルも悪くない、いや、アイドルこそすべての芸事の入り口として素晴らしいものなんですよ。」
「若い人だけが国東市民代表ではありません。今度は、あじさい歌謡クラブの年輩のみなさんと和泉さんが、「高校三年生」「上を向いて歩こう」そして、「お祭りマンボ」では、なんと和泉さんと夕月が、会場に降りて来て練り歩きます。和泉さんは、ヅカ時代はこんなことはなかったでしょうね。でも夕月は、これもアイドル時代には良く行ったいたことです。ファンの皆さんはこのときはいいレスを受けていましたね。」
「やがてステージには2人が残ります。改めて、再びここ国東でのコンサートに感謝を伝えて、またこうした機会が得られるように日々の精進を告げてから、日本語版で「My Way」です。警部さん、この曲とさっきの「上を向いて歩こう」は、夕月の3Bjr時代、別の仲間がカバーとして歌い、アルバムに収録されているんです。その時の曲をこうして時を経て夕月も歌う。歌って素晴らしいじゃないですか!」
ここまでのコンサート時間は1時間20分ほどだというおぢさんは、名残を惜しむかのように最後のシーンを語りだす。
「最後は、全出演者がステージに立って、「ジャンボリミッキー」を、おそらくダンススクールの先生方が振り付けをしたんでしょう、すごく踊りやすい振り付けで、私は1部は着席ながら手ぶりを、2部は和泉さんの、皆さん立ちましょう!に従い、立ち上がって一緒に踊りましたよ!2部では、地元の若い高校生くらいの男子が、アンコールの声を上げると、急遽アンコールOKとなって、もう一度「ジャンボリミッキー」で会場が歌い踊ります。和泉さんも夕月も再び会場を練り歩いて、2部では、なんと私の前に夕月が来てくれました!それまでに小さな子とは全員とハイタッチを交わすなど、彼女は本当に楽しそうで、10月5日に決まったワンマンライブの前に、歌うことの楽しさを改めて体感したことはなによりだったんじゃないでしょうか。2部は1部と全く同じ構成でしたが、それが全然気にならない、素晴らしい1日になりました。」
おぢさんは、本当にこれが取り調べであることを忘れているように、自分にとっては素晴らしいこの日のことを話し終えて、ようやく我に戻ったところであったが、もはやこの話のどこに疑う余地があるのか、というように、立場は逆転したと勝ち誇るように、警部に目を向けた。
終章
「以上が私の28日の行動のすべてです。このコンサートは撮影は禁止でしたが、道中の写真などはすべてお見せしたとおりです。警部さん、私のアリバイはもはや揺るぎないものなのは認めていただけるとして、でもね、もしも、アリバイ工作でもなんでもできるなら、私はしたかった。その事件のあった「柚姫の部屋フェス」だって、AMEFURASSHIとるんぱんの、その日その時の姿は観たかった。瞬間移動でもなんでも、超能力が欲しいですよ。3Bjrのメンバーのイベント被りには何度も苦しい思いをします。身体はひとつしかないことを何度嘆いたことか。願わくば、今度は警部さんに、私の身体の身代わりとして、代行していいただきたいですよ。良ければこれから、始めてみませんかアイドルを。では、失礼します。」
そう言って、帰ろうと立ち上がるおぢさんを、警部は手で制して、冷静に告げた。
「おぢさん、あなたを逮捕します。今あなたが話したことは、あなたが最後に言ったとおり、あらかじめ雇った代行者に見聞きさせたものです。我々は現在、その代行者の行方を追っていますが直に手配されるでしょう。あなたが2部で目が合ったという夕月さんは、そんな覚えは無いと言っています。そしてこれが、あなたが、実は犯行のあった「柚姫の部屋フェス」に言っていたことの証でもあるんです。」
「い、一体何を言っているんだ!私は台北で播磨を観に、大分で夕月を観に行ったんだ!代行者だのなんだのでっちあげだ!そ、その、証ってのは何ですか?」
「それはね、承認欲求ですよ。アイドルファンの一番の望みは、認知されいるアイドルからのレスです。あなたは確かにアイドルと距離を保って接しているが、承認欲求まで無いとは言えません。だが、特典会で膨大なお金を使うほどの収入は無いあなたは、少ない回数で何とか認知を得ようと、多くが「可愛いよ~」「結婚しよう~」などと言う中で、芸事がどうのこうのと言って、変わったアピールの仕方をしているようですね。でも、残念ながら、あなたを認知しているのは、ごく一部の者だけだ。その、認知している者が立つステージを観ることの方が自然なことなんですよ。ましてや特典会すらなかったJA浪江の播磨さんや夕月さんには、認知すら強化することもできない。あなたは大分には言っていない!任意の聴取ですが、まだ、お時間よろしいですね。本当の気持ちをお聞きしましょう。」
(そ、そんな!お、俺が承認欲求だ?そんなものは、な、無いだろうか?果たして?・・・・・、ぜ、ゼロとは言わないけれども・・・・)
警部の放った痛烈な一言「承認欲求」。とりたてて見栄えもしない、しかも若くない50代中盤のおっさんを、なんか覚えてくれている人がいる。それはどれほど嬉しいことなのか?リアルな生活で承認されることなど皆無な中で、たとえ虚業の中の人物であっても、あなたは知っているよ、と言われることはどれほど尊いか。そんなことを思ううちに、だんだんと気が遠くなってゆくおぢさんが、疲労困憊で眠る直前に記憶に残っている一言は、
「け、警部さん?ま、まだ、じ、自首扱いにしていただけますか?」だった。(了)
いやあ、実にくだらないwwww。
このところリアルがそれほどでもないからって、これはひどいね。もちろん、これまで書いたことは、小生がベトナムとマレーシア経由で台北と大分行ったことと、小生が行かなかった柚姫の部屋フェスで「事件」があったことは事実ですが、その他は本当にデキの悪いフィクションですのでね。
そもそも、この柚姫の部屋フェスの事件ってのが、
瀬戸口俊介さんの弁当をエレベーターに放置とか、
それ自体実にくだらねえけどもwww、
それと3Bjrメンバーのイベント被り問題と、台北と大分いったことを単なる観賞レポにするのもなあって思いとを混ぜてみたら、こんなのになっちゃった。これ、
大分の夕月のイベントはちゃんと書くべき素敵なコンサートだったんだけど、まあ、今回はこんな感じでごめんなさいです。ということで、この週末は、TIFとJA浪江の野田のイベントに、有沢澪風ちゃんの「舞台アサルトリリィ」が被るが、こちらは日程を選べる舞台なので事なきを得たが、被るほどお仕事があるのは良きことかな、ということで、3Bjrメンバーよ、この夏もステージに立とう!!