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短編小説

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#春

【短編小説】君の意味

君の意味君は夜の宇宙船に乗っていた。目の前にはもうすぐ散ってしまいそうな星たちが瞬いていて、君はいつか地上で見たことのある花びらの雨を思い出した。真っ黒でひっそりとした空間にさらさらと星の花びらが散らばっていた。ここですれ違うともう二度と会うことはできないと、星たちも君も分かっていた。 なぜここにいるのだろう、君は思った。音も追憶もない世界に、一人でぽつんと。なぜ君だけがここにいるのだろう、君は思い続けたけど、消された記憶は君に何の答えもしてくれなかった。 何かヒントがほ