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「無い」

Instagramで展開しているSTORING。このメディアには、余計な情報どころか普通なら必要とされる情報までもがありません。あるのは物語とイラストのみ。そういった意味ではとても不親切なメディアなのかもしれません。

数ヶ月前に訪れた宿には、近くにコンビニも無く、部屋のテレビも館内のBGMも無い宿でした。しかし滞在中、その「無い」ということが普段の日常では得られない、様々な気付きを与えてくれ、不思議と帰る頃には心がいっぱいに満たされていたのです。

その宿での体験は何か、STORINGとの親和性を感じさせてくれました。そして私たちがこのメディアでしようとしていることは、不親切な一方で、この便利過ぎる世の中に生きる人々へ、ふと立ち止まる勇気や自身と向き合う時間を提供できるメディアになり得ると思えた体験でした。

豊かな時間とは。私はコロナ禍で今まで以上にあらゆるメディアで使い回されるこの言葉の本当の意味をずっと考えていたのですが、思いがけず今回の旅で自分なりの答えを出すことができました。

「無い」ことによりいつもそばにある日常の有難さや自身の考えに気付き、「無い」ことが生んだ余白が、大切なもので満たされる。それがなによりの豊かな時間であると。

編集部 Y

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