こうし

読書が好きな31歳です。 アウトプットを習慣づけるため、日々の学びや気づきを物語にして…

こうし

読書が好きな31歳です。 アウトプットを習慣づけるため、日々の学びや気づきを物語にして発信していきます。

最近の記事

タモツの憂鬱

 タモツは1,2ヶ月前に思い立ってAmazonで気になった本を10冊近く買ったものの、通勤電車で彼が読み進める量は少なく8冊は積ん読本となっていた。  このまま一生読まれないかと思われた本たちの1つが『スタートアップ的 人生戦略』という本だ。  リンクトインの共同創業者であるリード・ホフマンらが書いた本は、購入時の興奮を失っている今の彼にとっては近寄りがたかった。  しかし彼もようやく、週に1度の休日に積ん読本を読み始める気になったようで、いつも持ち歩くトートバッグに『スタ

    • 孤独なタカシとタカナシさん

       タカシは大学生活を楽しみ、友人たちと共に過ごすことが何よりの喜びであった。彼らと出会って一年も経っていなかったが、絆は固く互いを支え合っている感覚にタカシは満たされていた。  しかしある日を境に、その絆は崩れ去り、タカシは孤独な道を歩むことになった。  その日、タカシは偶然耳にした会話で、一ヶ月前に彼が別れた元カノと友人のヒロキが付き合い始めたことを知らされた。ヒロキはタカシに関する色々な話を聞いたらしく、それを笑いながら仲間内で話していた。  元カノの視点から語られる

      • 音の贈り物、心の夜明け

         街の明かりが輝く中、ユウマは少し前に離婚したばかりで、心には寂寥感と喪失感が漂っていた。かつて共に歩んでいたパートナーとの関係が破綻し、その痛みが彼の胸に深く残り続けていた。  お互いの価値観の違いから生まれた溝は知らず知らずのうちに広がり、結局は別々の未来を歩むことを選ぶことになったのだ。  友達との楽しい夜なんてものはなく、仕事を終えた後の疲労感が身体を包み込んでいて、足取りは重かった。仕事に追われ忙しい毎日に疲弊しており、心を開ける友達と呼べる相手もいなかった。  

        • 24時間という庭

           エリの日常は、まるで静かな川のように流れていた。毎朝、彼女は財布に詰まった時間のうち、6時間がすでに消えていることに気付いても、それを深く考えることはなかった。  彼女はただ時の流れに身を任せ、その川の中で漂っていた。  ある日、彼女は時間に関する言葉に出会った。 「1日が24時間であり、それは誰にでも平等に与えられている。重要なのはどう使うかだ。」  言葉はまるで森の奥深くから聞こえてきたようだった。エリはその言葉に引き寄せられるように、自分の時間の使い方について考え始

        タモツの憂鬱

          挫折と輝き:ユリの道、カナコの選択

           カナコは確立されたキャリアで輝かしい成功を収めていた。  彼女は優れたリーダーシップと安定感で多くの人々の信頼を集め、社会的な期待に応え続けていた。  しかし、その一方で彼女は深い満足感を見いだせず、心の奥底に何かが足りないことを感じていた。  ユリは人生の荒波にもまれ、失敗や苦境に立ち向かってきた。  彼女はその中で見つけた新しい可能性に導かれ、自らの内なる声に従って挑戦し続けた。  多くの瞬間で転ばされながらも、ユリは自分のオリジナリティを大切にし、他者とは異なる独自

          挫折と輝き:ユリの道、カナコの選択

          言葉の日々:ノートに秘められた小さな冒険

           彼女の名前はユリ。日々を機械のように過ごす普通の会社員だ。  毎朝、目覚まし時計とともに起き、決まり切ったルーチンをこなし、夜は疲れ切ってベッドに倒れ込む。彼女の人生には、かつてのような情熱や新鮮さが失われ、すべてが予測可能で単調なものとなっていた。  だけどある日、彼女のルーティンに小さな変化が訪れた。友人からの勧めで朝の時間を少し違った方法で使ってみることにしたのだ。  それは、朝の最初の数十分を自分だけの時間とし、手元の空白のノートに何でもいいから文字を綴るというも

          言葉の日々:ノートに秘められた小さな冒険