見出し画像

インボイス制度 適格請求書発行事業者「登録取り下げ・失効件数」2023年9月期分 報告


●「登録取り下げ・失効件数」2023年9月期分 報告

2023年10月1日から施行した消費税インボイス制度。当会(インボイス制度を考えるフリーランスの会)では、国税庁が公表しているインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトのデータを基に、毎月「登録取り下げ・失効件数」のデータを集計・分析してきました。

制度実施直前の2023年9月期は、1ヶ月間(単月)で「登録取り下げ・失効件数」が7,837件と急増し、分析を始めた2022年6月からの累計で2万1820件に達しました。

登録取り下げ・失効件数 2023年9月末データ

取り下げ件数は、国税庁が公表しているインボイス制度適格請求書発行事業者公表サイトのデータを基に、当月と前月のデータを比較し、インボイス制度の登録取り下げ・失効件数をカウント。この中には、廃業、合併、企業統合などにより登録番号を失効したと考えられる件数も含まれています。

登録取り下げ・失効件数 内訳データ

このタイミングでの取り下げ件数の急増は、いくつかの理由が考えられますが、発注側に頼まれて一旦は登録したものの、「やっぱり、やめよう」という思いや「経過措置の間は、様子を見てもいいのではないか」など事業実態に即し、地に足のついた検討が広がっていったことで、特に免税事業者の間で、課税期間が発生しないで済む9月末までに「一旦取り下げよう」と決断した方が多く出たのではないかと思われます。

実際のところ、政府側から、デメリットも含めた〝丁寧な説明〟があれば、土壇場で登録を取り下げる事業者が、これほど出ることにはならなかったのでないでしょうか。

この事実に、政治家、メディアは厳しく向き合ってほしいと思います。制度実施後、多くの中小事業者やフリーランス、経理担当者が問題に直面し、各地で混乱が起きています。この混乱は全く収まることなく、確実に事業者に生産性のない無駄な作業を押しつけ、疲弊させています。

インボイスは少なくとも、いったん止めて立ち止まる。現場の混乱を検証し、制度としての綻(ほころ)びがあるのであれば、政府には勇気を持って「中止・廃止」の決断をして頂きたいです。

尚、この「取り下げ」件数は、本来は9月末までしか取り下げができないため、今回の集計で最終となるはずでした。しかし、9月末ギリギリでの取り下げ申請がかなり多く、国税庁側で処理しきれていない分が存在するようです。その数がどれくらいになるかは、2023年10月末分のデータが出た時点で、改めて集計・分析をしてみたいと考えています。


●「取り消し」申請をして、免税事業者に戻るには

2023年10月1日の時点で、インボイス制度 適格請求書発行事業者になっている元免税事業者で、「やっぱり、免税事業者に戻りたい」と思われた方は、国税庁が用意している適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書(PDFファイル) の様式に従い、手続きをすることが出来ます。

<※注意点>

但し、「取消し届出書」の提出日には気をつけてください。取消しをしようとする課税期間の初日から起算して、15日前までに提出する必要があります。また、
・適格請求書発行事業者の登録日
・事業者の課税期間(事業年度、決算月)
などにより、取消しが受理されても、即、翌課税期間から免税事業者に戻れないケースもあります。詳しくは、所轄税務署か税理士などにお問い合わせ頂くのがよろしいかと思います。

※参考「インボイス制度において注意すべき事例」(国税庁)

取消しの届け出をして、免税事業者に戻れるタイミングについては、以下の動画がわかりやすく解説されておりましたので、引用いたします。ご参考になさってください。


●「インボイス制度」反対へのオンライン署名

Change.org のサイトから、簡単に署名ができます。ご賛同頂ける方は、ぜひリンク先からご署名ください。60万筆、70万筆と積み重ねることで、国を動かす大きな力になります。ぜひご協力ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?