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マジカルミライ2020 in OSAKA初演感想

 この度はこのような所までお越し頂きありがとうございます。
年に1度、マジカルミライの感想を投稿してこれで3度目となります。
今年は少し時期が遅くなったことも少し感慨深いですが、備忘録も兼ねて残していきたいと思います。
当然ながらネタバレ満載ですので、その点はご容赦願います。



 今回はコロナ対策のため座席の半分が空席となったのですが、いやもう去年までぎゅうぎゅう詰めに押し込められていたのが信じられないほど快適で…ステージも高い位置にありA席の最後方からでも十分見ることが出来ました。演出などを見ることも考えるとむしろ後方のほうが良い席かもしれません。マジカルミライ2020 in Tokyo(千葉)のチケットはS席までならまだまだ残ってますので皆さま如何でしょうか。

 まず開演前の会場を温めてくれたのが

0.スパイラルデイズ/芳田

マジカルミライ2020 楽曲コンテスト 準グランプリ
芳田さんの『スパイラル・デイズ』です。

 「 あの日 描いた夢 集めて
   あふれ出す想いを抱えて
   星空を走り抜けた ほら、自由ね
   水平線 届くまで 二人の時間重ねよう  」  

 サビで音量を上げてくれるのが心憎いですね。
マジカルミライ2020の延期が発表されてから、今日、この日を迎えるまで様々な困難がありました。本当に直前まで、開催されるかわからない程。
それでも、描いた夢を集め、あふれ出す想いを抱えて。
マジカルミライ2020 in OSAKA ここに開演です。


1.太陽系デスコ/ナユタン星人

 巨大なミラーボールを一等星に見立てての『太陽系デスコ』です。
インデックス大阪会場は早くもイカした銀河のダンスホールと化しました
声出したらダメだから手拍子のある曲用意したよ♪じゃないんですよ。
まるでこれまで中止や延期になったイベントの分まで踊りあかすような、ある種の執念のようなものさえ感じました。ミク鼓童とかミク鼓童とか…。

 「 あの一等星の届かぬ光は 遥かな彼方で綺羅めいた
   我が太陽系の法則も外れて 「それでもいいさ」手をのばして!  」

 目指した先は遥か彼方で。今までと形も違ってきているけれど。
それでもいいさと手を伸ばして。
ナユタン星人さんの曲はノリノリなのにしんみりとさせるところがズルいですよね…。

2.ハイパーリアリティショウ/鬱P

 2曲目は鬱Pさんの『ハイパーリアリティショウ』です。
マジカルミライを観て作られた曲ということで、奇しくも今年のテーマソング「愛されなくても君がいる」と同じですが、方向性はかなり異なります。いやでももしかしたら同じかも?
 スモークをばんばん焚いて、スピーカーを踏みしめ、ギタリストと並び、
挑戦的なこの曲に相応しい演出です。そう、演出。

 「 地球は茶番さ 人類みな劇団さ
   存在しない神や愛 芝居で表してきた  」

 このマジカルミライという舞台で、存在しない初音ミクに向かってペンライトを振り、熱狂する観客の前で初音ミクがこの歌を歌い上げる。
この曲を歌い上げてしまったら、もう初音ミクは無敵ですね。

3.YY/23.exe

 3曲目は23.exeさんの『YY』となります。
「わいわい」とは「うるさく言いたてるさま。また、その声を表す語。やいやい。(goo辞書より)」ということで、声を発することのできない今年のマジカルミライに敢えてこの曲を持ってきたのは、粋なことをするなぁと。無論、曲の良さあってこそですが。
 クラブ系の楽曲に定評のある23.exeさんですが、近年注目度が上がってきたと思っていたので今回の採用はとても嬉しかったです。

「 まだまだこの暑さ
  弾けたまんまセプテンバー
  まだまだこの暑さ
  夏は終わっちゃないさ 」

マジカルミライが終わるまでは夏は終わりませんよ!

4.シャボン/蜂屋ななし

 この曲を今年に持ってきた人に万雷の拍手を。
歌い上げる初音ミクのモジュール名は「アンビヴァレンツ(二律背反)」。

 所謂エレクトロスイングというんでしょうか、歌詞と音、映像の気持ちよい嵌まり具合が魅力のこの曲をライブでこのような形にしあげたのには思わずため息が洩れました。ラスサビでシャボン玉が飛び始めたのを見たときには、もう…。蜂屋さん念願のあの光景が…。願ったステージが…。
 蜂屋ななしさん。六年間の活動、ありがとうございました。またいつか。

 純白のシャボンなのでペンライトを白にしてたんですが誰も仲間が居なくて少しだけ寂しかったです。

5.Gimme×Gimme/八王子P×GigaP

 いや反則でしょこれは。しかもロッキンストーン×バーニングストーン…。
オッドアイが特徴的なこのモジュールは瞳が印象的なこの曲の魅力を引き出していると思います。てかクール組好き!!!

 こういう方はどうかと思うのですが素肌の肩に手を当てるところとか手を繋ぐところとかちょっとえっちすぎではないですか?大丈夫ですか?
力強い歌声のリンちゃんとセクシーボイスなミクさんの二人の組み合わせがお互いを引き立て、ダンスもめっちゃクールで夢見心地というか、全然違うかもなんですが興奮し過ぎて宝塚を見ているような気持ちになりました。あの投げキスは絶対失神する人が出ますよ…。
 コール禁止の唇をkissで塞いじゃうとかもう発想がやばたにえん。

6.みかぼし/3106。

 次の曲は 3106。さんの『みかぼし』です。
KAITO兄さんのモジュールは「ミステリアス・バタフライ」
待望のKAITOソロ曲、しかもAO2に収録されたあの曲が!ということで収録が発表された時から青廃の方々が「え~!私たちこれからどうなっちゃうの~!?」と戦々恐々とされていましたが、無事に全滅されていたようで私も思わず笑顔になりました(私は致命傷で済みました)。
  最初に見た時の記憶は正直朧気なのですが、見返して思ったのがまず原曲リスペクトが半端ないということ。原曲のあの1枚絵から世界観が広がり、夕闇から夜へと向かう星空のもと、赤い鉄塔の下でKAITOがギターをかき鳴らし歌う様子が……。そして三日月…。。。
 よく、ライブでボカロが実在してた!とかそういう表現がありますが今回はそういうのじゃなくてあれは「KAITOが歌っている世界」が実在した、といったほうがいいでしょうか…。そして歌が、歌声がいい…。力強い歌声が広がり…会場全体が本当に真っ青になって…綺麗でした…。
 青いペンライトの海と、巡る星と月の元で歌うKAITO……みかぼし…。

7.まるいうなばら/ごーぶす

  ごーぶす/ライチョー隊長P さんによる「マジカルミライ 2020」楽曲コンテストグランプリ受賞曲。『まるいうなばら』です。
 創作文化に対する想いを綴った曲という意味では前年度の『ある計画は今も密かに』を思い出しますが、より普遍的で聞いた人のイメージを大切にしているように感じました。
 この曲を聴いた時に好きだと思ったのは、「私だけの世界」「あなただけの歌」を現すのに、奇をてらうのではなくいわゆるオーソドックスな構成をメインに据えているところです。歌詞による共感性を重視しているのだとも思いますが、他人と違うことと自分の世界を持つことは同じではないと言っているように思えて、それってボカロだな、と。そういう世界が好きです。

 「 あなただけの歌を歌おうよ 
   変でもいいあなただけの音を
   浮かべた船はいつしか 溶けていくの水平線の
   どこかへと                    」

 この水平線という歌詞が、先述した「スパイラルデイズ」と繋がっていて、偶然なんでしょうけれど、なんだか不思議で素敵だなと。
きっと、何処かで世界が繋がっているんだろうなと思います。

 個人的には、四角い箱(インテックス大阪)を青いペンライトでいっぱいにしたかったのですがそれはそれ、ボカロのライブは何色のペンライトを振ってもいいのが魅力だとある人も言っていました。

8.Nostalogic/yuukiss(日替わり)

 そしてついに、MEIKOさんのターンです。
誰が示し合わせたわけでもないのに、めーちゃんのお祝いのために皆が手拍子で歓迎を示しだしたのには嬉しくなりました。
 此方は日替わり枠なのですが、初日はyuukissさんの『Nostalogic』でした。モジュールは勿論「ブルークリスタル」。最初のM-E-I-K-Oが言えないのが辛すぎる…。ちなみにNostalogicは郷愁[nostalgie]+論理[logic]の造語ということで、15周年を迎えるめーちゃんに相応しい1曲と言えるでしょう。

 「 遠くに消えた落書きの唄 きっと
   色褪ないで 今も 僕に 聴こえてる
   今も 僕に 聴こえてる       」

 ここの歌詞がですね~いや、好きで…15周年の今だからこそ重みが違いますよねぇ…。

9.Amazing Dolce/ひとしずくP×やま△

 この曲はDIVAXに収録された書き下ろし曲で、それ以外にはCDにしか収録されていないのでご存じない方も多かったでしょうか。モジュール名はそれぞれ「ストリベリーウィッチ」「パティシエヘンゼル」「パティシエグレーテル」。
 近年注目度が高まってきている(私調べ)「可愛らしいMEIKOさん」の波に乗ったかのような素晴らしい選曲!今回はお酒は抜きです!
 MEIKOさんと鏡音というちょっと珍しい組み合わせですが、これが実に嵌まっています。年少組×めーちゃん…尊い…。

10.きみとぼくのレゾナンス/斜め上P

 アニバーサリーの〆を務めるのは、斜め上Pさんによる「MEIKO 15th Anniversary」テーマソング『きみとぼくのレゾナンス』。
 この曲についてはnoteの方でも少し書かせて頂いたのですが、VOCALOIDイメージソングの中でも珍しい「VOCALOIDへのメッセージをそのボカロ自身に歌って貰う楽曲」となります。この会場で歌っているのはMEIKOさんですが、その歌詞は誰へと向けたものかというと、MEIKOさん自身に向けて贈るメッセージに他なりません。自分へのメッセージを歌い上げる。それは少し不思議に思えますが、何故か心をふるわせます。

 「 遠く離れていても
   遮られていても
   君へと届け僕のレゾナンス 」

 MEIKOさんの15周年という記念すべき日を祝いたくても、どうしようもない状況や止むを得ない選択により断念されたファンの方も、海外を含め多くいらっしゃったと思います。そんな方々にもアーカイブ配信でこの歌が届いたのであれば、本当にこの曲のとおりだと…。
 あとこれは何度でも言ってしまうんですが、ボカロPの紡いだ歌詞をVOCALOIDが歌うことを「二人の言葉が重なって」と表現するのは、これはもうボカロ史に残すべき言葉だと思います。この曲の時は赤と白の照明がきれいだったんですけれど、赤がMEIKOさんだとするなら白はきっと…。
 締める時はですます口調になるMEIKOさん、解釈一致です。

11.完全性コンプレックス/やみくろ

 MEIKOさんに続いて、ルカさんのターン。やみくろさんの『完全性コンプレックス』です。この方も10年間ルカさんで曲を投稿し続けてきた方で、そういう方がこうして取り上げられるというのは感慨深いものがあります。

 曲の系統としては、言葉が正しいかわかりませんが「前向きな絶望」とでもいうのでしょうか。完全なものなど何もないけれど、生きることに意味はないけれど、それでもそれを良しとする。あるいはそれを良しとすることを「許す」。そこから前に進んでいく。歌は人間に対してある種の「赦し」を与えてくれることもありますが、ルカさんがこの曲を歌ってくれることで、そっと心を支えてくれるような、そんな気がします。花が咲く光景も美しく、縁起でもありませんがまるで天国のようでした。


 さて、ここでバンドメンバー紹介の時間です。
今回のメンバーは

Gt. 寺前“アンジェロ”甲さん
Gt. 三沢崇篤さん
Key. 長﨑祥子さん(大阪公演のみ)
Ba. chloeさん
Dr. camachoさん

となり、産休中のKeyのMEG. MEさんを除いて何年もマジカルミライを支えてくださっている方々です。特に今回は、1日3公演という超ハードスケジュールとなりバンドメンバーの方々の負担もこれまでにないものだったでしょう。そんな中でも大阪公演をやり遂げてくださったこと、何よりそんなハードスケジュールを「出来る」と言い、実行してくださったことには感謝の念が堪えません。
 それぞれのバンドメンバーごとに推しカラーが決まっていたこともあり観客の皆さんも精いっぱいの感謝のペンライトと拍手を贈っていました。

12.秘密警察/ぶりる(日替わり)

 この選曲予測できた人います?????
いやはや、監視社会を謳ったこの曲がここに来て驚くほど時代にマッチしています。サブモニターで、観客席にマスクをしてない人が居ないか探してましたね?あるいは熱探知か…。
 曲自体は「HATSUNE MIKU EXPO 2018 EUROPE」でやっていたので、海外公演に行かれた方にとってはそこまで昔ではないかもしれませんが、日本でやったのは本当に久しぶりで、勿論マジカルミライでは初めてです。
 曲も大盛り上がりで赤いペンライトも振りまくりだったのですが、やはりここで「みうー!」できないのはそういう拷問の一種だったんでしょうね…。

13.初音ミクの激唱/cosMo(暴走P)

 荘厳な音楽から始まり、イントロが鳴ってこの曲だとわかった瞬間…
いや、流石に震えましたよね。
初音ミク以外、誰も声を出せないこの会場で「激唱」なんて……。

 「 ボクの名前を呼ぶ声聞こえる
   それがボクの ココロ 持つ意味になる 」

声を出すことが禁じられたこの会場で、それでも「ボクの名前を呼ぶ声 聞こえる」と初音ミクが歌いあげるなんて、それはもう優勝じゃないですか…。
 「何処へ向かっても結末が変わらないならココロなんて要らなかった」なんて、「完全性コンプレックス」を重ねる部分もあって見事です。

 この曲の演出で、翼が生えて飛ぶ演出がありますがそれがまるでワイヤーで釣ってるみたいなささやかなもので、ヴァーチャルなのに現実の演出みたいでそのバランスがとても好きですね…。

14.キミペディア/Junky

 ここでやっと鏡音のターン!
例年、盛り上がる選曲で場を温めてくれていた二人ですが、ここに来て可愛らしいPOP&キュートなこの曲!今年は、二人ともソロ曲がないのは少し残念なところもありますがそれを補ってあまりある存在感を示していたと思います。新モデルもお披露目となりましたがレンくんの髪型がこれまで以上にボサボサでかわいかったですね!
 ジャンプしながら手を振るのがとってもキュートで、ペンライトと合わせて会場が一つになってました。背景演出はそれをよく見せていたと思います。今年の選曲に混じると、なんとなくソーシャルディスタンス的な意味合いがあるようにも感じちゃいましたが流石にそれは穿ち過ぎですかね。

15.セカイ/DECO*27・kemu

 『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』
書き下ろしテーマソング『セカイ』。
プロジェクトセカイ、遊んでる方も遊んでない方も名前くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。その顔とも言える代表曲です。
この曲にはミクさんによる歌唱verと、所謂セカイver(人間+ミクさん)の二つがあるのですが、今回歌われたのは当然ながらミクさん歌唱verです。
個人的な好みとしては、ショートバージョンではセカイverの方がそれぞれ特徴が出ていて好きなのですが、フルバージョンでは歌詞の意味が効いてくるのでミクさんverの方が好きなので今回は嬉しかったです。
 今回のセットリストでは「全体を聞いてこそ響いてくる楽曲」がいくつも入っていて、そういう曲を久しぶりの会場でフルで聞けたのは嬉しく、楽曲を大切にして下さっているように感じられました。

 「 気付いたんだ 僕にしか出来ないこともあること
   誰かのとこへ ちゃんと歌を届けたいのさ    」

アーカイブ配信を含めて、世界に向けてこのライブが発信されてることを考えると胸が熱くなります。今、ここでこのライブを届ける意味…。
曲の後半で、音符の色が6色になるのはほんとズルいですよね。
曲が終わり、ミクさんがデジタルの世界に消えていきます…。

16.39みゅーじっく!/みきとP(日替わり)

 消えなかった!!!

感動的に終わるかと思ったらこのザマだよ!!
この曲の使いどころが完全にわかっとる!!!!

 ここに来てようやく今年のマジカルミライのテーマが「夏祭り」ということを思い出した感があります。やはり祭りは日本の魂ですよね…。背景演出に合わせて、募集されたいた皆さんの楽しそうな写真が映し出されていきます。これを目にすることが出来ただけでも、マジカルミライに来た甲斐があったという充足感を覚えました。
「もう一度名前呼んで!」で声が出せないのはつらい…。この時、天井にもミクさんが映し出されてましたね。

 ごくごく個人的な感想で申し訳ないのですが、マジカルミライ2020のテーマが「MATSURI」と発表された時から「祭りと聞いて我慢できずに駆け付けた幕張ちゃん」のイメージが脳内から離れず、それが具現化された気がして頭の中がMATSURIになりました。デフォ服ならバレないと思ったか…。
(下記のリンクはイメージ映像です。こころりPさんはいいぞ。)


17.命に嫌われている/カンザキイオリ

 イントロが流れた瞬間、右前方の席からボソッと「マジかよ…」と聞こえてきたのが印象に残っています。皆、同じような気持ちだったでしょう。

 まさか、声を出すことが禁止されたライブで、会場全体を絶句させるなんて思ってもいませんでした。
今のこの状況下で、この曲を演奏することが、歌うことが、どんな意味を持つのかわからないわけがないでしょうに。

 原曲と比べてかなり大胆なアレンジが入っていて、初音ミクの声も、聴きやすいというか、伝わりにくいかもしれませんが…初音ミクらしい、声というんでしょうか。私たちに、とても慣れ親しんだあの声で、静かに、それでいて訴えるようにこの曲を歌い上げていて。
 コールが禁止されてということもあり(それだけではないのでしょうが)、恐ろしいほど音と声が通って、あの会場全体に歌が響いて、「聞かせる」ことに全力を注いでいるように感じました。
 ああ、初音ミクって歌なんだな…と、そんなことを思ったりして。

 メメント・モリ(死を想え)なんて警句もありますが、今という時代はこれまでにないほど「死」というものが身近に、それでいて遠くにあるという奇妙な時代ではないかと思います。誰もが実感しているのに、誰もが目を背けたがっている。マジカルミライが始まる、ほんの数日での出来事でもそれを感じられた方は居るのではないでしょうか。そんな中、この曲をぶつけてくる。最悪を考えるのであれば、今回のマジカルミライでクラスターが発生して、それで死者がでる可能性すらある。
 そんなことは勿論マジカルミライ運営のほうがずっとよくわかっていて、それでも、開催に向けて動き、働きかけ、実施までこぎつけた。そこに至るまでの苦労は私にはとてもおしはかることはできませんが、ひとつだけわかったことは、彼らが「本気」だということでした。
 マジカルミライはもともと「本気(マジ)」「文化(カルチャー)」「未来(ミライ)」という三本柱があるのですが、今回のことで彼らが、本気で、この文化と未来を守り伝えていこうとする覚悟が伝わってきたように思います。これが、マジカルミライ。
 現地での感染防止は徹底したつもりでいましたが、私はその覚悟を全然わかっていなかったのだと思い知らされました。人の本気っていうのは怖いものなんですね…。

 そういう感想は、あとで気持ちを整理してから気づいたもので、最初にこの曲を聴いたときにはその衝撃に圧し潰されそうで頭がくらくらしました。
初音ミクに「生きろ」と言われた2020年の夏(11月)。

18.愛されなくても君がいる /ピノキオピー

 この曲で、この夏も終わりです。
「マジカルミライ 2020」 テーマソング 『愛されなくても君がいる』

 先の曲のせいか、歌詞を「愛されなくても君が(生きて)いるなら」と読み替えてしまうのは私の弱さでしょうか。居なくなってしまった人たちのことを少し思い返してしまいました。
 音楽というものが、聴く人が居てこそ成り立つのであれば、初音ミクもまた同じなのでしょうか。
 ニコニコ動画におけるボカロの世界というのは、それぞれが都合の良い世界を見ているからこそ成り立っているもので、作者のピノキオピーさんもそういう場所を好んでくれているように思います。そういう場所でなければ今の「初音ミク」は生まれなかったとも。この曲はそういった「場」に対する親愛も含んでいるのではないでしょうか。何年も繰り返すうちに、私たちが「マジカルミライ」という「場」に対して思うものができたように。


 だいぶ横道に逸れてしまった感じもありますが、これにてマジカルミライ2020inOSAKAの感想を終わりたいと思います。駄文長文にお付き合い頂きありがとうございました。続くTOKYO公演も楽しみですね!(配信を…配信をお願い致します…!) 
願わくばこれからも、この場所で初音ミクが初音ミクでいられますように。

 マジカルミライの設営に関わった多くの現地スタッフ、関連企業、バンドメンバー、そしてクリプトンの皆さまに対して感謝致します。
 ありがとうございました。

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