クリストファーノーランと量子力学
白黒からカラーになった様に、スピルバーグがジュラシックパーク、プライベートライアンを世に送り出した時の様に
ある時を境に映画は進化してゆく
拘りを沢山持ったクリストファーノーランが造りあげた「インセプション」もまた映画史においての進化のポイントだと思う
たとえばスパイクジョーンズやチャーリーカフマン、ミシェルゴンドリーは脳みその中身を外にぶちまけるスタイル
しかしクリストファーノーランはカメラを脳の中に突っ込んでいく
彼の映画で重要な要素は
ラインに現れる彼の持つイデオロギーもそうだけどやはり「時間」ですね
それが顕著に現れている映画が「ダンケルク」です
思い入れのあるイギリス人なんかはこの映画を観て熱くなるけどこれまでの彼の映画のファンで期待を持って観た人達は、えっ、て思ったかもしれない
しかしただの戦争伝記映画にあらず、迫力がー云々の宣伝文句で見落としがちだけどもこの映画もしっかりとクリストファーノーランの趣向が組み込まれています
彼がなにをしたかったというと「人」「船」「飛行機」のそれぞれのもつ「時間」を一つの時空に嵌め込み同じ尺度にするという事
時間はインセプションでもインターステラーでも重要な事柄の一つでした。一見して此れ迄と趣向の違う映画ダンケルクもやはり相対性理論にフォーカスした作品なのです
所で彼の映画の見所の一つはラインですね
たとえばバットマンビギンズでレイチェルが
「あんたブルースなん?」
と聞いた時のバットマンのセリフ
「名前なんてノーマター、なにをしたかで人はきまるんや」
素敵です
ナウシカは言いました。誰もが内なる宇宙に外なる宇宙を持つと。内なる宇宙にカメラを向けるクリストファーノーランの作品と彼の拘りに酔いしれちゃいます