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物語の持つ力は、自分じゃない誰かの人生を追体験できること。(’22/02/25)

私は「本」が好きだ。
一時期Kindleで読んでもいたが、やはり「本」がいい。
それは、新聞も電子版の契約はしているものの、やはり「新聞」で目を通したいのと同じ。
それは、紙のページをめくる、という行為に慣れているからなのかもしれない。

今週、帰り道にいつも立ち寄る本屋で、
なんとなく気軽に読めそうな文庫本を、何冊か購入した。
レジでいつもの通り、本にカバーを付けるかどうかを聞かれるので、
これもいつもの通り「いりません」と答えた。
別に電車の中で、私が何の本を読んでいるかなんて誰も気にしないと思うし、
知られて困ることでもない。
それこそ資源の無駄。SDGsに少しは貢献にもなる。

ところが、今回だけ店員さんが、
「わかりました。ただ、この本だけ専用カバーがあるので付けますね。」
と一冊だけ「専用のカバー」を付けられた。

その本の名前は、「店長がバカすぎて」。
2020年本屋大賞ノミネート作品で、本をこよなく愛する、書店の契約社員京子が、
人を苛立たせる天才の店長に、
「マジで辞めてやる!」と思って仕事をしているというストーリー。
ただし、読んでみると、そんな店長にもちょっと共感してしまうような、
暖かい気持ちにもなれるお話です。

この本に、専用の「店長がバカすぎて」と印刷されたブックカバー。
書店でも「この本買ったらこのカバーを付けること」と決まっているのだろうから、
店員さんも大変だ。
書店の店員さんが大変だという本に対して、この専用カバーを付けるという企画は、
さらに店員さんの仕事を増やすという事態になっていて、それで果たしていいのだろうか?
そもそもこの本のタイトルは、そこまでしなくてはいけない程の反社会的タイトルだろうか。

バカと言う言葉は、確かにお行儀はよくないけれども、
言い方とか、言われ方でその言葉の意味は変わる。
関西では「アホ」は誉め言葉ともいう。
言葉は、相手との関係性やその場の状況次第で、いかようにもなるものだ。

というわけで、私は日頃、文庫本にはカバーを付けずに読んでいるが、
ちょっと衝動買いした「砂糖をやめれば10歳若返る」は、カバーを付けてもらった。
まあ、これも、ちょっと複雑な乙女心、ということで。

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