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TRPG汎用基本ルール『20D-SYSTEM』


■ 概要

D20システム(20面体ダイス)ではありません。20Dシステム(ダイス20個)です。

本ゲームは「シンプルなシステム」をコンセプトに作成されたオリジナルのTRPG汎用基本ルールです。
「とにかくダイスをたくさん全力で振りたい!」というパワー溢れるゲーマーや、「ギリギリの労力を見極めて、汗もかかずに必要最低限の成功をさらう」というクールなプレイングを目指すゲーマーも、両方満足してもらえるようにデザインされています。
本ゲームにおけるダイスは、判定の際に使用するランダマイザーとしての役目以外にも、キャラクターの『生命力(所謂「HP」)』と『スタミナ(所謂「MP」や「SP」的なもの)』としても扱われます。
20個の6面体ダイスを握りしめて、ミッションに挑め!

公式ハッシュタグは#20Dシステムです。
ツイッターで拡散して頂けると、とても励みになります。
20Dシステムはフリーゲームです。無料でお楽しみ頂けますが、開発費はタダではありません。(無報酬であることを踏まえると、けして安い額でもありません)
応援として、もしくは開発費の足しだと思って、拡散して頂くことによってエネルギーがチャージされて開発が継続できます。拡散にご協力ください。


◆GM(ゲームマスター)の準備
本ゲームは汎用基本ルールであり、世界観を持っていません。GMはシナリオと共に、シナリオの世界観に沿った世界観設定を用意しなければなりません。世界観設定を用意する際は、後述の専用シートを用いると便利です。
世界観設定とそれに伴うデータを少し作れば、あなただけのオリジナルTRPGの完成です!


◆PL(プレイヤー)の準備
PLは各自、
・自分が使う「6面体ダイス」を「20個」。
・「ダイストレー」の大を1つ、小を2つ。
・キャラクターシートを印刷(A4サイズ1枚で2人分です。分けてください)
・能力効果リストを印刷し、ホッチキスで冊子状にする。
・筆記用具(鉛筆と消しゴム)
をそれぞれ用意します。

特にダイスに関しては、カウンタートークンとしても使用する為、他のPLとの共有は出来ません。PL人数×20個を用意してください。PLが5人ならば、計100個です(自分の分だけで構いません)。なお、GMは基本的にダイスを1個も振りません。

特にダイスに関しては、カウンタートークンとしても使用する為、他のPLとの共有は出来ません。PL人数×20個を用意してください。PLが5人ならば、計100個です。なお、GMは基本的に、ダイスを1個も使用しません。

以上の準備が整ったら、後述の手順で自身のキャラクターを作成してください。

▼ A5サイズ×2枚綴り

キャラクターシート

▼ A4サイズ:未記入

キャラクターシートFull

▼ A4サイズ:記入例

アーキタイプ01


◆改定ルール
現在、本稿は公開中ではありますが、同時に改定作業を進めています。
下記リンクの『改定ルール』と併せてご覧ください。


■ 能力

能力は11種類存在し、それぞれの能力には『判定限度数』『達成ボーナス』『疲労軽減』の3つのバロメータと、『能力効果』が設定されています。

それぞれの能力を用いることで、用いた能力の名前が表す表題的な行為に挑むことができます。その行為の成否を求める処理が、行為判定です。能力のスターが多ければ、より専門的な行為に挑むことができ、さらにスターが増えて高位の『能力効果』がアンロックされれば、超常的な行為に挑むことが可能となります。逆にスターが少なければ、出来て当たり前な基本的なことしか挑めません。

◆能力ごとに挑めること(程度はスターの個数による)
No.2【(特殊異能)】:予め選択した異能に関わる行為に挑めます。
No.3【感覚】:隠れた何かの発見や迫る何かに気付くかを挑むことができます。
No.4【悪事】:暴力、脅迫、ピッキング など、法に背く行為全般に挑めます。
No.5【運動】:自身の体を操作する技術や、それを支える身体機能。
No.6【白兵戦】:近接武器や徒手空拳による戦闘に挑めます。
No.7【交流】:NPCとの親睦や、交渉事に挑めます。
No.8【飛び道具】:射撃武器や投擲武器を用いた戦闘に挑めます。
No.9【機械技術】:機械やソフトウェアの操作、車類の運転 などに挑めます。
No.9【獣使い】:動物の調教、乗馬、命令 に挑めます。
No.10【頭脳】:情報収集、推理 など、頭脳労働全般に挑めます。
No.11【社会】:地位や権利や保障の行使 に挑めます。
No.12【(特殊背景)】:予め選択した背景に関わる行為に挑めます。

◆能力効果のアンロック
スターの個数に応じて『能力効果(具体的に行使が出来る行為や特殊な効果)」がアンロックされ、出来る事が増えていきます。
基本ルールでは、各能力ごとに☆5までの能力効果を5個づつ用意しています。6個目以降の能力効果は、今後公開されるであろうアドバンスルール(拡張ルール)やハイ・アドバンスルール(上級拡張ルール)で公開される予定です。

各ルールレーティングごとの能力効果がアンロックされるスターの個数
 基本ルール:☆1、☆2、☆3、☆4、☆5
 拡張ルール:☆7、☆9、☆12、☆16、☆20
 上級拡張ルール:☆25、☆35、☆50、☆70、☆100


◆アンロックと必要物資の支給
各種アイテムについて、それぞれの能力効果の行使に(演出の上で)必要な道具は、アンロックされた時点で自動的に与えられます。ただし、あまりにも高価な道具は与えられません。現代日本の貨幣価値で1万円以内での購入が可能な物に限られます。ただし、具体的に与えられるアイテムが指定されていた場合は、1万円の縛りは無視してください。


◆能力ナンバー
名前の前に記されているナンバーは、能力をランダムに選ぶ場合に、2D6(6面体ダイス2個)の出目の合計に対応しています。
No2~No12が存在します。No.1が存在しない理由は、2D6の出目の合計としてあり得ないからです。


◆能力効果の表記について

『攻撃』『防御』
能力効果の説明文に、『攻撃』や『防御』と書かれているものは、『攻撃』や『防御』として行為判定をすることが出来ます。
逆に、『攻撃』や『防御』と書かれた能力効果をどれもアンロックしていない場合、そのPCは『攻撃』や『防御』を行うことができません。はやく逃げて!
『連続チャレンジ』
「【(能力の名称)】で連続チャレンジが可能になります。」という表記ならば、その能力効果リストのアンロックされている能力効果すべて連続チャレンジが可能になります。
「『(能力効果の名称)』は連続チャレンジが可能になります。」「この能力効果は連続チャレンジが可能になります。」という表記ならば、その能力効果のみが連続チャレンジの有効範囲となります。
連続チャレンジは本ゲームの華です。重要な判定においては、疲労を堪え、20個を超えて更にたくさんのダイスを振りましょう!
『宣言効果』
宣言をして、行為判定に成功することで効果を発揮します。中には、宣言のみで行為判定を必要とせずに効果を発揮するものもあります。
『パッシブ効果』
宣言をする必要すらなく常時自動的に発動している状態が続きます。なお、パッシブ効果は、効果を発揮しても判定カウンターは消費しません。
コスト[○]』
宣言効果の一種です。宣言とコストの支払いで効果を発揮します。
名前前半の△△が支払うコストの種類を表しています。「疲労コスト」「負傷コスト」「流星コスト」などが存在します。後半の○は必要なコストの数値です。「流星コスト」ならブースターを支払います。
この効果を発揮する為には、それぞれの能力効果で指定されていれば指定のタイミングに、もしくは行為判定でダイスを振る直前に、該当のコストを○点支払います。連続チャレンジをする場合は、チャレンジ毎にコストを支払う必要があります。
『LB[○]』
リミット・ブレイク(Limit Break)。普段は機能のスイッチがオフになっていますが、疲労や負傷の程度が悪化し、一定の限界を超えることでスイッチがオンになる能力効果です。つまり、極限状態で活きる火事場の馬鹿力のようなものです。
アクティブダイスが○個以下に減少した時のみ、発動・適用が可能になります。
『魔法』
魔法として扱われる能力効果です。
達成度は、能力効果ごとに個別に記されている場合があります。その場合は判定は不要です。判定は不要なものは、コストさえ支払えばで効果を発揮します。しかし、手番と判定ゲージは消費します。
また、コストに「拡大可」と併記されている場合は、コストを2倍3倍…と払うことで、威力が向上(達成度が2倍3倍…となる など)します。


No.2【(特殊能力)】(スペシャルアビリティ)
・世界観の設定に依存する個人の特殊能力です。所謂「魔法」や「超能力」がこの能力に相当します。世界観設定によって用意されている能力効果リストから1つを選び、その名称を能力【   】に記入してください。

※ デフォルトの汎用サンプルとして、この場では【サバイバー】を紹介します。世界観設定を問わず多くの場面で使えそうな能力効果リストです。【(特殊能力)】はオリジナル世界観設定に依存しますが、GMがリストを自作して用意する手間を省きたいときは、全てのPCはこれを選択することにしても良いでしょう。

【サバイバー】
★1『野営』
:野営の為の知識や技術です。水源の確保、小動物の狩りや川魚釣り、山菜や薬草の識別や採取、キャンプの設営などを安全に行うことが出来ます。
★2『手製武器』:手製武器の作成と使用です。屋外で手に入れた間に合わせの素材で原始的な武器を作成します。作成の目標値は材料調達の手間も含めて、近接武器なら2、射撃武器(弓と矢)なら3ぐらいが適当で、単純な工具を作ることも可能です。また、作成した物を扱う技術も含んでおり、この武器を用いて『攻撃』することもできます。
★3『自己治癒力』:自身の傷を癒します。疲労プールと負傷プールにあるダイスが、合計で達成度の数だけアクティブダイスプールに戻ります。
★4『潜伏』:宣言効果。自身の至近に敵が存在しなければ姿を晦ますことができます。潜伏している間は、敵から攻撃などの対象に選ばれることがありません。
★5『建築』:ちょっと洒落たコテージや、篭城の拠点となる砦や迎撃罠など 小規模の建築物を、個人大工技術で造ります。逆に解体作業も可能です。

※ よくあるヒロイックファンターで使えそうな能力効果リストのサンプルです。ここでは【剣士の武技】【盗賊の武技】【魔術師の戦闘魔法】【神官の奇跡】の4つを紹介します。これらの能力効果リストを採用するには、世界観設定の兼ね合いもありますので、まずGMの許可を得てください。

【剣士の武技】
剣士が使う魔法のような武術の技です。
 ★1『剣聖の瞬き』:剣を用いて『攻撃』します。【近接戦闘】の『近接武器』と同じ扱いですが、【飛び道具】よりも先に手番が来ます。また、この能力専用の武器として「騎士の剣(西洋剣)」を所持しています。
★2『八重垣』:パッシブ効果。強固な盾術です。他の能力効果の『防御』手段と組み合わせて使います。『防御』の達成度が+1、疲労軽減が+1されます。
★3『円の舞闘』:パッシブ効果。【剣士の武技】で連続チャレンジが可能になります。
★4『カヴァーリング』:パッシブ効果。至近に位置する仲間が敵の攻撃対象に選ばれた場合、代わりに『防御』をするなり、攻撃を受けるなりできます。
★5『必殺!龍斬り』:疲労コスト[3]。剣を用いた凄い『攻撃』です。行為判定の前に先払いでコストを支払わねばなりません。自分の攻撃が敵に命中した際に、追加ダメージ3点が加算されます。
【盗賊の武技】
盗賊が使う魔法のような専門技術です。
 ★1『六本指:鍵をこじ開けたり、罠を見破ったり解除したりします。
★2『裏情報網』:社会の裏の情報に精通しており、犯罪組織とのパイプを持っています。事件、犯罪者、法の捜査状況 などの情報を得られます。
★3『闇の匠』:パッシブ効果。【盗賊の武技】で連続チャレンジが可能になります。
★4『影潜り:宣言効果。自身の至近に敵が存在しなければ、影の中に潜って姿を晦ますことができます。影に潜っている間は、敵から攻撃などの対象に選ばれることがありません。継続期限は、何らかの行為判定を行うまでです。
★5『暗殺』:宣言効果。『影潜り』の状態から『攻撃』を行なった場合、暗殺として行為判定をすることを選択することが可能です。目標値は相手の『流星』の値です。成功すれば相手を一撃で戦闘不能状態に出来ます。目標値に満たなければ相手に一切のダメージを与えることが出来ません。また『暗殺』は連続チャレンジを適用することができません。
【魔術師の戦闘魔法】
戦闘に特化した魔術師が使う魔法です。
★1『魔弾』:魔法の弾を飛ばして『攻撃』します。【飛び道具】の『射撃』と同じ扱いですが、射撃武器を所持している必要はありません。
★2『魔法障壁』:対象1体にバリアを張ります。バリアを貼られた者がダメージを受けた場合、ダメージを任意の個数軽減できます。バリアの継続期限はこの戦闘の終了時か、『魔法障壁』の行為判定の達成度分のダメージを軽減するまでです。
★3『高速詠唱』:パッシブ効果。【魔術師の魔法】で連続チャレンジが可能になります。
★4『付与魔法』:宣言効果。対象[達成度]体が持つ近接武器(や拳)1本に魔法の力を授けます。魔法の力が授けられた近接武器(や拳)で『攻撃』した場合、達成ボーナスが+1され、霊体など本来なら物理攻撃が効かない相手にも攻撃が可能になります。継続期限はこの戦闘の終了時。
★5『爆裂火球』:疲労コスト[2]。魔法の大きな火球を飛ばして『攻撃』します。この行為判定のサクセスとファールの個数をそれぞれ2倍にします。増えた分のダイスはブランクから調達されます。
【神官の奇跡】
神への深い信仰心と厳しい修行で身につけた神事によって、神の奇跡を代行する魔法です。
加護コスト[○]は、○点の加護ポイントを支払って行使します。プロフィールの端にでも記入して管理してください。加護コストを再度支払うことで連続チャレンジも可能です。
★1『祈り』:疲労コスト[1]。特定の作法(GMが決める)に則って、神に祈りを捧げることで、達成度と同じ値の加護ポイントを得ます。 加護コスト[1]。何らかの行為判定でブランク1個を振り直すことができます。
★2『治癒』:加護コスト[1]。仲間の傷を癒します。疲労プールと負傷プールにあるダイスが、合計で達成度の2倍の個数だけアクティブダイスプールに戻ります。
★3『巡礼』:宗教施設で祭事を祀ることで、教会組織から援助を受けられます。
★4『鎮魂』:加護コスト[2]。「アンデッド (ゾンビやゴースト など死に属するモンスター)」を神聖な光で封じます。相手のもっとも高いスターの個数を目標値に成功すれば、相手の生命力に関係なくアンデッド を『無力化』することが出来ます。達成度を分割して複数のアンデッドを封じることも可能です。
★5『洗礼』:加護コスト[2]。対象1体に神の戦士としての力を授けます。力を授かった者はパッシブ効果として、【感覚】【運動】【近接戦闘】【射撃戦闘】の達成ボーナスが1点上昇します。継続期限は、次のラウンドから数えて[達成度]ラウンドの間です。

※ 最後に特別サンプルとして、世界観を『ラスト任侠』と想定した場合の能力効果リストとして【高天力】を紹介します。この能力効果リストを採用するには、世界観設定の兼ね合いもありますので、まずGMの許可を得てください。

【高天力】
ラスト任侠の世界において、任侠やヤクザが使う超能力のことです。
★1『血煙バーニング』:追加ダメージです。近接攻撃が成功した直後に、連続チャレンジと同じ要領で【特殊】の行為判定を行い、このサクセスを近接攻撃の達成度に加えます。
★2『大鐘音エール』:仲間の傷を癒します。疲労プールと負傷プールにあるダイスが、合計で達成度の数だけアクティブダイスプールに戻ります。
★3『盃ブラザー』:セッション中、義兄弟を2人まで指定することができます。義兄弟の元にワープすることが可能です。また、義兄弟をこの場に召喚することも可能です。
★4『神風ダイナマイト』:宣言効果。アクティブダイスを全て負傷プールに移動し、移動させたダイスの個数分の達成度のダメージを対象に与えます。
★5『加速世界ドライヴァー』:宣言効果。戦闘時の手番につき1度だけ、何らかの能力の行為判定を、代わりに【特殊】の判定限度数を消費して、追加で行為判定を行うことが出来ます。


No.3【感覚】(センス)
受動的な「気付き」に関わる能力です。多くの場合はGMの指示で行為判定が行われます。『探索』は例外で、PLの宣言によって行為判定が行われます。
この能力が劣っている者は、何かと鈍感です。

★1『感知』:漠然とした変化や異変、これから発生する危険などに、受動的に気付きます。
★2『探索』:隠れいるモノや隠された何かを、能動的に探します。この効果は連続チャレンジが可能です。
★3『鋭敏感覚』:優れた感覚(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚 など)を発揮します。
★4『霊感』:霊的な存在の動きやメッセージを感じとります。
★5『天啓』:信託(オラクル)を受動的に得ます。要するにGMからのヒントです。PLから宣言することは出来ず、GMから指示があった場合のみ、行為判定を行えます。成功時に与えられるヒントは、達成度に合わせてGMが判断します。


No.4【悪事】(クライムワーク)
様々な能力から犯罪に関わる効果を抜き出した括りです。多くの場面で様々な能力の代用として役立ちますが、この能力を行使することは、社会や法に敵対することを意味し、行使せずともこの能力が優れているだけで、治安組織に目を付けられる可能性がありますので、才能は隠しておくべきでしょう。

★1『高圧的な交渉』:相手の弱みや暴力を背景に一方的に有利に進める『聞き込み』や『お願い』です。友好度が足りなくても行えますが、既に0以下ならば、マイナス5され、敵意を抱かれます。友好度が足りていてもイッキに0になります。
★2『影の指』:指の純粋な器用さ。あと、本来は特殊な訓練を受けないと身につかない犯罪技術です。鍵開けやスリなど、犯罪行為にも用いれる指先の技術を指します。この効果は連続チャレンジが可能です。
★3『荒事』:『徒手空拳(【近接戦闘】)』の代用として『攻撃』します。然るべき武器を所持していれば、『近接武器』『射撃武器』としての代用も可能です。
★4『偽証』:書類を偽る、ハッキング など頭脳と小道具で相手を騙します。
★5『脱法』:法の抜け穴を利用して、あからさまな犯罪行為を無罪で押し通します。


No.5【運動】(アクロバット)
自身の肉体の、より効果的な操作に関わる能力です。この能力のスターが多ければ、防御にも使え、さらに近接攻撃の強化にも繋がります。ですがスターが無いと、いざと言う時に身体が言うことを聞いてくれません。

★1『パルクール』:素早く動いたり、バランスを維持したり、体を巧く操作する術や、身体的な優秀さ。また、運動時の冷静さも含んでおり、命を危険に晒している状況での逃走や鉄柱渡りは、【運動】のスターが無い者には出来ません。
★2『危険回避』:突然の身の危険から身を守ります。また、戦闘時に敵の攻撃を『防御』します。達成度の分だけ、負傷プールに移動するダイスの数を軽減できます。さらに判定の直後、敵との距離間隔を自由に変更して構いません。
★3『リミッター解除』:パッシブ効果。【運動】で連続チャレンジが可能になります。
★4『火事場の底力』:疲労コスト[2]。普段の生活で使っている筋力とは比較にならない程の筋力を瞬間的に発揮します。さらに【近接戦闘】による攻撃の際に、ダイスを振る直前にコストを支払うと、一連のチャレンジの間、出目[5]のダイスもサクセスと見做します。
★5『頑健』:毒やウイルス などへの耐性を受動的に行えます。パッシブ効果として、生命力が+3され、能力を問わず『攻撃』と『防御』の疲労軽減が+1されます。


No.6【近接戦闘】(インファイト)
近距離の敵との戦いに関わる能力です。この能力のスターが多ければ、戦闘時に攻撃も防御もバランス良く行うことが可能となります。

★1『徒手空拳』:パンチ、キック、CACCなどで『攻撃』します。トンファーやメリケンサックなどの格闘武器の使用も含みます。自損の危険性もあり、行為判定でファールを振った場合は、内1つを負傷プールに移動しなければなりません。
★2『近接武器』:近接武器を用いて攻撃します。また必要な近接武器を所有しています。
★3『多段コンボ』:【近接戦闘】による攻撃時に、連続チャレンジが可能です。
★4『迎撃』:戦闘時に敵の攻撃を『防御』します。達成度の分だけ、負傷プールに移動するダイスの数を軽減できます。敵との間隔が至近で、こちらの達成度の方が高い場合、差分値分のダメーシを逆に相手に与えます。
★5『遠当て』:近接武器や素手による斬撃や拳圧や闘気などを飛ばして、飛び道具のように射程の対象を攻撃します。


No.7【交流】(コミュニケーション)
人との交流に関わる能力(所謂「コミュ力」)です。まずは相手との友好度を上げる為に、親睦を図ってください。

『友好ポイント』
・PCとNPCの関係性の良さを表す数値です。第一印象や互いの立場によって初期値は異なり、『親睦』によって増え、交渉事(情報収集や行動依頼など)をする際の『コスト』として消費されます。
・本ゲームでは交渉事は判定を行いません。コストを支払えれば成功、支払えなければ頼むことができません。
・フレンドリーパスの送り主の友好ポイントは、無断で使用して構いません。

★1『親睦』:相手との友好ポイントを上昇します。友好ポイントが達成度分上昇します。
★2『弁舌戦』:話術で行う『攻撃』です。ダメージは『負傷』ではなく『疲労』となります。(対象がNPCならば、達成度の半分の『流星』が低下、低下分と同値だけ友好ポイントも低下します)なお、『弁舌戦』を仕掛けられた時の『防御』にも用います。
★3『かーらーのー?』:パッシブ効果。【交流】で 連続チャレンジ が可能になります。
★4『読心術』【社会】が【悪事】以上の場合の効果。相手があなたに嘘をついていたり、何かを誤魔化している場合、GMは判定を指示します。判定に成功すると、それに気付きます。
★4『誘惑』【社会】が【悪事】未満の場合の効果。色気仕掛けや魅力的な話術で相手の下心を刺激して友好ポイントを上昇します。達成度が2倍になります。同じ相手に誘惑を繰り返した場合は、ファールの数の2倍のダイスを疲労プールに移動しなければなりません。もし新たに別の相手を『誘惑』した場合は、これまでに『誘惑』した相手の友好度は達成度の2倍分低下します。
★5『プレゼン』:多数のNPCを相手に、同時に『親睦』を行えます。【飛び道具】の『掃射』と同様の処理で、上昇する友好ポイントを割り振れます。


No.8【飛び道具】(アウトファイト)
遠距離の敵との戦いに関わる能力です。この能力のスターが多ければ、1対多の戦いが有利になりますが、防御は捨てていますのでヤられる前にヤってください。

★1『投擲』:疲労コスト[1]。ダーツやその辺で拾った石など、手に持った物を対象に投げつけて『攻撃』します。投石器(スリング)などの投擲補助器具の使用も含みます。
★2『射撃』:射撃武器を用いた遠距離への『攻撃』。なお、世界観とスターの個数に見合った射撃武器を所有しています。世界観が古代ならば投石やブーメランやスリング、中世ならば投槍や弓矢やボウガン、現代ならば銃火器、未来ならばレイガン(光線銃) などが適当でしょう。武器はフレーバー情報であり、特に加算されるようなデータは持ち得ません。
★3『掃射』:連続チャレンジは出来ませんが、発生したダメージ(最終的な達成度)を複数の対象に割り振ることが可能です。
★4『オーバーヒート』:武器の限界を超えた酷使をして連射します。【飛び道具】による攻撃で、連続チャレンジが可能になりますが、『オーバーヒート』を適用すると射撃武器を失ってしまい、以降このセッション中は『投擲』以外の【飛び道具】は行えなくなります。
★5『殲滅』:発生したダメージ(サクセス)を複数の対象に割り振ることが可能です。割り振った全ての対象のダメージに、それぞれ達成ボーナスを加えます。


No.9【技術】(エンジニアリング)
【技術】は、世界観の時代設定が「近代~現代~近未来」の場合を想定しています。もし世界観の時代設定が古代~中世ならば、GMの判断で【獣使い】(テイマー)として扱ってください。

・【技術】はコンピューターや機械の操作に関する能力です。乗用車(もしくは騎馬)の扱いも含みます。

【技術】
 ★1『ソフトウェア』
:コンピューターの基本的な扱い。インターネットによる検索や、セキュリティー、簡単なプログラムの作成、ファイル管理 など。
★2『機械操作』:車の操縦や、工業機械の操作。機器のメンテナンスも含みます。
★3『人機一体』:パッシブ効果。【技術】で連続チャレンジが可能になります。
★4『マイカー』:パッシブ効果。世界観と【社会】に見合ったクラスのマイカー(もしくはバイクや騎馬など)を所有しています。
★5『上級技師』:専門性の高い機器の操作や、コンピューターの高度な取り扱い。

・【獣使い】は動物と親睦を図り、命令をすることに関する能力です。つまり、動物版の【交流】に相当します。

【獣使い
 ★1『動物共感』
:動物と気持ちの交信を行えます。動物の感情を理解し、こちらの意図を正確に伝えるます。別に擬似会話ができる訳ではありません。なお、知能知性の高い動物はNPCとして扱われます。人間のNPCに『親睦』を図った時と同様に、達成度分の友好度を得ることが可能です。
★2『調教』:友好コスト[1]。【獣使い】で連続チャレンジが可能になります。
★3『騎乗』:友好コスト[2]。馬や象、巨大鷲、一部の大型犬のように、人を乗せることに適したサイズや形状をした動物を、乗り物として使役します。
★4『任務』:友好コスト[3]。その動物の適性に合った仕事をお願いします。例えば、鳥に手紙を運ばせたり、犬に門番をさせたり、チンパンジーに鍵を開けさせたり などが可能です。
★5『獣の暴動』:友好コスト[4]。群れで戦闘に参加してもらいます。ラウンドの開始時にコストを支払うことで、味方NPC(鳥獣の群れ)として戦闘に参加し、手番が来たら『近接武器』扱いの『攻撃』を行います。判定はあなたが【獣使い】で判定し、達成度と同じ値のダメージを敵に負わせます。


No.10【頭脳】(インテリジェンス)
頭脳労働全般に関わる能力です。

★1『情報収集』:噂話、新聞、テレビ、瓦版、ネット、図書館 などの情報媒体を調べて、必要な情報を集めます。
★2『思考』:地頭の良さと観察眼。トリックや仕掛けを見抜きます。
★3『研究』:パッシブ効果。【頭脳】で連続チャレンジが可能になります。
★4『教養博識』:情報媒体を頼らず、自分の知識の中から必要な情報を見付けます。また学業や普段の情報収集の賜物により、専門的な知識を有しています。記憶力の確認としてGMからの指示で受動的に行為判定を行う場合もあり得ます。
★5『推理』:目星や推理など。必要な「手掛かり(物証や証言)」を元に、発想や閃きを働かせて、隠された謎を暴きます。必要な「手掛かり」を得ているかは、GMが判断します。


No.11【社会】(ソシエティー)
社会における身の振り方や、社会での影響力に関する能力です。

・この能力は【社会(現代)】と【社会(旧代)】の2種類の能力効果リストが用意されています。
・GMは世界観設定の文明レベルに応じて、どちらの能力効果リストを採用するかPLに指示してください。どちらも世界観設定に削ぐわない場合は、GMが相応しい能力効果リストを自作してください。

【社会(現代)】
★1『財力』:購入 などお金の力が必要な行為。必要とする経費によって目標値が決まります。目安は、5千円未満なら1点、1万円未満なら2点、3万円未満なら3点、5万円未満なら4点、10万円未満なら5点、以降は+10万円毎に+1点ぐらいが妥当です。
★2『札束ビンタ』:文字通り「札束で相手の頬を叩く」という解釈でも構いませんが、相手に屈辱(精神攻撃)と引き換えに富(利益)を与える行為全般を指します。『攻撃』と『親睦』を同時に実行します。達成度の半分(端数切り捨て)だけダメージを与え、達成度の残りの値分の友好度を獲得します。
★3『所属組織』:パッシブ効果。多少なりとも社会に影響を持つ、中〜大規模の何らかの組織に関わっています。その組織の力(具体的な内容はGMが判断)を借りることが出来ます。
★4『後ろ盾』:パッシブ効果。後ろ盾となる組織や大物の威光によって、相手に忖度を強要します。【交流】の行為判定の際、達成ボーナスが+1されます。
★5『高貴な身分:パッシブ効果。人の上に立つ正当な立場にいて、下の者に命じる権限を持ち得ます。【社会】で連続チャレンジが可能になります。

・旧代とは、古代〜中世の期間を一緒くたに示す、便宜上の言葉です。
スターが4個でアンロックされる能力効果には『豪族』と『騎士』の2種類が存在し、時代によって適用される効果が異なります。GMが判断してください。

【社会(旧代)】
★1『交易』:貨幣価値が安定していない未熟な市場で、より有利なレートで取引をします。貨幣が存在しない社会なら、物々交換の交渉の上手さも含みます。
★2『伝達』:斥候や伝令屋を通して、離れた地域の出来事や様子を知ることや、こちらの情報を送ることができます。テレビやネットが無い時代、『伝達』を使えない者は重度の情報弱者であり、とても狭い世界で生きることになります。
★3『家畜』:パッシブ効果として、家畜を所有しています。搾取しても自動的に補充されます。家畜の種類は、牛や羊や奴隷、時代が古代ならば大人しい恐竜などもあり得るでしょう。行為判定の結果に応じて、毛、乳、血、肉、皮、骨、卵、労働力、生贄 など、家畜からはいろいろなモノを得ることが可能です。
★4『豪族』古代の社会の効果。強い力を持っている一族の構成員です。中世風に言うのなら小国の王族ぐらいの地位や影響力を持ちます。パッシブ効果として【悪事】【飛び道具】【頭脳】の行為判定の際に、達成ボーナスが+1されます。
★4『騎士』中世の社会の効果。主(国王、皇帝、神の代理 など)から騎士として洗礼を受けています。パッシブ効果として、霊体をも斬り裂く聖剣、見る者が憧れる煌びやかな鎧、戦闘訓練を積んだ軍馬を所有しています。主の為に働いている場合に限り、【近接戦闘】【交流】【技術】の行為判定の際に、達成ボーナスが+1されます。
★5『領地:パッシブ効果。貴族としての爵位と、自分(家)の領地を所有しています。もしくは豪族として辺境を支配しています。戦争(戦闘)の際に、領民を徴兵して味方NPCとして使役することができます。徴兵した兵は、戦闘であなたの手番が来たら『近接武器』扱いで『攻撃』を行います。判定はあなたが【社会】で判定し、達成度と同じ値のダメージを敵に負わせます。なお、手番において、兵とは別に、あなた自身の行動も行えます。(つまり2回攻撃が可能です)



No.12【(異能)】(エクスターナルファクター)
・世界観の設定に依存する特殊な能力ですが、その世界観においてもレアな、特殊な背景や外的要因に由来する特殊能力です。所謂「資格や背景が必要な職業能力(御用剣士や聖騎士)」や「肉体の変異(改造人間や異種族の出身)」などが、この能力の名前として【   】に記入されます。
・【(特殊)】と比較して希少ではありますが、だからと言って【(特殊)】より優れているとは限りません。双方とも強力で特殊な能力だと言えます。

※ 汎用サンプルその1 として【主人公補正】を紹介します。世界観設定を問わず多くの場面で使えそうな能力効果リストです。【(異能)】はオリジナル世界観設定に依存しますが、GMが用意する手間を省きたいときは、全てのPCはこれを選択することにしても良いでしょう。

【主人公補正】
流星コスト[○]は、○点の流星を消費することで発動する強力な特殊効果です。流星とは本ゲームにおける所謂「ヒーローポイント」のことです。流星コストを使用したら、○点の流星ブースターを消費してください。
★1『モッテモテ』:パッシブ効果。老弱男女に関わらず、すべての層から何故か無償の好意を寄せられます。敵以外のすべてのNPCから友好度の初期値に+1。 流星コスト[1]。NPC1体と過去に因縁や関係があったことに出来ます。GMの許可が必要です。
★2『唐突な覚醒』:流星コスト[2]。新しい特殊能力に突然目覚めます。理由はあってもなくても構いません。【(特殊能力)】か【(異能)】の特殊能力リストから1つを選んで、この【(異能)】を消して上書きします。
★3『宝具解放』:流星コスト[2]。パロメータ1箇所を+1します。ほぼブースターと同じ働きですが、継続期限に違いがあります。ブースターは一連のチャレンジの間しか上昇しませんが、宝具はセッション終了まで上昇が有効です。また、重ね掛けによって、パロメータ1箇所につき最大+2まで累積が可能です。
★4『死亡フラグ回避』:流星コスト[X]。負傷プールのダイスをX 個、アクティブダイスプールに戻します。「死亡」してしばらく経ってからでも、身体が物理的に残っているのならば、蘇ることが可能です。
★5『明かされる血脈』:流星コスト[3]。突然明かされますが、あなたはこの世界感設定においても特別な意味を持つ、凄い血統を引く者でした。後付けでそうなります。もしくは、コスト不要でGMからそのように通達される場合もあります。その場合、逆に拒否する為に流星コスト[1]が必要になります。

※ 汎用サンプルその2として【ギルド冒険者】を紹介します。中世時代のファンタジーな世界観で使えそうな能力効果リストです。ファンタジー世界で冒険をしたければ、この能力効果リストを選んで間違いありません。この能力効果リストを採用するには、世界観設定の兼ね合いもありますので、まずGMの許可を得てください。

ギルド冒険者】
冒険手ギルドに所属しています。この能力効果は、冒険者ギルド内での階級を表しています。階級が高ければ、ギルドから紹介されるクエストがより難しく支払いの良いものを希望することができるようになります。階級に応じてギルドから、より手厚い後援を受けることができます。
★1『ルーキー』:羊皮紙の会員証にまだ名前などを登録をしただけです。冒険者としての実績なし。紹介されるクエストは最底辺のお使いレベルです。ギルド施設の最低限の福利厚生(ホテル「馬小屋」)を利用することが可能です。
★2『カッパー』:銅製の会員証持ち。駆け出し冒険者。冒険に必要なサバイバル的な知識を持ちます。まだ腕前は危なっかしいので、素材集めや調査任務など、危険の少ないクエストしか任されません。
★3『アイアン』:鉄製の会員証持ち。亜人と互角以上に戦えるぐらいの冒険者。パーティーや仲間の斡旋を受けることができ、護衛任務など多少危ないクエストも紹介してもらえます。街で名声が登り始めます。街の人々からの友好度が+1。
★4『シルバー』:銀製の会員証持ち。亜人の群れもしくは魔獣を退治した冒険者。討伐クエストを紹介されるようになります。公的な信用も得ており、円滑に公共手続きが行われます。関所も顔パスで通してもらえます。
★5『ゴールド』:金製の会員証持ち。精鋭の冒険者。ベテラン冒険者やエリート冒険者にしか任せられない危険なクエストも紹介されます。周辺の街の統治者や要人にも名前ぐらいは覚えられています。謁見や社会的な特例の申請が可能です。

※ 特別サンプルとして、世界観を『ラスト任侠』と想定した場合の能力効果リストとして【倶利伽羅者エボリューション(変身能力)】を紹介します。この能力効果リストを採用するには、世界観設定の兼ね合いもありますので、まずGMの許可を得てください。

【倶利伽羅者エボリューション】
 ★1『変身!』:疲労コスト[3]。背中の刺青図の化身と化します。変身するとパッシブ効果として、【感覚】【運動】【近接戦闘】【射撃戦闘】の達成ボーナスが1点上昇します。変身を解除するためにも疲労コストの支払いが必要で、戦闘終了時に速やかに変身を解除できないと、ヤクザ化(NPC化)してしまいます。
★2『すごい武器!』:変身することで超常的な武器や、自前の武器となる器官を発現します。『変身!』と連動するパッシブ効果として、【近接戦闘】【射撃戦闘】の行為判定時にブランク1個をサクセスに変換できます。(連続チャレンジの場合は、各チャレンジごとに変換できます)
★3『すごい開眼!』:変身することでさらなる特殊能力に目覚めます。『変身!』と連動するパッシブ効果として、まるで【(特殊)】のスターが2つ増えたかのように、【(特殊)】のスターの個数によって解放される効果が2段階先までアンロックされます。
★4『すごい装甲!』:変身することで超常的な防具や、自前の硬い外皮を発現します。『変身!』と連動するパッシブ効果として、攻撃を受けた際に『防御』をした場合は達成度が1点上昇します。また、『防御』をしなかった場合でもダメージが1点軽減されます。
★5『怨念怨座ロード』:変身しなくても使える宣言効果。1度だけ、戦闘によって自身が死亡した場合、負傷プールからダイスの半分をアクティブダイスプールに移動し、仮初の復活します。ただし、この戦闘の終了時に、アクティブダイスが残っていようと体が崩れて完全に死亡してしまいます。


◆ 能力効果リストのまとめ
能力効果リストの抜粋です。この表は自由に印刷して構いません。
この表をプリントアウトして、GMもPLも自分の傍に置いてプレイしましょう。円滑なセッションの手助けになります。

メイク_能力効果リスト1

能力効果リスト_リスト1

能力効果リスト_リスト2

能力効果リスト_リスト3


上のリストのデータの一部は、世界観設定に応じて差し替える必要があります。
下に差し替え用のサンプルデータを用意しました。必要な部分を切り抜いて上のリストに貼り合わせてください。

メイク_能力効果リスト2

能力効果リスト_リスト4

能力効果リスト_リスト3

能力効果リスト_リスト4


■ スター

それぞれの能力と『流星(ブースター)』には幾つかのスター(★)がセットされます。スターの個数は、能力の優秀さを示します。スターの数は初期値は1個です。キャラクターメイク時や成長のタイミングでスターの個数は変動します。スターを獲得した分、何かの能力に割り振ることができ、その分が加算されます。
スターの数に応じて、その能力の『実施限度数』『達成ボーナス』『疲労軽減』が決まります。

図_スター


◆判定限度数
1セッションの間に、その能力に関する行為判定を行うことができる回数です。行える回数が定められているという意味では、D&D5thの魔法でいうところの「呪文スロット」のようなものと言えるかもしれません。ただし、持っていく呪文を予め選ぶ必要はありませんし、セッション中に実施限度数が回復することは、基本的にありません。
行為判定で『連続チャレンジ』を行なった場合、それぞれを1回としてカウントします。例えば1回の行為判定では目標値に足らず連続チャレンジを2回追加した場合、判定限度数は計3回とカウントして消費されます。


◆達成ボーナス
行為判定において達成度の値を上昇させます。仮にサクセスを1個も振らなかったとしても、最低でも「達成ボーナスの値」分の達成度は保証されます。連続チャレンジの場合、一連のチャレンジの最後に達成ボーナスが発生します。

達成度 = サクセスの数 + 達成ボーナス


◆疲労軽減
行為判定においてファールを振った場合、疲労プールへ移動するダイスの数を軽減します。連続チャレンジの場合、1チャレンジ毎に疲労軽減が適用されます。

疲労プールへ移動するダイスの数(最低0)= ファール - 疲労軽減


◆流星(ブースター)
『ブースター(Booster)』は「ブーストするもの」の意であり、ダブルミーニングで「Boost+Star」の造語でもあります。流星のアイコンで表現されます。
行為判定の際に「流星の使用」を宣言すると、その判定に用いる能力の『判定限度数』『達成ボーナス』『疲労軽減』の何れかのバロメータを直接、一時的上昇(ブースト)することができます。

ブーストのタイミング :宣言のタイミングは自由です。判定の処理の直前でも途中でも構いません。
ブーストによる上昇幅:1度に何点消費することも可能で、消費する個数はPLの任意です。上昇幅は、消費した流星の個数と同じ値です。複数箇所のバロメーターを上昇させたい場合は、それぞれのバロメータごとに消費しなければなりません。
ブーストの有効時間:一連のチャレンジの間だけです。


■ キャラクター作成

下記の手順でキャラクターを作成してください。
基本的にランダム生成なのですが、『フリー』と『欠点』と『特技』を決定する際は、2D6を振らずに出目を自由に選んで決定しても構いません。むしろ、チームを組む各キャラクターの「役割分担」を踏まえて『特技』を決定した方が、チームバランスが整うことでしょう。

キャラクター作成

キャラメイク計算表

1:スターの初期値
各能力のスターの初期個数は、それぞれ1個です。(流星の初期は[0]、生命力は[流星+10]です)

2:フリーのスター
フリーのスター5個を、何かの能力に割り振ります。同じ能力に重複しても構いません。(流星や生命力には、フリーのスターを割り振れません)
▶︎ランダム決定法:2D6を振ります。出目の合計と同じナンバーの能力に、スター1個が加算されます。これを5回繰り返します。

3:欠点と『流星』
『欠点』の能力を0~2箇所決定します。欠点のスターは全没収されて0になり、没収されたスターはすべて『流星(ブースター)』に加算されます。
▶︎ランダム決定法:2D6を4回振ります。1回目と2回目の出目は欠点です。4回目まで振って、4回目までに欠点と同じ出目が出た場合は、その欠点は取り消されます。1回目と2回目が同じ出目だった場合は、相殺されずに欠点はそのまま残ります。3回目と4回目は欠点と同じ出目が出なければ、特に意味はありません。

4:特技
『特技』の能力を1箇所決定します。特技にはスターが3個加算されます。ナンバーが特技の前後1つ違いの(つまり隣接している)能力2箇所には、スターがそれぞれ1個づつ加算されます。なお、この場面ではNo2とNo12は互いに隣接しているものと見做します。
▶︎ランダム決定法:2D6を1回振ります。出目の能力が特技となります。出目に[1]がなければ、これをもう1回繰り返します。(初回を含めて最大2回まで)

5:バロメーター
ここまでのスターと流星の合計が26個ならば計算間違えはありません。
▷各能力のスターの個数に応じて『判定ゲージ数』『達成ボーナス』『疲労軽減』の値を書き写してください。
▷『生命力』の値は、流星+10です。流星が上昇すれば、それに伴って生命力も随時上昇します。
▷『ブースターゲージ』と各能力の『判定ゲージ』の不要分のゲージを、打ち消し線(二重線)で潰してください。

6:世界観設定に依存する能力
GMに世界観設定を確認します。世界観設定に依存する能力の名称を記入します。
▷ 能力No.2【(特殊能力)】の能力名に、GMの提示する能力効果リストの名称を記入します。もしGMが複数の能力効果リストを提示している場合は、PLはその選択肢から1つを選びます。
▷ 能力No.9は、【技術】と【獣使い】の2つの能力効果リストが存在します。GMが世界観設定にそぐわないとした方の名前を、打ち消し線で潰します。どちらも選択可能な世界観設定だった場合は、どちらを適用するかはPLが選び、選ばなかった方を潰します。
▷ 能力No.11【社会】は、世界観の時代設定によって適用される能力効果リストのデータが異なります。名前は変わりませんが、データの内容がまったく違いますので、セッション中は時代設定に適したデータを参照してください。
▷ 能力No.12【(異能)】の能力名に、GMの提示する能力効果リストの名称を記入します。もしGMが複数の能力効果リストを提示している場合は、PLはその選択肢から1つを選びます。

7:プロフィール欄
名前・性別・年齢 など、フレーバー情報のディティールを記入して、キャラクターを完成させてください。
完成したら、最後にGMに承認を得て終了です。

X:成長
セッションの途中や最後に、GMから報酬のスターを得ることがあります。
報酬のスターは、何かの能力に割り振ることができます。また、フリーのスターとは異なり、流星に割り振ることも可能です。(流星に割り振ると生命力も連動します)


■ 行為判定:概要

キャラクターが何らかの行為を行う際に、その行為の成否や達成度をダイスのランダムによって求める処理が『行為判定』です。行為判定の処理において「ダイスを振る」工程を『チャレンジ』と呼称します。
ダイスやプールに関しての詳細は、後述の『行為判定:ダイス』の項目をご参照ください。

◆要約
ダイスを好きな個数(全快時で最大20個)だけ振ってください。
「サクセス(出目が[6]のダイス)」の個数の合計が達成度となり、達成度が目標値以上ならば、行為は成功です。
「ファール(出目が[1]のダイス)」は疲労として除去(疲労プールに移動)され、回復(休憩や治療)するまでそのダイスは振ることが出来なくなります。

◆フローチャート
・補足説明のあるバージョンとないバージョンを用意しました。フローの内容は同じです。見やすい方、使いやすい方を、状況に応じて使い分けれます。

フロー_行為判定A

フロー_行為判定B


◆即決チャレンジ
やり直しが効かない、時間の猶予がない など一発で決めなければならない状況での行為判定が即決チャレンジです。GMは即決だと判断したら、PLにそう告げてください。行為判定で一回だけチャレンジをして、目標値以上の達成度ならば成功、目標値に満たなければ失敗です。


◆連続チャレンジ
GMが「時間の猶予があり、やり直しや継続が可能な状況である」と判断した行為判定は、連続チャレンジとなり得ます。
チャレンジをして、目標値以上の達成度ならば成功です。目標値未満でも、判定限度数とアクティブダイスが残っていれば、再度チャレンジを行い、先のチャレンジのサクセス(出目[6]のダイスの個数)に、再度の行チャレンジのサクセスを加えることができます。再チャレンジの度に『判定カウンター』が消耗します。
幾度かのチャレンジを行って最終的に達成度(サクセス+達成ボーナス)が目標値以上にまで蓄積されれば成功となります。
連続チャレンジに「失敗」はありません。「成功」と「断念」があるだけです。

連続チャレンジをする場合、最初の1度目のチャレンジを「ファーストチャレンジ」と呼びます。また、ファーストチャレンジから連続チャレンジを止める(完了する)までの、すべてのチャレンジを「一連のチャレンジ」と表現します。


◆目標値
その行為の難しさを示した数値です。高いほど難しい行為であることを意味します。目標値は行為判定の度にGMが判断してPLに告げます。
その行為に競う相手がいる場合、その相手の判定の成果が目標値になります。

目標値の目安
目標値1:簡単な行為(成功して当然)
目標値2:難しくはない行為(油断したら失敗するかもね)
目標値3:すこし難しい行為(手を抜かなければ大丈夫)
目標値4:普通に難しい行為(全力を出そう)
目標値5:かなり難しい行為(高いスターが必要かも)
目標値6:とても困難な行為(全力とスターに加えて運も必要)
目標値7:至難な行為(GMには成功させる気はない)

なお、NPCは基本的に行為判定を行いませんので、スターの個数から直接目標値を導いてください。また、この値は目安なので、GMの判断で増減して構いません。
『流星』を消費すると、(目標値ではなく)スターの個数をブーストできます。

図_NPC目標値


◆達成度
成功の成果の高さを表します。振ったダイスのサクセス(出目が[6]だったダイスの個数)に達成ボーナスを加えた値が達成度です。達成度が目標値に達していれば、判定は成功です。


◆NPCの行為判定
NPCは基本的に行為判定を行いません。時短とGMの管理負担を減らす為です。
GMが管理しているNPCの行為の成否は、GMが自由に決めてください。また判定限度数に関係なく、何度でも同じ能力を行使しても構いません。あまりにも同じ行為を連発させ過ぎないように、GMは行為の行使自体を考慮してください。また、達成度は「その能力のスターの個数と同じ値」〜1の範囲で、GMが自由に決めてください。要するに、NPCの行為は、行為判定ではなく「演出の一環」として処理されるのです。
どうしても成否をランダムに委ねたい場合は、PCと同じようにGMが行為判定を行なってください。時短に反する為、推奨はしません。
PCに味方するNPCはPLたちが管理します。その場合は、PCと同じようにPLが行為判定を行なってください。GMはノータッチです。


■ 行為判定:ダイス

写真に文字_ダイスプール

・プレイヤー1人につき、6面体ダイスを20個使用します。人数分用意してください。GMはダイスを使用しません。
・ゲーム開始時、20個のダイスすべては『アクティブダイスプール』に置きます。行為判定の際には、アクティブダイス(アクティブダイスプールにあるダイス)を好きな数だけ握りしめてイッキに振ります。最大で20個のダイスをイッキに振ることが可能です。


◆ダイスの出目
・ダイスの出目は、その数字自体に数字としての意味は持ちません。[1]と[6]の出目にだけ、特殊な意味があります。

サクセス:出目[6]のダイス → 成功を意味します。
サクセスの個数に達成ボーナスを加えた値が、行為判定の最終的な『達成度』になります。一連の判定終了後、サクセスはアクティダイスプールに戻します。

ファール:出目[1]のダイス → 疲労を意味します。
疲労軽減を超過した分のファールのダイスは疲労プールに移動します。軽減されたダイスはブランクとして扱いで、即座にアクティダイスプールに戻します。(もし振ったダイスが全てファールだった場合は、疲労軽減は適用ずに全没収で疲労プール行きです)

ブランク:出目[2]~[5]のダイス → 特別な意味はありません。
『疲労コスト』はブランクから支払います。残ったブランクは、連続チャレンジの振り直しに使うか、もしくはアクティダイスプールに戻します。


◆ダイスプール
・ダイスを保管しておく器(所謂「ダイストレー」)のことです。『アクティブダイスプール』『疲労プール』『負傷プール』の3種類が存在します。各プレイヤーごとに、それぞれ用意してください。


◆アクティブダイスプールとアクティブダイス
・大きいダイストレーをアクティブダイスプールとして使います。
・アクティブダイスプールにあるダイスがアクティブダイスです。アクティブダイスはキャラクターの活発さであり、アクティブダイスプールにダイスが多いほど、より活発であることを表しています。
・アクティブダイスは行為判定の際に使用することが可能です。(アクティブダイスとブランク以外のダイスは、行為判定で振ることができません)アクティブダイスを振る際、振る個数は幾つでも自由です。PLが自分で決めてください。景気良く全部振っても、1個だけしか振らなくても構いません。

考察:振るアクティブダイスの個数のこと
・行為判定で振るアクティブダイスの個数は、振る人の自由です。では、どのぐらいの個数を振るのが正解でしょうか?
・振るアクティブダイスが多いほど、全力で挑んでいることを意味しています、ダイスを多く振った方が、より高い達成度を期待できますが、その分、疲労も多くなってしまいます。
・逆に、振るアクティブダイスを意図的に減らした場合は、加減をして挑んでいることを意味しています。ダイスを少なく振ると、達成度は下がってしまうかもしれませんが、疲労も少なくて済みます。
・たくさんのダイスをイッキに振るのは、気持ちが良いものです! 目標値を確実に超える為には多くのダイスを振るべきです。しかし、目標値に対して達成度が高すぎても無駄ですし、疲労だって溜まってしまいます。そうならない為には、必要最低限の達成度を出せるように、適切な個数を考えてから振る個数を調整すると良いでしょう。目標値に対してピッタリの達成度で、それでいて疲労をしていない、という状況が理想的です。汗一つ書かずに淡々と仕事をこなす、まさにクールな活躍と言えるでしょう。
・「ダイスをいっぱい振ってパワープレイ」か、「的確な個数を見抜いてクールに決める」か、どちらを選ぶかの判断が、本ゲームの行為判定の真髄です。


◆疲労プール
・小さいダイストレーの1つを疲労プールとして使います。
・疲労プールに置かれたダイスは、判定による疲れや特殊な行為の代償を意味し、
ダイスが疲労プールに溜まります。回復をするまで、そのダイスは振ることができません。

疲労の発生
→ファール:行為判定の際にファールしたダイスは疲労プールに移動します。
→コスト:特殊な行為のコストして、アクティブダイスを疲労プールに移動します。

疲労の回復
→休憩:休憩所で20分毎1個、そこら辺で1時間毎1個、ながら休憩3時間毎1個。
→治療:判定をして[達成度]個回復。
→戦闘中の臨時回復:能動的行為を放棄して、そのラウンドの最後に流星1点を消費。疲労が3点回復。

疲労と負傷の肩代わり(回復)
→フレンドリーパス:パスの送り主が許可するのならば、疲労と負傷を肩代わりしてもらえます。肩代わりすることが可能な個数は送り主の任意(トータルで送り主のアクティブダイスの個数まで)。


◆負傷プール
・小さいダイストレーのもう1つを負傷プールとして使います。
・負傷プールに置かれたダイスは、受けたダメージの蓄積を意味します。
・ダメージを負ったら、ダメージの値と同じ個数のダイスを、アクティブダイスプールから負傷プールに移します。

負傷の発生
→被ダメージ:アクティブダイスを、ダメージの個数だけアクティブダイスプールから負傷プールに移動します。

負傷の回復
→睡眠:普通の睡眠3時間毎1個、良質な睡眠5時間で3個。睡眠時間が長ければ、1度の睡眠で最大3個まで累積。
→治療:判定をして[達成度]個回復。

疲労と負傷の肩代わり(回復)
→フレンドリーパス:パスの送り主が許可するのならば、疲労と負傷を肩代わりしてもらえます。肩代わりすることが可能な個数は送り主の任意(トータルで送り主のアクティブダイスの個数まで)。


◆疲労の自然回復
・休憩をすると自然回復します。回復した分のダイスは、疲労プールからアクティブダイスプールに移します。
・PLが「PCの休憩」を宣言し、その内容を演出します。GMは演出の内容から判断し、回復するダイスの数を指示します。
・目安は次の通りです。GMはダイスの個数を指示する際の参考にしてください。

全力休憩:リラックスができる施設(浴場や喫茶店 など)で休憩を取る。→ 20分間毎にダイス1個が回復
暫定的な休憩:そこら辺(草原、公園のベンチ など)でとりあえず休む。→ 1時間毎にダイス1個が回復
ながら休憩:休憩とは名ばかりで、あまり休めていない。→ 3時間毎にダイス1個が回復


◆疲労の戦闘時における臨時回復
・そのラウンドの「能動的な行為の権利(『防御』などのリアクションは除く)」を放棄して、ラウンドの最後に『流星』を1点消費することで、疲労プールからダイスの半分をアクティブダイスプールに移します。
・この効果は、戦闘中にしか発動できません。(この効果の為にワザとプロレス的な小競り合いを起こした場合は、GMはこの効果を許可するべきではありません)

▷この効果の狙い:本ゲームのコンセプトは、たくさんのダイスを振ることです。しかし、戦闘時に連続チャレンジをして派手に戦うと、疲労が溜まってしまい、たくさんダイスを振ることができなくなってしまいます。それでは意図した通りの遊び方ができませんので、そうなった時の対策として『臨時回復』のルールを用意しました。戦闘でも遠慮する事なく、派手にダイスを振ってください。


◆負傷の自然回復
・睡眠によって自然回復します。回復した分のダイスは、負傷プールからアクティブダイスプールに移します。
・普通の睡眠3時間毎にダイス1個が自然回復します。ベッドで質の良い睡眠が取れた場合は、5時間で3個自然回復します。睡眠による回復は1日最大3個まで累積。


◆治療
・治療を受けると、疲労プールと負傷プールにあるダイスが、該当する行為判定の達成度と同じ個数のダイスが回復します。どちらのプールのダイスを何個回復させるかは、治療を受けた本人の自由ですが、負傷プールを優先した方が賢明です。
・PLが「PCを医者に診せる」と宣言し、その内容を演出します。GMは演出の内容から判断し、適当な能力を指示して行為判定をさせます。例えば、舞台が現代で医者に診せるのなら、だいたい【社会】が適当でしょう。


◆ファンブル(大失敗もしくは気絶
・行為判定で振ったアクティブダイスがすべてファールだった場合、その行為は「ファンブル(大失敗)」として扱います。もしくは、キャラクターは即座に気絶します。ファンブルか気絶かは、GMが行為の状況から判断してください。
・ファンブルとは、大失敗のことです。ヘタに行為などしない方がマシだった、というレベルにまで状況が悪化してしまいます。具体的にどうなるかは、GMが判断してください。
・気絶している状態は、意識がありませんが「休憩」と同じ扱いになります。1時間ほど気絶(休憩)をしていると、疲労プールのダイスが1個だけアクティブダイスプールに戻ります。ダイスが戻ったタイミングで気絶から目が覚めます。

考察:確率のコントロール
振るダイスの個数が1個や2個の場合、すべてのダイスの出目がファールになる確率はわりと現実的です。ですが、3個以上で振るのならば、すべてファールになってしまう可能性は1%以下にまで抑えられ、安全性が期待できます。
攻略法の1つとして、実は「疲労軽減」以下の個数のダイスしか振らないことで、疲労プールにダイスが移動するの意図的に回避することが可能です。こうした消極的なプレイを抑止する為に、活動限界のルールは存在しています。逆に言えば、ファンブルを犯すリスクを受け入れるのならば、ダイスを振ることによる疲労からは解放される、とも言えます。
これはルールではありませんが、スターが3個以上ならば、最低でもダイスを6個は振れる状態を維持するべきでしょう。ダイスを6個振れば、サクセス1個以上が発生する可能性が高く、達成ボーナスを加えて達成度2以上が期待できます。また、ファールが1個発生したとしても、疲労軽減ですべて軽減しきれる可能性が高いからです。

図_ファンブル発生率


◆死亡と気絶
・死亡する状況には「負傷死」と「過労死」の2パターンがあります。

負傷死:負傷プールのダイスの個数が『生命力』の値に達すると、そのキャラクターは「死亡」します。
過労死(or 気絶):アクティブダイスプールにダイスが1個もなくなると、「死亡」もしくは「気絶」になります。この時点で「負傷プールのダイスの個数」が生命力の半分を超過していると「死亡」、半分以内ならば「気絶」です。

・死亡したPCはゲームオーバーです。GMの判断次第では、遺言か辞世の句を残すぐらいの猶予は与えられますが、即座にセッションから外されます。ただし、一部の特殊な能力効果は「死亡」が条件で発動するものも存在します。その場合は、まず先に効果の適用・発動を行ってください。


■ フレンドリーパス

PL同士のキャラプレイによって発生する、互いのPCの絆です。
各プレイヤーは、自分の信頼の気持ちを示す『フレンドリーパス』を5個所持しています。

オフライン:フレンドリーパスは自分の名前が書かれた紙片を用います。
オンライン:ポイントとして送り元と送り先の両PLが各自管理します。

PL同士のキャラプレイの掛け合いの後に、相手のPCに対して「心の繋がりが出来た」「友情を感じた」「助けになりたい」と思ったら、相手に自分のフレンドリーパスを1個渡します。幾度かの掛け合いを通して、同じ相手に複数個のフレンドリーパスを譲渡しても構いません。

フレンドリーパス

※ 上記の用紙は、フレンドリーパス5枚綴り×5人分です。オフラインの場合、上記の用紙を印刷して使用します。各プレイヤーに5枚綴り分を渡して、自分のPCの名前を書いてもらいます。
また、用紙の代わりに名刺を利用しても良いかもしれません。名刺を利用することで、実質『名刺交換』となり、セッション内での友情をゲーム終了後のリアル生活にまで持ち越す効果が望めるかもしれません。(リアルなトラブルが発生しても著者は責任を取りません)



◆フレンドリーパスを譲渡できる条件
 ・PC同士の友情や親愛などをキャラプレイで表現できたら、信頼の証として違いに譲渡し合えます。
・他のPC(もしくはPL)に助けて(フォローして)もらったら、そのお礼として相手に譲渡できます。

※ 条件を満たさないと譲渡は出来ませんが、条件を満たしたとても譲渡をしなくても構いません。

◆フレンドリーパスを譲渡するメリットとデメリット
簡単に説明すると、送り先にはメリットしかありません。しかし、そのメリットは送り主が負担することで成立しています。

▼送り主のメリット
送り先(相手)には多大なメリットがありますが、送り主(あなた)には直接のメリットはありません。もし、相手のメリットがチーム全体の有利に繋がるという大きな視点を持てるのならば、将来的に間接的にあなたのメリットとして巡り回ってくると気付くことが出来るかもしれません。
▼送り先のメリット
送り主のPCから友好ポイントの頂戴できます。疲労や負傷の肩代わりもしてもらえます。
▼送り元のデメリット
送り先のPCに 友好ポイントを頂戴されます。疲労や負傷の肩代わりもさせられます。
▼送り先のデメリット
デメリットなどありません。ですが、送り主に迷惑を掛けると心象が心配ですね。


◆フレンドリーパスを譲渡する意味
短期的な損得勘定で考えると、相手にフレンドリーパスを譲渡することは『損』でしかありません。相手の為に損を被る心意気が友情なのです。PC同士のキャラプレイで友情を表現したいのなら、システムがあなたの真の友情の表現を後押しします。

キャラプレイで仲良しを演じたのに、そこにフレンドリーパスの譲渡がなされなければ、表面だけの仲良しごっこだったということなります。見せ掛けだけのキャラプレイは失笑を生むことでしょう。
逆に、憎まれ口を叩き合いながらもフレンドリーパスを譲渡すれば、素直に表せない信頼を表現することができます。ニヒルで格好の良いプレイですね。

フレンドリーパスを譲渡するも、しないも、あなたの自由です。素直な気持ちや、本音と異なる建前の使い分けを、フレンドリーパスの譲渡を通して表現してみましょう。
フレンドリーパスを得る為には、仲間から信頼されるキャラプレイを心掛け、チーム内での互いの信頼関係の形成に、このルールを役立ててください。


◆フレンドリーパスの影響(GMの心得)
送り主から『友好ポイントの頂戴』をしたり、『疲労や負傷の肩代わり』をしてもらうことができます。なお、送り主には、友好ポイントの頂戴を拒否する権利はありませんが、自発的に譲渡先を助けることはできます。

『友好ポイントの頂戴』
 フレンドリーパスを譲渡された者は、譲渡元のPCが各NPCから抱かれている『友好ポイント』を、自分の物であるかのように消費して、NPCと交渉(情報収集や行動依頼)をすることが可能です。解釈としては「友人の名前を出して交渉を有利にする」という状況だと考えてください。
1度の交渉で拝借が可能な友好ポイントの数は、そのPCから貰ったフレンドリーパスの個数までです。
なお、他のPCの友好ポイントを拝借しても、フレンドリーパスは失いません。何度でも適用できます。

『疲労や負傷の肩代わり』
フレンドリーパスを譲渡された者は、自分の疲労ダイスや負傷ダイスを、送り主のPCに肩代わりして貰って回復することができます。宣言をすれば即座に効果を発揮し、回復します。
ここでいう「肩代わり」とは、該当ダイスを相手に渡すことではありません。自分のダイスを別のPLに渡すこはありません。譲渡先が該当ダイスをアクティブダイスプールに移動して回復した分、代わりに、送り主はアクティブダイスを該当のプールに移動してください。
回復が可能なダイスの総数は限度以内ならば自由ですが、譲渡元のアクティブダイスの個数までが限度です。ただし、譲渡元のアクティブダイスが全て無くなると、気絶か死亡になってしまいますので、加減をするべきでしょう。
この効果を発動するタイミングは、いつでも構いません。行為判定の途中でも発動は可能です。発動したら、そのフレンドリーパス1個を裏返してください。オンラインならば、取り消し線(二重線)を引きます。裏返った(取り消し線を引かれた)状態のトークンは存在しないものとして扱われます。


◆FPの影響(GMの心得)
フレンドリーパスのルールを採用することで、どのような影響があるかを、GMは把握しましょう。

『生命力の共有化』
要するに「PC全員の生命力は共有化される」と認識した方が良いです。
誰か1人ないし2人が犠牲になってミッションをクリアするという後継は、割と頻繁に見ることになるかもしれませんが、PCチームが全滅する危険はかなり減るでしょう。



■ NPCの管理

・プレイヤーが自分自身のアバターとして管理するキャラクターが『PC(プレイヤー・キャラクター)』で、それ以外のGMによって管理されるキャラクターが『NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)』です。NPCの中には「PCに直接関わってくる主要人物」「背景を行き交うだけのモブ」「お店や街の入り口で受け答えをする看板代わりのキャラ」「PC相手に戦闘をする敵キャラ」など、様々な登場人物が含まれます。
・NPCはPCと同じルールで作成することもできますが、任意の数字を自由に割り振って構いません。つまり、PCの性能と比較して、極端に劣っているキャラクターも、極端に優っているキャラクターも自由に生み出すことが可能です。シナリオの都合に合わせて、必要なNPCを用意して構いません。なお、特に重要性のない量産キャラクターならば、全ての能力と流星のスターを[1]にすると良いでしょう。ちょっと個性を出したいのなら、能力の1つを[2]にして、別の1つを[0]にすれば十分です。
・NPCの管理とは具体的に、NPCの「発言」「行為宣言」「行為の成否の決定」「コスト推移の記録」などを指します。


◆流星のスターと生命力
・『流星』のスターの個数は、そのNPCの重要性を表しています。また、NPCの流星もブースターゲージを持っており、ブーストに用いることが可能です。


◆能力のスター
・NPCの能力のスターは、必ずしもPCと同じ意味を持つ訳ではありません。能力効果のアンロックはPCと同様に適用されますが、存在するバロメータがPCとは異なります。『達成ボーナス』だけは存在しますが、『判定限度数』と『疲労軽減』は存在せず、代わりに『対抗判定の目標値』が追加されます。
・もしNPCの行為に達成度が必要な場合、PCとの対抗関係で必要ならば『対抗判定の目標値』を用います。PCとは関係なくNPC個人の行為の出来具合として必要ならば『達成ボーナス』をそのまま達成度として扱います。


◆行為判定
・『20Dシステム』は「可能な部分は省略して時短するべきだ」「NPCの管理はなるべく簡略化して、GMの負担を減らすべきだ」という考えでデザインされています。NPCは何らかの行為を行う際に、行為判定を行わなくても構いません。行為を宣言するだけ宣言して、行為の成否はGMが自由に決めることができます。
・ただし、NPCの行為がシナリオ上重要な意味を持つ行為だった場合は、GMの判断次第では、PCと同じルールで行為判定を行うことにしても構いません。結果を運に委ねた方が、場が盛り上がるかもしれません。
・行為判定をしなくても『達成度』が必要な場合もあります。その場合、対応する能力のスターの個数から達成度が算出されます。
・戦闘時の攻撃と防御などのように、PCの行為と結果を比較をする場合は、NPCの達成度を目標値として、PCだけが行為判定を行います。
・戦闘中などGMが忙しい間は、一部のNPC(PCに対して『良好』以上のプラスの友好度を示しているNPC など)は、PLにその管理を譲渡しても構いません。PLが管理する場合は、行為判定は省略せずにPCと同様の行為判定を実施します。
・NPCには『判定ゲージ』が存在しません。その為、行為判定の有無に関わらず、判定ゲージを消費せずに一切の行為を行うことができます。しかし、スターの個数が少ない能力の行為の場合は、あまり何度も行為を宣言するのは控えるべきです。


◆友好ポイント
・PCとNPCの人間関係には、いくつかの段階があり、友好ポイントによって決まります。詳しくは後述します。


◆PC・NPC管理シート
・GMは、PCとNPCの大まかなデータの把握と、NPCの友好度の推移を、下記に添付の『PC•NPC管理シート』を用いて管理します。
・セッション開始前、PLのキャラクター作成が済んだ時点で、PL各位に管理シートを渡して、該当箇所を記入してもらってください。一番上の段の6枠がPCのデータの記入欄です。
・友好度の欄の「PC-○」は、PCのデータの記入欄の番号に対応しています。友好度の推移を該当箇所に反映させてください。友好度の初期値は、NPCと各PCとの関係によります。中立なら[2]、良好なら[5]です。初めから関係が親愛や献身ということは特殊な場合に限られますが、もし親愛なら[8]、献身なら[10]です。
・友好度を獲得したら、その分の「破線の○」を実線にし、消費したら「実線の○」に斜線を引いてください。消費した分の友好度を再度獲得したら、「斜線を引いた実線の○」に消しゴムをかけて、ただの「実線の○」に戻します。
・友好度の記入欄には、枠が10個分までしか存在しませんが、10が友好度の限度ではありません。10を超過した場合は「特筆」の欄や欄外などに記入してください。

PC&NPC管理シート


◆NPCのランク
・NPCは性能(スターの合計個数)に応じてランク分けされ、ランクごとに作成ルールが異なります。
ランクEX(レジェンダリー):スター×50個超過。PCとは別次元の性能。
ランクS(エリート):スター×35〜50個。PCと比較してかなり格上。
ランクA(ライバル):スター×20〜34個。PCと同格、より強力な個体も。
ランクB(フェイス):スター×8〜19個。ネームレスより格上で個性を持つ。
ランクC(ネームレス):スター×2〜7個。名無しのモブ。


◆NPCの作成ルール
・NPCの作成ルールは一応存在しますが、それは無視してGMが自由にシナリオ上に必要なNPCをデザインして構いません。
・NPCの作成ルールは、NPCの性能によるランクに応じて異なります。ランダム作成が可能なので、活用していただけると時間短縮の役に立つでしょう。ただし、ランクEXのNPCのランダム作成は推奨できません

◆NPCの作成ルール:ランクEX(レジェンダリー)
※近日追加します。

NPCの作成ルールランクS(エリート)
※近日追加します。

NPCの作成ルールランクA(ライバル)
・プレイヤーキャラクターの作り方と同じルールです。

◆NPCの作成ルール
ランクB(フェイス
1)各能力のスターの初期個数はNo.3〜5とNo.7とNo.9〜11はそれぞれ1個です。それら以外の能力の初期個数は0個です。フリーのスターを2〜3個持っていますので、能力のどれかにROCで割り振ってください。
2)

◆NPCの作成ルールランクC(ネームレス)
1)各能力のスターの初期個数はそれぞれ0個です。フリーのスターを2〜6個持っていますので、能力のどれかにROCで割り振ってください。スターが被った場合、2個までは累積します。3個目以降は割り振り直しです。ネームレスには【特殊能力】と【特殊背景】が存在しません。もし割り振ってしまったら、割り振り直してください。
・流星は0個、生命力は8点 です。攻撃力と防御点は後述を参照。

◆NPCの作成ルール・補足(攻撃力と防御点)
・『攻撃力』の値の目安は、【近接戦闘】もしくは【飛び道具】のどちらか高い方の『行為判定の目標値』に+アルファです。
・『防御点』の値の目安は、【運動】もしくは【近接戦闘】のどちらか高い方の『行為判定の目標値』に+アルファです。
・そのNPCが戦闘に特化した設定ではないのなら、+アルファは不要です。なお、+アルファの値は、武器や防具の性能やその他の特殊な要因、またはGMの都合で適当に決めてください。+アルファだけ元値の値を超えるのはやり過ぎですが、そのNPCがやり過ぎな設定ならば、超えても構わないでしょう。


■ 友好ポイント

友好ポイントとは、PCとNPCの関係性の良さを表す数値です。第一印象や互いの立場によって初期値は異なり、『親睦』によって増え、交渉事(情報収集や行動依頼など)をする際の『コスト』として消費されます。
本ゲームでは、交渉は行為判定で為すものではありません。親睦によって得た友好ポイント(信頼)を削って行うのです。では【交流】能力は何に使うの?と思うかもしれませんが、【交流】による判定は『親睦』や特殊な交流に用いられます。世界に他人が存在する以上、非常に重要な能力です。

人に頼み事をするには、まず親睦を図ってからです。親睦で友好ポイント(信頼)を得て頼み事をして信頼を失い、また親睦を図って信頼を得るのです。現実社会と一緒ですね?
世の中には第一印象の良い人間が存在します。彼らは、他人に初めから高い友好ポイント(信頼)を抱かれていて、初対面の他人に多少の頼み事が可能です。これも現実社会と一緒ですね?


◆友好ポイントの初期値
NPCはPCと遭遇すると、第一印象や互いの立場に応じた『関係性』によって、信頼感や愛情、よくしたい、よく思われたいという気持ちを抱きます。これが友好ポイントであり、関係性に応じて友好ポイントの初期値は決まります。
NPCが初登場時の『関係性』は、GMが判断します。特に理由がなければ、「中立」か「無関心」が妥当でしょう。どちらになるかは、NPCの性格にも因ります。なお、関係性に影響を与える能力効果も存在します。

図_友好ポイントの初期値


 ◆交渉事の消費コスト

まず交渉の内容による『基本コスト』を元に、『修正1』『修正2』『修正3』の順で、該当するすべての修正を適用し、消費コストを求めます。
消費コストの計算を、GMが面倒だと判断した場合は、基本コストままを最終的な消費コストとして扱っても構いませんし、状況が合うのならば後述の例を使用してください。

図_交渉事の消費コスト


◆具体的な消費コストの例
おそらく最も重要な部分だけ抜粋して要約しますが、「セッション中に出会ったNPCに、戦闘に参加して一緒に戦ってもらうには、友好ポイント10ptが必要です」ということです。

・戦闘の助っ人(友人としてのご好意):10pt
 →『行動依頼』5pt +『命懸け』5pt
・戦闘の助っ人(紹介された職業傭兵):6pt
 →『行動依頼』5pt ÷『報酬&紹介者』3 +『命懸け』5pt
・噂を広げる:6pt
 →『印象操作』3pt +『影響範囲が広い』3pt
・見張りをサボらせる:7pt
 →『社会的忖度』4pt -『相手の意に沿っている』1pt +『社会的リスク』4pt


◆『親睦』を図る
『親睦』とは、スター1個でアンロックされる、能力【交流】の能力効果の一種です。つまり、キャラクター作成時に、あえて欠点に【交流】を選んだ者以外は、すべてのPCがデフォルトで備えている、基本的な能力効果です。
NPC1人に対して『親睦』の行為判定をすることで、対象のNPCに抱かれる友好ポイントが達成度分上昇します。
友好ポイントがある程度上昇すると、それに伴って『関係性』が改善されます。逆もまた然りで、友好ポインを消費すると『関係性』は悪化しますので、関係性を維持するのなら『親睦』でアフターフォローをする必要があります。

【交流】のスター5個でアンロックされるの能力効果『プレゼン』は、複数人を対象にする『親睦』です。
サクセスに達成ボーナスを加えた最終的な達成度を、複数のNPCに対して割り振って、それぞれのNPCの友好ポイントを同時に、割り振った達成度分上昇することが可能です。

NPCが人間(亜人や、もしくは人間に近い思考をする存在)の場合は『親睦』を用いますが、NPCが動物だった場合は、【獣使い】のスター1個でアンロックされるの能力効果『動物共感』が必要となります。『動物共感』のルール処理上の扱いは、対象が違うだけで『親睦』と同じです。


◆友好ポイントがマイナスのNPC
友好ポイントがゼロ、またはマイナスのNPCに対しては、交渉事を試みることは出来ません。まずは『親睦』で友好ポイントを上げる必要があります。
友好度がマイナスのNPCの中でも、PCに「敵として対立」しているNPCには、基本的に交渉事も『親睦』を行うこともできません。交渉をしたければ、まずは敵対原因の除去を行う必要があります。


◆敵対原因の除去
PCに対して敵対しているNPCには、敵対する原因が存在します。その除去が可能ならば、NPCは敵対を辞めて関係性は『不審(警戒)』にまで改善されます。あとは『親睦』を図ることで、より良い関係性を築いて友好ポイントを上昇し、更なる関係性の改善を試みることも可能です。

「原因は何か?」「何をすることで原因を除去することが可能なのか?」は、GMが定めます。シナリオにおけるフラグに分類される事柄です。
もっとも一般的なステレオタイプな原因は「ボス(もしくは組織)への忠義」となるでしょう。この場合、原因を除去する方法は「忠義を通す意味を失わすこと」です。具体的には「ボスは大したヤツじゃない。小物だと気付かせる」「より良い条件で別の組織に招く」「組織内の人間関係を壊し、組織に居辛くさせる」などが考えられます。
ですが、これらはPCが単力でどうこう出来る手段ではありません。GMがシナリオ上、その方法を予め潜ませている場合にのみ実行が可能な隠しルート(奇策)です。ですから、敵に対しては基本的に、物語上で重要なNPCでもない限り、もしくはGMから物語の演出上で示唆された場合以外は、懐柔を試みるのは避け、時短の為にもさっさと武力で排除するべきです。

システム上、あらゆるNPCに対して関係性の改善を試みることができます。その為、敵と遭遇するとPCがまず対話で懐柔し、戦闘を避けようとすることが想定できます。GMは、敵が敵対する原因を意味もなく明かすべきではありませんし、原因の除去の手段を用意するべきではないかもしれません。敵が改心する展開は、物語において特別な意味がある敵キャラクターに限るべきです。


■ 戦闘

・敵との戦闘が発生したら、下記の手順で戦闘を処理します。本ゲームの戦闘はラウンド制で、手番が来たキャラクターから順に行動をします。


◆位置関係(間隔)
・PCと敵の距離間隔には『至近』『射程』『長距離/遮蔽』『場外』の4段階が存在します。
・戦闘の展開に応じて、ミニチュアフィギアやコインなどを利用して、戦場にいるキャラクターの互いの間合いを視覚的に明確にすると良いでしょう。オンラインセッションの場合は、GMが全てのキャラクターの位置関係を管理して、必要に応じて必要な部分だけPLに伝えてください。間隔に関するPLの質問には答えてあげてください。

フェイズ1、至近:数歩踏み込んで近接攻撃の届く距離です。だいたい3メートル以内ぐらいです。
フェイズ2射程:飛び道具を安定して命中させられる距離です。だいたい15メートル以内ぐらいです。近接攻撃を行う為には、至近まで移動しないといけません。
フェイズ3長距離/遮蔽:飛び道具の命中が安定しないほどの距離や、遮蔽物の影です。長距離と遮蔽の間隔は1段階と見做します。
長距離は広く開けている場所です。飛び道具で攻撃することは可能ですが、遠過ぎて命中が安定しない為、ボーナスを加えた最終的な達成度が半減します。
遮蔽は厳密には距離ではなく、遮蔽物に阻まれている場所のことです。射程や長距離まで移動しないと、飛び道具での攻撃は届きません。
フェイズ4場外:どちらかが戦闘エリアの外に出ている状態で、飛び道具が届かない距離です。戦闘エリアに出ている者は戦闘に参加できません。

・戦闘開始時の位置関係は基本的に、遠距離攻撃が得意な敵はPCとは遠くに位置を取り、近距離攻撃が得意な敵はPCの近くに位置を取ります。これはあくまでも基本であり、不意打ち(予めPCサイドが有利な位置取りをした場合)や何らかの特別な状況だとGMが判断した場合は、この限りではありません。


◆手番の順番
・手番の順番は「PCの攻撃手段(近接攻撃 or 遠距離攻撃)」と「敵とPCの距離間隔(至近 or 射程 or 長距離)」によって決まります。順番が同じタイミングならば、PCの方が敵やNPCより素早く動けます。
・行う行為の状況によっては、攻撃の前後に間合いを調整する為、移動を伴う場合があります。その場合は、PCは疲労コスト[1]を支払うことで、間隔を1段階シフトすることが可能です。アクティブダイスプールからダイス1個を疲労プールに移してください。なお、間隔を2段階以上シフトしたい場合は、次のラウンドに再度移動をしてください。敵やNPCはコストを必要とせずに移動することができます。

順番
1
:攻撃手段が遠距離攻撃、間隔は射程長距離
→ 射程ならば移動の必要はありません。遮蔽物に隔たれていて長距離扱いならば、移動で間隔を詰めてから攻撃をしなければなりません。移動によって攻撃対象との間隔は射程に変更されます。
2:攻撃手段が近接攻撃、間隔は至近
→ 移動の必要はありません。
3:攻撃手段が遠距離攻撃、間隔は至近
→ 攻撃をしつつ移動をして間隔を離すことが可能です。移動によって攻撃対象との間隔は射程変更されます。
4:攻撃手段が近接攻撃、間隔は射程
→ 移動で間隔を詰めてから攻撃をしなければなりません。移動によって攻撃対象との間隔は至近に変更されます。
5攻撃以外の行為
 → 移動の必要性は状況による。GMが判断してください。
考察:攻撃が敵に届く順番
遠くの敵へ飛び道具を放つのが、もっとも早く攻撃に届きます。
続いて早いのは、近接武器による攻撃です。
至近の敵に対する場合、銃を構えるスピードはナイフに劣ります。
参考文献:マスターキートン


◆NPCの行動パターン
・NPC(敵を含む)は自分の手番が回ってくると、『攻撃』をします。何らかの思惑がある場合はその限りではありませんが、GMは手間を減らす為にも、基本的には『攻撃』以外の行為はしない方が楽です。
・攻撃対象の選択は、以下の何れかで、その場面に相応しいものを適用してください。a)が戦闘に対して積極的な選択で、a)から離れるにつれて消極的な選択となります。

a)すぐ目の前に存在するPCから始末する。
b)戦闘になる前に、因縁を作ったPCがいるのなら、因縁の相手と対決する。
c)もっとも弱っているPCから速やかに確実に排除する。
d)もっとも脅威になるPCに戦力を集中して優先的に無力化する。
e)飛び道具に不自由なPCを狙って射撃戦に持ち込む。
g)射撃戦を仕掛けつつ、様子を見て逃げ出す。


◆PCの『攻撃』
・【近接戦闘】もしくは【飛び道具】で行為判定を行います。基本的に敵は『防御』(回避やダメージの軽減)をしてきません。『攻撃』の達成度が、そのまま敵に与えるダメージになります。
・敵の蓄積したダメージが敵の生命力に達すると、敵は戦闘不能状態になります。戦闘不能状態とは、『死亡』『気絶』『無力化(拘束します。能動的な行為はできませんが、意識はあります)』の何れかの状態ことです。敵を戦闘不能状態にしたPCが、どの状態にするかを選んで構いません。

◆敵の『攻撃』
・敵の『攻撃』は自動命中です。その敵の攻撃対象に選ばれたPCは、敵からダメージを受けます。
・敵の「最終的なダメージ値」と等しい個数のアクティブダイスを『負傷プール』に移動してください。なお、敵が与えてくるダメージはPCとの距離によって異なり、固定値で2種類存在します。

◆PCの『防御』
・防御は高度な戦闘行為であり、誰でも可能な訳ではありません。条件として、特定の能力効果がアンロックされている必要があります。
・攻撃対象となったPCは、条件を満たしていれば、リアクションとして防御を行うことを選んでも構いません。防御の達成度分だけダメージは軽減されます。防御をする場合は軽減した値が「最終的なダメージ値」となります。
・【運動】のスターが2個以上ならば、能力効果『危険回避』がアンロックされ防御が可能になります。行為判定の成否に関係なく、移動して相手との間隔を変更することができます。疲労コストは不要です。
・【近接戦闘】のスターが4個以上ならば、能力効果『迎撃』がアンロックされ防御が可能になります。敵との間隔が近距離の場合、迎撃の達成度が相手のダメージを上回っていれば、逆に攻撃してきた相手に差分値分のダメージを与えます。

◆敵の『防御』
・基本的に敵は『防御』してきません。ごく一部の敵だけが、【特殊能力】や【異能】の効果によって『防御』が可能となり得ます。防御能力を持っている敵は、PCからのダメージを固定値(所謂「防御点」)で軽減します。


◆敵の強さ
・敵は「PCとの距離」に応じた攻撃力の値と同じダメージを与えてきます。攻撃力は固定値であり、攻撃対象が防御をしない限り、与えるダメージ値も毎回固定となります。
・PCと同じ人数同じ条件で、攻撃力3の敵集団と戦闘になると、PCはチームとしては勝利できるでしょうが戦闘力の低いPCは死ぬかもしれない、ぐらいの強さだと思ってください。

敵の攻撃力の目安
敵には「白兵戦攻撃力」と「飛び道具攻撃力」の2つの攻撃力が存在し、それぞれの値に差がある場合も、同じ値の場合もあり得ます。
「近距戦闘攻撃力」は、装備よりも本人の資質が反映されやすく、戦うことを常としている者ならば、2〜4が普通です。5以上は超常的な存在かもしれません。
「飛び道具攻撃力」は、装備の影響が大きく、特別に装備に恵まれている訳でもない場合、1〜3が普通です。しかし、装備に恵まれている場合は、一見弱者にしか見えない者でも、4以上の場合もあり得ますので油断はできません。「装備の有無」や「装備の性能」はフレーバー情報なので、GMが自由に決めてください。

敵の攻撃力の目安
攻撃力1:チュートリアル用ザコ
攻撃力2:ザコですが油断は禁物
攻撃力3:そこそこの脅威
攻撃力4:普通に強敵
攻撃力5:レイドボス
攻撃力6:GMの殺意の化身
攻撃力7:負けイベント(殺されても死亡しません。そういうイベントなので)
敵の生命力の目安
比較対象として、作成したばかりの標準的なPCの生命力は11〜12(稀に13)ぐらいだと思ってください。
生命力6:チュートリアル用ザコ(割れやすい瓦扱い)
生命力8:やや虚弱な一般人(数合わせのザコ)
生命力10:頑丈な一般人(標準的な敵)
生命力12:そこそこ頑丈
生命力14:手こずるぐらいに頑丈
生命力16:レイドボス
生命力18:優秀なタンク
生命力20:セッションボス



■ 報酬と成長

セッションの進捗に応じてGMよりスターを与えられます。これが報酬です。
メインストリーム(シナリオの主流、大目的)の進捗、サブクエスト(主流から脱線したミッション)、GMの裁量 などによって、報酬は与えられます。

メインストリーム報酬
 → 完走時のみスター 1個付与(過程は中継点報酬として分割で付与済み)
中間報酬
 → スター 1個付与(メインストリームの中継点をクリアする度)
サブクエスト報酬
 → スター 1個付与(メインストリームとは別に並行で進展する、主流から脱線したミッションをクリア)
GMの裁量
 → スター○個付与(○はGMの自由、PCが愚かな決断を下した場合は減点もあり得ます)

◆GMの対応
GMは、セッション内の「PLの活動」に応じた個数のスターをPLに与えます。(「PCの活躍(判定の成否)」は運やシナリオとの相性に大きく影響を受けてしまう為、「PLの活躍(判断の賢明さ)」を評価基準にしてください)
セッションのシナリオは、メインストリーム(大きなミッション)を軸に、メインストリーム上の中継点によって分割されるクエスト、メインストリームと並行して走るサブクエストなどの組み合わせで構成されます。(詳しくは後述の例を参照)

1セッションで得られる報酬の点数の目安ですが、5時間程度のミッション全体を最初から最後まで完走して無事にクリアできた場合、普通はスター2個(±1個?)ぐらいが妥当でしょう。
スター2個の内訳は、メインストリームの途中で「中継点」を1箇所設けていると仮定して、中間報酬1点と、メインストリーム報酬1点の計2点。そして、±1個の加点減点の要素は、サブクエストの有無やGM裁量によって与えるかを判断してください。

▼シナリオの流れと報酬の例
以下の例は、今後追加するか未定の架空のサンプルシナリオ「ヒロイックファンタジー桃太郎(だいたいご存知の桃太郎)」を例にしています。

◆シナリオの構成の例
シーン1:港町への道中 〜 対山賊戦
シーン2:港町での敵情探索
中継点:港町解放戦 ← 中間報酬1点付与
シーン3:鬼ヶ島への航海
サブクエスト:対海賊戦 ← サブクエスト報酬1点付与
シーン4:鬼ヶ島での本拠への潜入
クライマックス:鬼退治! ← 第2中間報酬1点付与
真の目的:金銀財宝の奪取 ← メインストリーム報酬1点付与
エピローグ:鬼ヶ島からの帰還 〜 再会 〜 生家へ


◆PLの対応
獲得したスターは、能力か流星のスターとして割り振ることができます。
獲得したスターはリザーブしておくことはできません、GMは一旦セッションを小休止させ、PLはスターをPCに割り振ってください。。


■ 特別選択ルール

本項目のルールは、GMが採用と判断した場合のみ採用される特別なルールです。
採用する場合は、セッション開始前にPLに採用を告げるようにしてください。開始前にGMが特に何も告げなかった場合は、各特別選択ルールの採用条件を確認してください。『採用推奨条件』を満たしている場合は、GMは開始後からでも採用することにして構いません。

◆倫理ペナルティー
採用推奨条件:世界観の社会設定が『弱肉強食』。
「禁忌」を犯すと、ペナルティーとして一時的に『流星』が使用できなくなります。ここで言う「禁忌」とは、「食人」「平時での殺人」「大量虐殺」「肉親殺し」「幼子への性的虐待」「近親姦」「動物(や別種族)との性交」「邪悪な儀式」など、その時代や舞台で暗黙のタブー(具体的にはGMが判断)とされる行いを指します。
このペナルティーの影響は、何らかの「禊(内容はGMが判断)」が済むまで継続します。禊の例としては、土下座、剃髪、指詰め、去勢、罰金、禁固、アカウント削除、墨入れ、滝行、寺籠り、公開謝罪会見、屈辱動画の撮影 などが考えられます。禊とは刑罰や復讐ではなく、あくまでも道義的な謝意、もしくは心身を清める為の儀式でなければなりません。

◆禁忌への耐性
採用推奨条件:特別選択ルール『倫理ペナルティー』を採用時。
倫理ペナルティーを受けている状態での行為判定をする際に、直前に【悪事】の『判定ゲージ』を1点消費すると、その一連のチャレンジの間だけ倫理ペナルティーが解除され、一時的に再び『流星』を普通に使用できるようになります。

◆弾倉カートリッジ
採用推奨条件:世界観のジャンルが『西部劇』や『ゾンビもの』の場合。
GMが指示をしない限り、銃器の弾丸や弓矢などの消耗品は、考慮しなくて構いません。何発撃っても弾は尽きません。強いて言えば、【飛び道具】の『判定ゲージ数』が弾の消費を兼ねています。
ただし、世界観設定が『西部劇』や『ゾンビもの』など、弾数が演出上で重要な場合は、弾数をきちんと管理せねばなりません。
消費する弾の数は、【飛び道具】の『射撃』の行為判定の際に「チャレンジをした回数」と「攻撃対象にした[敵の数−1]」の合計分だけ消費します。
弾を撃ち続ければそのうち弾切れを起こしてしまいます。武器の種類に関係なく、弾倉の弾数は10発です。キャラクターシートの『Profile』の欄に、10点分の弾倉ゲージを手書きしてください。弾切れになると【飛び道具】の『射撃』の行為判定はできなくなってしまいますが、もし弾が尽きても、弾倉カートリッジがあれば即座に再装填が可能です。
弾倉ストックの入手方法は「購入」「現地調達」「ストック」の3通りです。

購入:ガンショップなどに行き、【社会】の『財力』で判定して成功すると、弾倉カートリッジを入手できます。相場通りのショップならば、購入する数が3セット(30発分)毎に、目標値は+1点になります。
現地調達:弾倉カートリッジが格納されていそうな場所で、GMが許可した場合に限り、【感覚】の『探索』の判定で弾倉カートリッジを探すことが可能です。目標値はGMが判断します。判定に成功すると、1セット(10発分)の弾倉カートリッジを入手できます。
ストック:『ブースターゲージ』を1点消費すると、予め弾倉カートリッジ1セット(10発分)を携帯していたことにできます。(判定は不要です)

◆感染
採用推奨条件:世界観のジャンルが『ゾンビもの』や『ゴシックホラー』の場合。
感染性を持った一部の敵(ゾンビ、人狼、狂犬病を発症した犬種系モンスター など)の攻撃を受けると、病や毒や呪いなどを移される恐れがあります。移された場合、症状に応じたペナルティーを受けます。
感染力を持つ敵の攻撃を防御せずに受けた場合は、必ず感染します。防御した場合、一連のチャレンジにおいて出目が[4]だったダイスの個数を記録して合計個数を求めます。合計個数を敵の感染力の値を比較し、敵の感染力の値の方が高ければ感染してしまいます。合計個数が感染力の値以上だった場合は、感染を免れます。

◆病・毒・呪い
採用推奨条件:特別選択ルール『感染』を採用時。
病や毒や呪いなどの症状には様々なのもが考えられます。その症状の例として、いくつかを挙げておきます。

症状A(衰弱系):ゲーム内時間で1時間毎に、疲労プールのダイスを1個、負傷プールに移動させます。つまり、疲労がなければ負傷は増えませんので、安静にしていてください。
症状B(致死系):生命力が低下し、死亡し易くなります。低下の程度は、症状の強さによって、1点減〜最大で半減まで(GMが判断)です。既に負傷プールに多くのダイスがある場合は、この症状を発症した瞬間に死んでしまうこともあり得ます。
症状C(種族変化):能力No12【(特殊背景)】が変化します。例えば、相手(感染源)がゾンビや人狼ならば相手と同じ種族に変化し、上位吸血鬼ならば下位吸血鬼に変化します。
症状D(麻痺系):特定の能力の行為判定の際に、出目[2]のダイスが『フリーズ』となり、フリーズはファールの一種として扱われます。出目[2]も加えて、[1]と[2]のダイスをファール(疲労ダイス化)とします。
症状E(激痛系):特定の能力の行為判定の際に、出目[3]のダイスが『ペイン』となり、ペインはファールの一種として扱われます。出目[3]も加えて、[1]と[3]のダイスをファール(疲労ダイス化)とします。
麻痺と激痛の症状は組み合わされることもあり、その場合は、出目[1]〜[3]のダイスをすべてファールとします。

◆追加能力【狂気】
採用推奨条件:世界観のジャンルが、ホラーもの全般の場合。
12個目の追加の能力です。スターとバロメータと能力効果を持ち、能力と同様のルールが適用されます。キャラクターの作成時と成長時に、普通の能力と同様にスターを割り振ることが可能ですが、増え過ぎには要注意です。
混沌判定に失敗した際に、【狂気】のスターが1個増えます。

能力No.EX【狂気】 Insanity
精神が混沌に侵されている程度を表します。【狂気】のスターが増えるほど、超常的な存在が身近になり、そういった存在への対処や抵抗に有能になります。その反面、【狂気】のスターが7個になると、そのPCは発狂してしまいリタイアとなりますので、増え過ぎない様に注意する必要があります。

『混沌判定』:混沌的な状況(「極度な恐怖体験」や「理解を超えた超常的な存在を目撃など感知する」や「禍々しくも冒涜的な予兆や場面に直面する」など)に遭遇すると、精神に酷い悪影響を受けるかもしれません。その悪影響に抗うチェックが混沌判定です。CoCでいうところのSANチェックに相当します。
前記のような混沌的な状況だとGMは判断したら、混沌判定を実施する様にPLに指示します。混沌判定は【狂気】による行為判定として処理されます。目標値は、混沌さ(GMが判断)に応じて高くなります。混沌判定に失敗すると【狂気】のスターが1個増えます。

★1『闇は傍に』:「灯りの消えた廊下の奥……その角から私を見ている。誰かが私をずっと観察している!」
日常に潜んでいる超常的な存在に気がつくかもしれません。『霊感』の一種ですが、干渉性はなく受動的にのみ行使可能だと考えてください。GMから指示があった場合、行為判定を行うことができます。なお、この行為判定に成功しても、周囲はあなたの意見をただの戯言だと一蹴するでしょう。
★2『盲目の義憤』:「見える!見えるぞ、お前の業(カルマ)が!お前が平気で悪事に手を染めるのは、時代のせいじゃない!お前は元々始末されなきゃいけない悪鬼だったんだ!」
【近接戦闘】の『近接武器』と同じ効果です。冒涜的なオカルト小道具の様な近接武器を用いて『攻撃』をします。
★3『深淵の真実:「あれはインスマスの怪人。邪教徒が信仰する邪神の手下だ。邪神に入れ込み過ぎると、次第に人間もああいう化物に変化していくんだ。気を付けろ。」
魔導書、邪教、禍々しきモンスターなど、冒涜的な知識を持っています。
★4『邪教の神事:「ああ、海底の棺に眠りし、我が主よ!我が声を聞き届けたまえ。刻は来た。再臨の生贄を受け取り、我に力をお授けください!」
魔導書の解読や、暗黒儀式の執行ができます。魔導書や暗黒儀式に特にゲーム的な効果はありませんが、シナリオ上ではフラグの役目を果たすべく登場するハズです。フラグを立て損なうと迂回ルートに辿ることになってしまい、その先には「時間の浪費」と「本来は避けられたハズの危険」が待っています。
★5『冒涜的な守護霊:「あはは撃ってみろ!無駄だ無駄ッ!そんな鉛玉など私に憑く精霊が空中で叩き落としてくれるわ!」
あなたに取り憑く霊的な存在の加護によって、敵からの攻撃を『防御』できます。毒・病・呪い・魔法攻撃など に対する抵抗に用いることも可能です。また、この効果を使用する度に、あなたと関係があるNPC全員からの友好度が1点づつ減少します。
★7『完全なる狂気』:「あははははは死ね!死んでしまえ!お前らぁみーーんな殺してやるッ!!あははははーーッ!」
このPCは完全に精神が狂ってしまいました。残念ながらセッションからはリタイアとなります。

◆判定ゲージの回復(睡眠型)
採用推奨条件:シナリオの想定プレイ時間が長め(現実時間で4h以上)の場合。
時間経過と睡眠と貢献度によって、消費している『判定ゲージ』が回復します。このルールで『ブースターゲージ』を回復することは出来ません。
ゲーム時間内で1日が経過毎に、まともな設備で6時間以上の睡眠をとった場合、目覚めのタイミングでGMが指示した(GMからの評価による)個数のダイスを振り、それらの出目の合計の値分だけ、『判定ゲージ』を回復することができます。
このルールを採用していない場合は、『判定ゲージ』が回復する手段は一部の特殊能力しか存在しない為、判定をするかを吟味する必要があります。

GMからの評価「役に立っていなかった」:ダイス0個
GMからの評価「少しだけ役立った」:ダイス1個
GMからの評価「大変活躍していた」:ダイス2個
GMからの評価「状況を激変させる程の活躍」:ダイス3個

◆判定ゲージの回復(負傷型)
採用推奨条件:睡眠型の条件を満たし、睡眠型を採用しなかった場合
負傷ダイスの回復と同じルールで条件します。本来なら負傷ダイスを回復させる分を判定ゲージの回復に割り振ることが可能です。
ルールを追加で覚える必要がないので負傷型の方が推奨です。ですが、睡眠型よりも負傷型の方が回復量が少なくなりがちなので、難易度が上がります。


■ 世界観設定リスト

本ゲームは汎用基本ルールであり、世界観を持っていません。GMはシナリオと共に、シナリオの世界観に沿った世界設定を用意しなければなりません。世界設定を用意する際は、後述のリストを用いると便利です。
世界設定とそれに伴うデータを少し作れば、あなただけのオリジナルTRPGの完成です!

各項目ごとに、世界観に該当する選択肢に幾つでも○を書いたり、該当しない選択肢に打ち消し線を書いたりしてください。また必要があれば〔 〕に記入をしてください。
リストの右半分はほとんど記入箇所になっていますが、量的に記入が大変ならば『オリジナル要素や追加ルール』と『神話』は省略して構いません。

世界観設定リスト

◆左半分の項目
シートの左半分の各項目をちゃんと選択することで、ゲーム全体を包括する雰囲気が形作られます。GMは、PLにどういう意識でセッションに参加してもらいたいかを示しましょう。PLたちとのイメージの共有を手伝ってくれることでしょう。
例えば、ジャンルで『ゴシックホラー』と『ゾンビ』の組み合わせと、『ゴシックホラー』と『コメディー』の組み合わせでは、同じくゴシックホラーを含んではいますが、PLの印象や反応はまったく異なるものとなるでしょう。
特に『道徳観』の項目は、PCの行動の選択肢の指針になりますので、意外と最重要項目とも言えます。

◆右半分の項目
シートの右半分の各項目ほとんど筆記項目であり、完全オリジナルな世界観の場合は、しっかりと作り込もうとするとちょっと大変かもしれません。
『能力』に関してですが、能力No.2と能力No.12は、世界設定に依存する能力です。この2つの能力は世界観設定ごとにGMが能力効果のリストを用意をする必要があります。1から作るのが大変でしたら、こちらで用意したサンプルの能力を流用して名前(フレイバー情報)だけを変えてみたり、組み合わせを弄ったりて、改造してください。
『神話』に関しては、無いよりも存在する方が世界観が骨太になります。特にファンタジー世界ならば、神話を書くことを推奨します。ですが、あまりにも細々と書く必要はまったくありません。

下記の2件は、世界観設定リストの記入例です。

Sample1:ラスト任侠
著者が執筆中の完全オリジナルTRPG『ラスト任侠』の世界を20Dシステム向けにデータ化したものです。詳しい設定は、作品ページでご確認ください。

世界観設定リスト_ラスト任侠

Sample2:キン肉マン
皆が知っているような版権タイトルの二次創作を世界設定として借りる場合は、左半分を省略しても構いません。むしろ省略した方がイメージの齟齬が少なくて良いかもしれません。本家を読んでもらいましょう。
また、主人公たちが普通の人間とは駆け離れた存在の場合は、ルールを大きく手直しして、オリジナル要素(追加ルールや専用データ)を多く自作する必要もあるので、ここには見出し程度だけを書いておいて、その詳細は別紙(や紙の裏)に詳しく書いてください。
なお、神話に関してはこんなに細かく書く必要は全くありません。このサンプルの神話のテキスト量はどうかしています。反面教師です。

世界観設定リストキン肉マン


■ 権利

本ゲームはフリーゲームです。自由に遊んでもらって構いません。
また、フリー素材でもあります。ゲーム製作者は個人商業を問わず、このシステムを下記の条件の範囲内で、自由に利用していただいて構いません。
ただし「作者である九城ツカサは、20Dシステムの権利を放棄してはいません」ということは、ここに明記しておきます。

◆価格
本ゲームはフリーゲームです。無料で遊んで頂くことができます。なので、遠慮なく遊んでくださいね。
また、オリジナルTPRGを作成する際の基本システムとして、無料で流用して頂くこともできます。

◆オリジナルのライセンス表記
下記の2種のどちらかの、作品名・著作者名を表記をしてください。『(C)』の部分は描画環境的に可能ならば『©』を使用してください。
『20Dシステム・(C)九城ツカサ(石造りのヒポグリフ)・2020』
『20D-SYSTEM・(C)Tsukasa Q-joe(Stone Hipogrifo)・2020』
著作者名と併せて、このページのURL、
note.com/stn_hip/n/nf6a238b31111 も表記してください。

◆クリエイティブコモンズに基づく権利主張と使用許可
上記で散々フリーゲームだと言いましたが、完全な意味での『フリー』ではありません。著作権の主張だけはさせて頂いております。
この作品はクリエイティブ・コモンズ・表示 4.0 国際・ライセンスで提供されています。このライセンスのコピーを閲覧するには、http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ を訪問して下さい。

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CC:『使用』『複製』『改変』『拡張』を許可しますが、著作権を放棄してはいません。
BY:「複製物(一次創作物)」は、必ずライセンスを表記してください。
SA:「改変・拡張して作成された作品(二次創作物)」の公開や商用利用も許可しますが、必ず上記のオリジナルのライセンスも併記してください。

▶︎「改変して作成された作品」についての追加要望
「改変した箇所」や「拡張した(新たに加えた)箇所」は、その箇所を明確にしてください。
また、「改変した箇所」については「改変前の状態のテキスト」も何処かに引用してください。

◆利用報告
お手間ならば、報告は不要です。
ですが、事後に感想や激励などをお聞かせいただけると、今後の活動の励みになります。

◆悪意を持った利用等の禁止
九城、もしくは他の誰かを貶める為に、本作を『利用』『引用』『複製』『改変』することは、著作者の権利として硬く禁じます。
本作は見知らぬ誰かを笑顔にする為に存在しています。

◆コピー商品の販売についての罰則(重要)
価格設定を無料としましたが、それには意図があります。ゼロからオリジナルのTRPGを生み出すことは、とても大変です。「それでもオリジナルのTRPGを作りたいと考えているクリエイター」の助けになりたいと考えたから、フリーで基本ルールを公開して流用可としました。創作活動への援助、それが意図です。
その為、『独自の創作性』を加えていない、ただこのシステムを複製しただけのコピー商品を販売・頒布することは、こちらの善意や意図を裏切った行為となります。創造性のないコピー商品の場合は、貴殿の売り上げに関係なく500万円をお支払頂きます。多額のご支援を頂き、ありがとう御座います!!
ここで言う『独自の創作性』とは、「世界観設定シートを記入」「世界観に応じた能力効果リストを追加」「オリジナルの部分ルールを組み込む」などの拡張を指します。20Dシステムを用いれば、オリジナルのゲームが簡単に作れるハズですので、安易なコピー商品に走らず、独自の創作をしましょう。


■ 結び

本ゲームはフリーゲームです。
自由に遊んでもらって構いません。いや、どんどん遊んで欲しいです。
もし、オリジナルの世界観設定とそれに付随する追加ルールをセットで作られた方がいらっしゃいましたら、是非とも教えてください。楽しみにしています!

ある程度の反響があれば、皆様の声をエネルギーにして、今後の新展開を進めていこうと考えています。

今後の展開予定
・オンラインセッションでの運用の仕方(提案)
・世界観設定と付随の追加ルール
・便利な管理シート各種の開発

◆意図
なぜ無料で新作を公開するのか?疑問に思う方もいるでしょう。
これには、「ステイホーム」「レベルアップ」「セルフプロモーション」という3つの意図があります。

ステイホーム:今は外出自粛を要されている時世で、人々が笑えない日々を過ごしています。普段ならコンベンションなどに行きTRPGを楽しんでいた人たちは、TRPGを我慢するか、オンセ(オンラインセッションの略、リモートでのプレイ)をせざるを得ません。オンセはそれに対応したルールは限られ、ルールブック問題などもあり、遊べる状況を整えるのは案外大変です。こんな今だからこそ、オンセに対応し、フリーで公開されているTRPGのシステムの提供が必要だと感じました。「見知らぬ誰かを笑顔にする為」に九城に出来ることがある、という信念で作成したのが『20Dシステム』です。

レベルアップ:クリエーターは作品を完成させることでレベルアップをします。未完成の作品を幾ら作ってもレベル0のままだと考えています。では、完成した作品とはどの段階を指すのでしょうか? ゲームならば、自分と関係ない人が、製作者が直接説明をする必要もなく遊べ、楽しめる状態でしょう。『20Dシステム』は九城ツカサがクリエーターとしてレベルアップする為に作られた習作としての側面もあります。

セルフプロモーション:あけすけに言えば売名です。著者である九城ツカサは『ラスト任侠RPG』というゲームの発行を控えており、その前に、テーブルゲーム愛好家の方々に、九城ツカサのことを知っておいて頂きたいという、プロモーション計画も根底にあります。


◆ 筆者の他の作品

『ラスト任侠RPG』と言います。宜しければこちらもご覧ください。

◆お問い合わせ
制作物へのご要望やご質問、ご感想などがあれば、九城のツイターアカウントへDMをお願い致します!

九城ツカサ(石造りのヒポグリフ) Twitter-ID:@q_tsukasa

『結び』の後も、あとちょっとだけ続くのじゃ。お付き合いください。


謝辞

多くの方に拡散をして貰い、創作のエネルギーを得ています。
拡散にご協力してくださった皆様、ありがとう御座います!
心より感謝を申し上げます。


◆ご支援のお願い

只今、オリジナルTRPG『20Dシステム』は無料公開をしています。
しかし、開発環境の維持には少なくないお金が掛かっています。
お願いが御座います。
お金に余裕のある方だけで構いません。20Dシステムを楽しんだ、もしくは九城の考えに共感した、という方がいらっしゃいましたら、開発継続・開発環境維持の為に、ご厚意の支援を受け付けております。
多少のご支援を頂けますと大変助かり、幸甚に存じます。

下記リンクのページより、ご支援をお受け致しております。
宜しくお願い申し上げます。



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