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IV-II 特殊な行為判定 TRPG『君ヨ、暁ノ大地ニ死スベシ。』

特定のシチュエーションにおいて、特別な効果を求めて行う、特殊な行為判定です。『専門行為』など、判定を行う為には、条件を満たす必要があるものも存在します。

なお、使用頻度が高く、特に重要度が高い判定は、『口上』『交渉』『業物の換装』『治療』『応急手当』『覚悟・祈り』『生死チェック』です。目次の見出しに「★」マークをつけておきましたこれらの判定のルールは、必要な時に滞りなく運用できるように備えておいてください。

特殊な行為判定の概要
口上:様式に則った挨拶で、任侠一家の縄張りに入る為の許可を得る判定
交渉:相手の心を刺激したり、利害を説くなどして、融通を聞いてもらう判定
隠密行動 :周囲に自身の存在を気づかせることなく行動する判定
既成行動 :何らかの行動を、既に済ましていたことにできる判定
超常感知:特殊な知覚によって、普通の人では感知し得ない何かに気付く判定
購入:店から何らかの商品やサービスを得る判定
所持チェック:何らかの物品を都合よく所持していたかを見定める判定
業物の換装: 新たな業物を調達し、今使っている業物と持ち替える判定
改造手術 :体内埋込型の業物を換装したり、修理したりする判定
目星・推理:わずかなヒントから大きなヒントを導き出す判定
治療:本格的な医療を施して、深刻な負傷や状態異常を完全に治す判定
応急手当:患者の容態が急に悪化しない様に、最低限の手当を施する判定
覚悟・祈り:毎日1回限り、命運札を1枚得る判定
悪運チェック:チームの誰が幸運を受けるか不運をかぶるかを見定める判定
生死チェック:致命傷を負った際に、死亡したか生存できたかを見定める判定


★ 口上

様式に則った挨拶で、任侠一家の縄張りに入る為の許可を得る判定です。

この判定は、【巡会】レベルを基準に、スタイルは《任侠》になります。判定に成功すると、任侠一家の縄張りに「問題なく」入ることができます。なお、縄張りは「シマ」とも読み、支配領域のことを指します。

判定の際に、「その縄張りのエリア」と「あなたと任侠一家との関係性」に応じて、目標値に修正を受けます。

重要度と関係性による目標値修正
市街、被災地  :友好的 「−1」、中立 「−2」、敵対的「−3」
ヤミ市、歓楽街 :友好的 「+1」、中立 「±0」、敵対的「−1」
暗黒街、紛争地区:友好的 「±0」、中立 「−1」、敵対的「−2」
任侠一家の屋敷 :友好的 「+2」、中立 「−1」、敵対的「−4」
重要なエリア  :友好的 「-2」、中立 「−4」、敵対的「−6」
※ 紹介状や口利きを得ている場合:上記の修正に、さらに「±0 〜 +2」の修正が加わります。具体的な点数は「誰の紹介に依るか」に基づいてGMが判断します。紹介者が縄張りの一家から信用を得ていない人物だった場合、この修正は「±0」もしくはマイナスとなってしまいます。

● エリア
一家の縄張りは、いろいろなエリアに存在し、エリアごとに特色(一般人にとっての治安、そこに居る人々の営み、任侠一家同士の中立性や抗争状況、一般人とスジ者の人口バランス などの差)があります。
それぞれのエリアの概要は、下記を参照してください。

▼ 治安レベル:健全
市街:一般人の住居が集まるエリアです。とは言え、今は政府の力が弱い時期であり、治安が最高に良いとは言い切れません。エリア内での貧富の差は大きく、富裕な家もあれば、一部にはスラムと化している箇所もあります。商店なども存在しますが、正規の価格で、本物を扱っています。当然、貧しい民に手を出せる代物ではありません。公権力や駐屯兵などが巡回している為、スジ者(任侠やヤクザやチンピラ)にとっては、生き辛いエリアでもあります。市街が任侠一家の縄張りとなることは無いことも無いのですが、稀です。
治安レベル:やや悪い
ヤミ市:政府未認可のモグリの商店が立ち並ぶ商店エリアです。中立地帯であり、一般人もスジ者も均等に存在しています。正規ルートの品を買うことができない貧しい一般人たちの生命線です。エリア単位で、どこかの一家の縄張りとなっており、その一家が外敵から守っています。モグリの商店を取り締まりに来る政府や公権力に対しては、門を閉ざすこともありますが、相手がヤクザであろうと大人しくしている分には、客として分け隔てなく門が解放されています。
治安レベル:かなり悪い
被災地:戦火によって吹き飛ばされた市街地の跡とガレキの山、わずかに残った家屋、そして火事場泥棒に集まった密入国者や犯罪者たちの集落。治安はかなり悪いエリアですが、公権力や駐屯兵などが巡回しており、意外とスジ者の居場所は少ないです。一家にとって、縄張りとしての旨味はありません。ですが、将来的な復興を見通して青田買い的に縄張りとしている場合もあり得ます。
歓楽街:主に酒呑屋や風俗店が多く立ち並ぶ商店エリアです。政府の認可を得ている店も存在しますが、多くは正式な認可のない店で、袖の下によって営業を黙認してもらっている状況です。エリア単位の縄張りではなく、店舗単位や建物単位での縄張りがひしめき合っており、複数の一家の小規模な縄張りが混在しています。一応は中立地帯ではあるのですが、当然、小競り合いも多く、一般人が夜ここに立ち入る場合は、小競り合いに巻き込まれたり、カモにされるリスクが伴います。
治安レベル:無法
暗黒街:正真正銘の無法地帯です。歓楽街とスラムが融合したようなエリアです。一般人がここに踏み込むのは、死を覚悟する必要があります。エリア単位の縄張りではなく、店舗単位や建物単位での縄張りがひしめき合っており、複数の一家の小規模な縄張りが混在しています。そのぞれの一家が街の権益を主張し合っており、けして中立地帯などではありません。
紛争地区:その時々によって、どの一家の縄張りかは変動しています。つまり奪い合いをしています。スジ者同士の抗争で荒れ果てており、まともな商店などは存在しません。一般人と呼べる者は、わずかなスラムにわずかな住人がいるだけです。あとはこの地で戦闘を繰り広げているスジ者がいるだけで、もはや政府も諦めて介入してきません。常に、エリアのそこかしこで戦闘が勃発しています。紛争を行なっている一家のセーフハウスが何処かにあるハズです。自分の後援をしてくれている一家のセーフハウスの場所を知らないのなら、例えスジ者であっても命の保証がないので、このエリアに立ち入るべきではありません。
治安レベル:任侠一家の聖域
任侠一家の屋敷:ここら一帯を治めている任侠一家の本拠地です。豪華な屋敷で親分の邸宅を兼ねている場合が多く、警備役の子分らも寝泊まりしています。規模の小さな一家の場合は、雑居ビルの一室で事務機能しか持たないものも存在しますが、それは「屋敷」とは呼ばず、単純に「事務所」と呼ばれます。
重要なエリア:その一家にとって、屋敷や事務所以上に重要な場所です。それが何かはGMが判断してください。(例えば、先代の所縁の地、親分の娘が通う学校 など)警備は非常に厳重で、何者であっても不用意に踏み込むと襲われます。

● 口上判定の失敗
口上判定に失敗した場合は、あなたと任侠一家の関係性に応じて、次の反応が返ってきます。

口上判定に失敗したときの反応
・友好的な任侠一家ならば、最悪の事態にはなりませんが、今は大人しい態度でいることが望まれます。なお、屋敷や重要なエリアからは退去を願われます。
・良くも悪くもこれといった縁のない任侠一家ならば、あなたは無作法者と見做され、関係が悪くなります。もし、さらにあなたが礼を失した態度を取り続ければ、あなた方一行のことを敵だと判断して攻撃をしてくるかもしれません。
・敵対的な任侠一家ならば、問答無用で即座に襲い掛かってきます。

● 口上判定の重要性
政府の力が弱い地域(まあ、旭日國のほとんどですが)の「人が住んでいる場所」や「商いがある場所」は、必ず、どこかの任侠一家の縄張りだと思ってください。新しいエリアに渡るときは、別の任侠一家の縄張りに踏み込む可能性があり、その際には迅速に口上を行わないと、いらぬトラブルが発生してしまいます。

もし、口上を行わずに強引な侵入を試みた場合や、それと気付かずに縄張りに入ってしまった場合は、その場にいる任侠全てがあなた方一行の敵となります。見付かったら、数にモノを言わせて間違いなく捕まり、相当酷い目に会います。任侠社会において挨拶はとても大切であり、命懸けの作法なのです。


 交渉

相手の心を刺激したり、利害を説くなどして、融通を聞いてもらう判定です。

相手に言葉が通じれば、誰が相手でも行える行為です。
この判定は、【廻逢】レベルを基準に、スタイルは「相手への交渉のアプローチの仕方」によります。判定に成功すると、相手に常識の範囲内のお願いを聞いてもらうことができます。

スタイルに応じたアプローチの仕方
『信用』 :公的な立場を明かして、相手の警戒心を解く。
『仁義』 :義侠心や義理といったシガラミで相手の自発的な行動を促す。
『世渡り』:お互いの利害を解いたり、便宜を図り、儲け心や下心を刺激する。
『信仰』 :神仏の教えを引用したり、信心に訴えることで、相手を動かす。

● TRPGにおける交渉事の大原則
TRPGにおける交渉事とは、原則として「PCとNPCの間」で行われます。プレイヤー自身の交渉技術でGMを論破しようとしないでください。「プレイヤーの性能 ≠ PCの性能」なのですから、ちゃんとサイコロを振って、PCの性能に基づいた判定をしてください。なお、判定の目標値にプラス修正を得ることを目的に、プレイヤーが頭を使って上手いアイディアを提案したり適切なフラグを立てることは、歓迎します。なお、セリフの上手さ(キャラプレイ)ではフラグは立ちません。
もしPCの交渉性能が低いのならば、そのキャラクターはそういう役回りなのです。諦めてください。それでも尚 強引に、PCの交渉性能の低さをプレイヤー自身の能力で底上げしようするプレイヤーは、戦闘時、リアルに完全武装したGMにブン殴られても文句を言えませんよ?という理屈が成り立ってしまいます。

● 友好度(NPCの態度)
それぞれのNPCの「PCに対する態度」には、『友好度』というパロメータが存在します。友好度は『献身的愛情』『友好』『お気に入り』『中立』『献身的』『敵対』『憎悪』の7段階で表されます。NPCの友好度の初期状態は、下記に基づいてGMが判断します。その後は、PCとの関わりによって変化していきます。
PCと初対面のスジ者のPCへの態度は、基本的に初期状態は『警戒的』です。ただし、お互いの背景組織同士の関係が良好だったり、険悪だったりする場合は、背景組織同士の関係に準じます。なお、初対面の一般人は基本的に『中立』で、自身のトループ(手下)は『忠義(献身的愛情と同じ)』です。

友好度による交渉の難易度
『献身的愛情』:判定不要。自動成功。死を要求されれば自害します。
『友好』   : 「+2」
『お気に入り』: 「+1」
『中立』   : 「±0」
『警戒的』  : 「−1」
『敵対』   : 「−2」
『憎悪』   :判定不要。自動失敗。交渉しても新たな火種を生むだけです。

● 高圧的な交渉
『高圧的な交渉』とは、暴力や権力や社会的報復を匂わす(もしくは行使する)ことで、相手を精神的に追い詰めて、要求を飲ませる専門行為の交渉術です。
具体例をあげると、「相手の胸ぐらを掴む」「睨みを効かせる」「刃物や銃を突き付ける」「殴る蹴る」など、暴力に訴えるパターンや、「自分のバックにいる犯罪組織の威を借りる」「相手の弱みに漬け込んで揺さぶる」など、脅迫をするパターンが、高圧的な交渉に相当します。要するに「攻撃的肉体言語」のことです。
【ゴロ】のスタイルで『決斗』を得意分野としている者は、専門行為として『高圧的な交渉』が可能です。抵抗判定の基準は【体躯】の『気合』です。
高圧的な交渉をした場合、どんなに相手の友好度が高くても、自動成功したり、目標値にプラス修正を得ることはありません。また、友好度が低い相手の場合は、マイナス修正が3倍になります。
判定終了後、判定に成功すると、友好度が2段階低下します。判定に失敗しても、友好度が1段階低下します。


■ 隠密行動

周囲に自身の存在を気づかせることなく行動する判定です。

得意分野に《俊敏》を持つ者かだけが、行える専門行為です。
何らかの行為を行う際に、その行為を周囲に悟られたくない場合、見張り(もしくは周囲の人)と対抗判定を行って、これから行う1つの行為を隠蔽することが出来ます。
隠密行動は、【体躯】レベルを基準に、スタイルは《俊敏》になります。見張りは役は【体躯】《心眼》で対抗判定を行います。見張り役との対抗判定に勝利すると、この判定の直後に行う行為を感知されなくなります。

見張りの存在による目標値への修正
見張り役の待ち受け状況に応じて、隠密行動の判定は目標値に修正を受けます。複数該当する場合は累積します。
 見張り以外の人の目がある:「−1」 ※通行人の存在や素人の見張り
 見張りが不在      :「±0」
 当番制の見張り     :「−2」 ※見張りが疲労していない状態の場合。
 見張りが疲れている   :「−1」
 櫓からの見張り     :「−1」 ※櫓とは要するに見通しの良い場所
 訓練された番犬     :「−2」 ※訓練されていない場合は「-1」
 監視カメラ       :「−1」 ※まだ珍しい設備で精度も低いです。
 物影(死角)がない   :「−2」 ※物影はあるが少ない場合は「-1」
 見張りの正確な状況を把握:「+1」


■ 既成行動

何らかの行動を、既に済ましていたことにできる判定です。

【渡世】の超人だけが、行える専門行為です。
【渡世】に関する何らかの行為を、既に行っていたということに出来ます。隠密行動は、【体躯】レベルを基準に、スタイルは《俊敏》になります。判定に成功すると、この判定の直後に行う行為を既に行っていたことにできます。

 超常感知

特殊な知覚によって、普通の人では感知し得ない何かに気付く判定です。

得意分野に《感知》を持つ者か、【体躯】のレベルが5未満の者だけが、コストとして覚醒札を1〜2枚破棄することで行える専門行為です。
この判定は、【体躯】レベルを基準に、スタイルは《感知》になります。判定に成功すると、特殊な感覚器官によって、普通の人間では知覚できない何かに気付くことができます。(多くの場合は、プレイヤーから自発的に使うことよりGM から指示されて使うことでしょう)

● 超常的な感知能力の発現
具体的には下記のような感覚器官が発現します。1〜2個を選択して獲得し、『高天力』の欄に記入してください。この感知能力は、高天力の1種として扱われますす。(ですが、獲得しても命運点は減少しません)
発現する感知能力の個数は、得意分野に《感知》を持つのなら場合は1個。【体躯】のレベルが5未満の場合は1個。両方の条件を満たす場合は2個です。

伏兵看破』:殺気を持つ者や潜んでいる敵の存在を見破ります。
暗視』  :素早く暗闇に順応し、ごく僅かな光で闇の中で視覚が機能します。
赤外線視』:ピット器官。視覚のように温度差を見ることが可能です。
反響定位』:反響音によって物体の位置を見ること可能。障害物を透視します。
動物感応』:人語を解さない動物と対話することが可能です。
霊感』  :霊体を見たり、霊的存在がたてる音や声を聞くことが可能です。
霊干渉』 :霊的存在と触れ合うことや、霊的存在への攻撃が可能です。

『伏兵看破』(ブレイク・アンブッシュ)
コストは覚醒札1枚。タイミング:リアクション。
判定に成功すると、あなたの命を狙う敵や殺気を持つ者が周囲にいれば、その存在を認識することができ、相手の先制攻撃を未然に無効化します。
追加のコストとしてさらに覚醒札1枚を破棄すると、相手の【体躯】《俊敏》と対抗判定をすることができます。対抗判定は【渡世】レベルを基準に、スタイルは《世渡り》になります。それに勝利すると、相手の術中に引っかかったフリをして相手を無警戒のまま誘い出し、逆に相手へ先制攻撃を仕掛けることも可能になります。

『暗視』(ナイトヴィジョン)
コストは覚醒札1枚。目標値に「±0」の修正。
素早く暗闇に順応し、ごく僅かな光さえれば闇の中でも視覚が機能します。判定に成功すると、陽の下のように夜や暗所でも視覚に頼ることが可能で、闇に潜む相手を知覚できます。

『赤外線視』(サーモグラフィ)
コストは覚醒札1枚。目標値に「−1」の修正。
「ピット感覚」とも呼ばれる特殊感知能力です。判定に成功すると、視覚のように温度差を見ることが可能で、闇や遮蔽物に潜む生物を知覚できます。

『反響定位』(エコーロケーション)
コストは覚醒札1枚。目標値に 「−2」の修正。
「ソナー感覚」とも呼ばれる特殊感知能力です。判定に成功すると、鋭い聴覚で反響音を捉え、まるで透視したかのように、周囲に存在する物体を、障害物を無視して視覚映像として認識することができます。

『動物感応』(アニマル・シンパシィ)
コストは覚醒札1枚。対象が、人語を解さない動物なら目標値に「−2」の修正、知能が高いか人間に慣れた動物なら「−1」、原生生物や虫や植物など精神構造が異なる相手なら「−3」の修正を受けます。
動植物との精神的な対話能力です。判定に成功すると、動物と意思疎通が可能です。ただし、相手の知能で理解できないような高度な反応は返ってきません。

『霊感』(センス・スピリチュアル)
コストは覚醒札1枚。目標値に「−1」の修正。
いわゆる「オカルト(心霊)感知」のことです。判定に成功すると、霊体を目視したり、霊的存在が立てる物音や声を聞くことができます。

『霊干渉』(タッチ・スピリチュアル)
コストは覚醒札2枚。目標値に「−3」の修正。
いわゆる「霊媒体質」のことです。判定に成功すると、霊的存在と接触(触れる、攻撃)することができます。戦闘時なら、効果は戦闘終了まで継続します。


■ 購入

店から何らかの商品やサービスを得る判定です。

本ゲームでは、キャラクターの所持金の細かい管理は省略します。この判定に成功すれば、「取引相手との接触」と「購入に必要なお金」が揃っていたことになりますし、失敗すれば、「取引が破談になった」か「今は手持ちが足りなかった」ということになります。
まず大前提として、この世界は物資が壊滅的に不足している為、本来5,000円相当の商品を普通に5,000円で売ってもらえるとは限りません。買い手が一見(いちげん)だったり、売り手に舐められていれば、高く吹っ掛けられるのは当たり前ですし、売る品が枯渇していたり、常連の先約を優先されて売ってもらえないかもしれません。ちょっとした買い物にも、買い手と売り手の関係性や信用が影響したり、価格交渉が必要だったりします。単純に買い手の所持金の懐具合だけの問題ではありません。様々な要因が関わってくる為、買い物の度に1つ1つの要因を処理していては時間が掛かり過ぎてしまい、セッションの進行が滞ってしまいます。このような事態を避ける為、買い物にまつわる諸々の処理を1つにまとめて簡略化したものが『購入判定』です。
まずは、購入を望む商品やサービスを宣言します。次いで、判定を行ます。この判定は、【渡世】レベルを基準に、スタイルは《ヤミ市》になります。判定に成功すると、予め宣言していた「望む商品やサービス」を得ることできます。

判定の際、「望む商品やサービス」の品質や価格帯や今の財布の減り具合に応じた修正を目標値に受けます。複数該当する場合は修正を累積してください。

財布の中が減っている:「−1×購入をした回数」(このセッションの間に、既に1回以上、購入の判定を行っている場合、持ち金が減っているでしょう)
真っ当な正規品: 「−1」
正規品にかなり近い紛い物: 「±0」
ヒドい紛い物:「+1」
友好度が献身的愛情:「+2」
友好度がプラス:「+1」
友好度が中立: 「±0」
友好度がマイナス:「-1」
友好度が憎悪:「-2」
現在の日本の貨幣価値で1千以内: 「+1」
現在の日本の貨幣価値で3千以内:「±0」
現在の日本の貨幣価値で3千〜1万円:「−1」
現在の日本の貨幣価値で1万〜2千円: 「−2」
現在の日本の貨幣価値で2万〜5万円: 「−4」
現在の日本の貨幣価値で5万〜10万円: 「−6」
現在の日本の貨幣価値で10万円以上: 「−8以上」


■ 所持チェック

何らかの物品を都合良く所持していたかを見定める判定です

本ゲームには、キャラクター細かい所持品を記入する欄はなく、業物以外の所持品の管理は省略します。この判定に成功すれば、必要な品を所持していたことになりますし、失敗すれば、持ち合わせていなかったことになります。
よくあるゲームでは、必要になるであろう品(たいまつやロープなど)を予測して、セッションの開始前に予めキャラクターに持たせておきますが、本ゲームでは、予め持たせる必要はありません。必要な品を都合良く所有していたかを、その都度判定します。
なお、明らかにその物品は所持ていていない、とGMが判断した場合は、サイコロを振るまでもなく、所持チェックは却下されます。また、おそらく所持しているだろう物品で、セッションの展開に影響しない物ならば、自由に所持しているものとして扱って構いません。あと、セッション中に得た(もしくは得るべき)イベントアイテムの類はGMが管理し、所持の有無を判断してください、

セッション中の演出や貴重さによる目標値修正(複数該当数場合は累積します)
・その物品を使っている演出が既にあった。「+1」
・その物品を持っていそうな演出があった。「+1」
・その物品は大半の人が持ち歩いている 「±0」
・所有していても、あまり持ち歩かない「−1」
・そこそこ珍しい物品「−1」
・そこそこ高価な物品「−1」
・大変珍しい物品「−2」
・非常に高価な物品「−2」

● 不所持な物品の買い直し
なお、所持チェックに失敗した物品に対して、購入判定を挑むことは、本来出来ません。しかし、【渡世】の超人ならば可能です。
逆に、購入判定に失敗した物品に対して、所持チェックを挑むことは【渡世】の超人にも不可能です。(そもそも所持していないから購入を試みたはずだからです)

 業物の換装

新たな業物を調達し、今使っている業物と持ち替える判定です。

1セッションにつき1回だけ可能です。
まずは、自分が持っている業物の中から「交換を望む業物」をいくつか指定して宣言します。次いで、判定を行ます。この判定は、【渡世】レベルを基準に、スタイルは《ヤミ市》になります。判定に成功すると、予め指定していた「交換を望む業物」を、別の能力に対応した業物に交換できます。
判定の際、「交換を望む業物」1品につき、目標値に「−1」の修正を受けます。

■ 改造手術

体内埋込型の業物を換装したり、修理したりする判定です。

1セッションにつき1回だけ可能です。
サイボーグ用の換装と治療です。得意分野が特殊スタイル《サイバネ》を選択している者だけが行える専門行為です。この判定は、一部違いはありますが、基本的には、前述の『業物の換装』と、後述の『治療』と同じ処理です。ただ、この判定は、【渡世】レベルを基準に、スタイルは《サイバネ》になります。
通常の『業物の換装』との違いは「換装前もしくは換装後の業物が『体内埋込型』」だという点と「判定の基準」と「目標値に与える修正の値」です。判定の際、「交換を望む業物」1品につき、目標値に「−2」の修正を受けます。
通常の『治療』との違いは「患者が『体内埋込型』の業物の所有者である」という点と「判定の基準」です。


■ 目星・推理

わずかなヒントから大きなヒントを導き出す判定です。

得意分野に《聡明》を持つ者だけが行える専門行為で、1セッションにつき1回だけ可能です。
セッションを通してキャクターが得たヒントをGMに伝えて、判定を行います。この判定は、【渡世】レベルを基準に、スタイルは《聡明》になります。判定に成功するとその達成度(目標値と出目の合計の差分値)の高さに応じて、より重要なヒントがGMから与えられます。セッションの終盤なら、もしかしたら真相そのものが与えられるかもしれませあん。
GMから与えられるヒントは、演出上「判定に成功したキャラクターが思い付いた(発見した)」として扱われます。
例えば、いつも時間に正確な汽車がその日に限って到着が2分遅れてしたとします。この出来事をヒントとして、無関係と思われる昨晩の殺人事件の犯人の特徴を知ることは、中間の情報が少なすぎる為、普通は不可能です。しかし、『目星・推理』の判定に成功すれば、超常的な勘や膨大な計算によって解ってしまうのです。

判定の際に、「伝えたヒント」から「与えられるヒント」へ辿り着く為に、本来なら「その過程で必要だったヒント」を何段階飛ばしたのかに応じて、答えを導き出すのに必要な『達成度』が変化します。。
元々「伝えたヒント」の次に「与えられるヒント」へ辿り着く予定だったのならば、必要な『達成度』は「0」で済みます。必要だったヒントを飛ばしていて、それが1段階ならば「1」、2段階なら「2」、3段階なら「4」、4段階なら「6」の達成度が必要になります。それ以降は、段階1つ増える毎に、さらに必要な達成度が「+4」づつ加算されます。
なお、先の例文にある、汽車の遅延から犯人の特徴を割り出す場合ですが、仮に5段階のヒントの存在を飛ばしているとしましょう。この場合、必要な達成度は「10」だったことになります。目標値のブーストの為に、かなりの覚醒ポイントを消費していたことが予想されます。
達成度が足りなかった場合、本来得られるはずだった答えより、ちょっと真相から遠い答えが与えられます。ただし、GMの判断によっては、「何もわからなかった」や「まったく間違った答えにたどり着いてしまった」ということにしても構いません。

プレイヤーは判定の前に、何についてのヒントが欲しいのかを、GMにリクエストすることが可能です。GMはリクエストの内容を判断して、さらに目標値に不利な修正を加えても構いません。また、セッションが崩壊する危険があると判断した場合は、リクエストを却下して別のヒントを与えてください。


 治療

本格的な医療を施して、深刻な負傷や状態異常を完全に治す判定です。

この判定は【渡世】レベルが基準です。もし医者に頼んで受診するのなら、スタイルは《ヤミ市》になります。PCが治療を行う場合は専門行為であり、スタイルは《医術》になります。
患者が負っているダメージカードのランクに応じたマイナス修正を目標値へ受けます。目標値修正は、「 -[ダメージランク] 」です。

判定に成功すると、即座に、患者の症状が『重体』から脱して『重傷(時間経過による追加の生死判定が発生しない状態)』になります。患者はダメージカードを裏返してください。
命運札を回復させる為には、回復期間として半日~1週間ぐらいの間、入院もしくは安静を必要とします。回復期間はGMが決めてください。おとなしく養生していれば、回復期間が経過した際に、ダメージカードを破棄して、手元の命運札の枚数が命運点の値と同数になるまで得ることができます。


 応急手当

患者の容態が急に悪化しない様に、最低限の手当を施する判定です。

得意分野に《風来》を持つ者だけが行える専門行為です。
この判定は、【渡世】レベルを基準に、スタイルは《風来》になります。判定に成功すると、患者の症状が『重体』から脱し『重傷(時間経過による追加の生死判定が発生しない状態)』になります。患者はダメージカードを裏返してください。

応急手当の回数制限
平時:1日1回しか受けることができません。応急手当を施す側には回数制限はありませんが、患者1人につき15分ほどの時間が必要です。
戦闘中:回数制限はなく、何度でも応急手当を受けることができます。施す側も回数制限はありませんが、応急手当を行う為には、1メジャーアクションとして行動をする必要があります。


 覚悟・祈り

毎日1回限り、命運札を1枚得る判定です。

ゲーム内時間で1日につき1回だけ可能です。
演出には2パターンあります。「死ぬ覚悟を決めることで、より強い力を引き出す」演出と、「神仏に祈りを捧げることで、加護を得る」演出です。どちらか、自分のPCにふさわしい方を選択してください。
この判定は【廻逢】レベルを基準に、スタイルは《信仰》になります。
判定に成功すると、命運札を1枚得ます。ただし、命運札は『命運点』を超過して得ることは出来ません。その場合、命運札の代わりに覚醒札を1枚を得ます。


■ 悪運チェック

チームの誰が幸運を受けるか不運をかぶるかを見定める判定です。

もし「チームの誰かに幸運が訪れる状況」、または逆に「チームの誰かが不幸に見舞われる状況」だとGMが判断したら場合、すべてのプレイヤーに悪運チェックを行うように指示してください。悪運チェックは受動的な判定であり、プレイヤーが自発的に宣言して行われることはありません。
この判定は、【廻逢】レベルを基準に、スタイルは《信仰》になります。また、サポーターの助けを受けることは出来ません。
判定の要因が幸運ならば、達成度がもっとも高かったPCに幸運が訪れ、要因が不運ならば、もっとも結果が芳しくなかったPCが不幸に見舞われます。


 生死チェック

重体の状態から症状が悪化した際に、死なずに生存を続ける判定です。

次のいずれかの条件を満たす度に、生死チェックをしなければなりません。生死チェックに失敗すると、そのキャラクターは即座に(もしくは指定のタイミングで)死亡します。

生死チェックのタイミング
・攻撃を受けた際に、失う生命札が足りなかった場合。
・『重体(ダメージカードを負っているのに、応急手当ても治療も受けていない状態)』のまま、日付が変わった場合。
・『重体』で、ダメージカードに記されている「追加の生死チェックのタイミング」を満たした場合。

生死チェックは特殊な行為判定です。この判定の基準は、ダメージの種類によって異なります。『殺傷ダメージ』の場合は、能力のレベルではなく『命運点』を用います。『不殺ダメージ』の場合は、【体躯】を用います。どちらの種類のダメージでも、スタイル《気合》が得意分野ならゾロ目の効果を適用できます。また、普通の行為判定と同じように、覚醒札を消費して『ブースト』を適用することも可能です。

ダメージの種類による判定の基準
殺傷ダメージ:基準は能力値ではなく『命運点』です。【体躯】の《気合》が得意分野の場合は、ゾロ目効果を得ることが出来ます。
不殺ダメージ:【体躯】を基準に、スタイルは《気合》です。




本作の著作権を放棄していません。無断での転載、複製、配布等を禁止します。
(C) 九城ツカサ / 石造りのヒポグリフ


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