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第4回:『シティーハンター』の考察の様な何か

■ 『西岡忠』という人物

西岡忠(にしおか ただし)とは、『シティーハンター』作中の人物であり、知る人ぞ知る存在です。

原作中、名前が僅か数回出てくるだけで、ハッキリとは姿が描かれていない謎多き人物。
彼について明言されている説明は下記の2点のみ。

・関東一円を支配している暴力団『西岡会』のドン。
・国際麻薬組織『ユニオン・テオーペ』に命を狙われている。

西岡忠は、ユニオンの日本での活動の障害であったり、槇村秀幸の死の遠因であったり、原作序盤の物語展開において割と重要なポジションで関わっている人物です。
しかし、物語上での重要な役回りにも関わらず、何故か直接描写がなく、原作ファンですらその存在を忘れ去っている(もしくは認識されていない)不遇なキャラクターでもあります。

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出典:北条司『シティーハンター』JC第1巻(集英社)より引用


物語中盤に向けてノワール色が抑えめになり、ハートウォーミングな展開が多くなると、名前すら登場しなくなります。少年誌が故のテコ入れによる路線変更で、暴力団関係の恐ろしげな描写はオミットされたのでしょうか?
それについては私の勝手な解釈ですが、物語が序盤から中盤に移る頃に、おそらく幕裏でユニオンによってヒット(暗殺)されたと考察するのが、自然かと思われます。(ヒットされたという描写や説明は作中にありませんが、ユニオンが関東で勢力を伸ばしている事実が、考察の裏付けとなります。)

余談ですが、シティーハンター全エピソードを、序盤、中盤、終盤、結幕 の4つに区切ることが可能で、それは作中のヤクザ(暴力団)の扱いで判断できます。

序盤:ヤクザは組織的な暴力の専門家であり、脅威的な戦力として描かれます。リョウたちでもそれなりに警戒する存在です。(当然負けませんが)
中盤:ヤクザの脅威度はリョウたちよりも明らかに格下で、コメディーリリーフとしての愉快な立ち回り演じさせられています。
終盤:リョウたちと比較したら、ヤクザなど一般市民と大差ない存在です。コメディーリリーフとして滑稽に描かれることも減り、空気と化します。
結幕:ユニオン関係やリョウの前歴が物語の主題であり、ヤクザの出番など、もはやありません。


■ 『西岡忠』という可能性

表舞台に一切出ることなく、シティーハンター序盤の世界を暗躍した男、それが西岡忠です。

もし西岡忠が、
「表舞台に出ていたら?」
「姿形が描写されていたら?」
 物語にどう影響したか、興味が尽きません。

もしアニメだったら、金曜ロードショーのTVSPぐらいの規模のお話が描けそうなネタだと思います。
ひと目に触れずに忘れ去られるには惜しい存在です。

例えば、『キングダム』の主人公である李信は、当時の秦国において重要な人物であったにも関わらず、史実には記載がごく僅かしかありません。
その為、史実に描写がないのを良いことに、『キングダム』の作者によって、多くの設定が盛り込まれ、とてもオリジナリティ溢れた魅力的なキャラクター「スーパー李信」として造形されました。

IFストーリーを妄想する上で「描写が極端に少ない」というのは、どんな設定も受け止めてくれる可能性を秘めており、味付けの仕方次第で大きな魅力にすらなり得るのです。
西岡忠にも、李信に負けない可能性が詰まっているように思いませんか?


■ 『新宿スイーパーXYZ』の告知

原作で描かれなかった西岡忠の暗躍を、ファンが好き勝手に妄想したのが、シティーハンターライクTRPG『#新宿スイーパーXYZ』のシナリオです。
『新宿スイーパーXYZ』での西岡忠は、『キングダム』における李信のように、自由に設定を盛り込みまくりです。

設定を盛られまくったスーパー西岡忠は、強大なラスボスとして表舞台で直接暴れるのか!?
そもそも、西岡忠とはどんな男だったのか!?
シティーハンターであるリョウや、PCたちにどう関わるのか!?

その目撃者になるチャンスです。
新宿スイーパーXYZでは、オンセを実施しております。
只今、PL募集中です。気軽にご参加ください。




★シティーハンターライクTRPG『20D:新宿スイーパーXYZ』。現在、無料公開中です。


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