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サマーソニック2023の記録(1日目編) 〜幕張がイギリスと化した日〜

俺はこの地に戻ってきた…


6年ぶりにサマソニに参戦してきました!!
思い出綴っていくよ。まずは1日目。


朝の新幹線に乗り東京へ、そこから京葉線に乗ったのだが、朝10時でもうすでに激混み。まあどうせ舞浜でディズニー客が降りるやろ、なんて思ってたけど全然降りない。むしろどんどん乗ってくる。田舎者に満員電車はなかなかきつかった…


そして幕張に到着、すでに激暑い!!

今年のサマソニは本当に戦場という比喩が比喩にならないレベルで過酷でした。
来年から秋にしません?オータムソニック。


というわけで見たアーティストの感想書いていきますよ。


落日飛車 SUNTET ROLLERCOASTER

台湾のバンド、落日飛車から今年のサマソニをはじめます。メッセ、最高に涼しい。そんな涼しい空間にめちゃくちゃ合う音楽でした。

開演ギリギリまでメンバーが自ら入念にサウンドチェック。キーボード2台にサックスなんかもステージに。

開演するとそこは外の暑さを完全に忘れられる心地いい空間に。VJの演出も素晴らしかった。日の出、水中の映像などなど、楽曲にマッチした映像をバックに、安定感抜群の演奏を見せてくれる。妙にチープな画質のイルカが雑に増えたり減ったりするVJは笑ったけど。

MCは英語だったけど、時折日本語も交えてくれる。
「こんにちわ、トウキョー!!」
「アリガトウゴザイマス!」
「Next song is... ヤバイ、サイコウ、イイネ!」

"My Jinji"がハイライト。長い長いアウトロが轟音、優しい轟音で鳴らされる。情熱的にサックスを吹き鳴らす上手側の兄さんがめちゃくちゃかっこよかった。ギター、キーボードも兼任していた。他の曲でも金管楽器のソロを担当していたけど、ソロが終わるたびドヤ顔をキメていたのがよかった。
丸顔で人の良さそうなギターボーカルもブルージーなソロを顔で弾き倒す。ドラマー、ベース、下手のキーボーディストはあくまでクールに、かつ内に秘めた炎を静かに燃やしながら演奏。

ラストの"Candlelight"がこれまた最高。体全体に染み渡るAORサウンド、そして大サビに突入とともにバンドロゴがスクリーンに映し出される、ベタではあるけど最高の演出!!素晴らしかった!!大歓声だった。

「良い週末、良いフェスを!Bye!!」と言い残しクールに去っていったメンバー。最高のフェススタートでした。
周りのお客さんから漏れ聞こえてくる声から察するに、台湾から参戦したんだろうなって人が沢山いたようだ。台湾の音楽ファンは熱い。
Elephant GymやFire Ex.、そして落日飛車と台湾のバンドは粒揃いだなと思う。彼らを一挙に日本で見れるイベントとかやってくれないかなぁ。


Two Door Cinema Club

もう、楽しすぎて涙が出た。彼らのライブが楽しいなんてのはもうすでに十分知っていたけど、期待を超える素晴らしさ。

とにかく暑くて死にそうだったけど、彼らのライブをスタンドでのんびり見るなんてできない!と思い、決死の覚悟でスタンディングエリアへ。

"This Is The Life"で開幕。メタルかよって思うほど音数の多いサムのギタープレイが最高。
そして、アウトロを引き延ばしたかと思うと、鳴り響くあのコーラス。
「アッ、オッ、アアオッ」
そう!!必殺の"I Can Talk"だ。この時点でテンションメーターは200パーセントだ。みんな炎天下の中狂ったように踊っていた。この曲の"必殺"感、なんなんだろう。嫌でも体が動き出す。

アレックスはこんな暑い中スーツを着込んでいた。死ぬぞ!!
(実際後半は顔真っ赤だった)

"Are We Ready?(Wreck)"のあとはまたもやキラーチューン、"Undercover Martyn"!!一時期太っちょの男の乳を叩くミーム動画がバズったこの曲も、フロアへの起爆剤としての能力が高すぎる。僕の周りにはギターリフも歌えちゃうくらい熱心なファンが集まっていて、最高だった。

新譜からは"Wonderful Life"。これぞTDCCなポップなメロディがたまらない(ちなみに新譜からはこれだけだった。"Lucky"とかやってくれたらよかったのに)。

そしてベースのケビンの「次は古い曲をやるよ」というMCからの…
なんとここて代表曲"What You Know"!!もう来てしまった!!
フロアの盛り上がり具合、すごかった。みんな超笑顔だ。みんな飛び跳ねまくりだ。僕も人生で1番ってくらい飛んだ。10年代のロック史に残るであろう凄まじい名曲。最高だ!!

今回、ドラマーはいつものBenではない、違う方だったのだが、見た目はBenそっくり。息子?ってくらい。

サムが「ワ〜オ…」って漏らすくらいの大入り満員、盛り上がり具合だった今回のライブ。"SUN"を披露した頃には「ああ、そろそろ終わりなんだな…」なんて思ってしまうくらい楽しい時間は"Sleep Alone"からの"Something Good Can Work"でフィニッシュ。これまた素晴らしい曲だ。とにかく、サムの弾くリードフレーズが心地良い。どの曲もセンス抜群のリフがあるのだ。もっともっと評価されて然るべきギタリストだと思う。

終演後は「楽しかったー!」の声が飛び交っていた。みんなみんな笑顔。青空の下、TDCCの音楽で踊り狂うの最高に夏。だが終わった後、ライブ中は死ぬ気で無視していた暑さが襲ってきて、踊り狂った疲労も相まって流石に倒れそうになった。慌ててポカリを買い求め、飲み干す。助かった。ありがとう大塚製薬。

マリンステージの外周にはホースで放水しているスタッフがいた。あれはありがたいし、なんだかアトラクション的でテンションが上がっていい。スプラッシュマウンテン的なね。放水を直接浴びせてもらってる人もいた。


Cornerius

涼しいメッセに戻って観たのはコーネリアス。実はわたくし、全然にわかで、「とりあえず観とくか」くらいのノリで観たんですけど…

いや、すごかった。完璧。とんでもないライブだった。

まず、圧巻のVJ演出。最初ステージに幕がかけられ、そこにレーザーで映像が照射される。オープニングは"MIC CHECK"。
「マイクチェック、マイクチェック、聞こえますかー」のリフレインでどんどんトリップしていく。そして幕にメンバー4人のシルエットが映し出される!!あの瞬間、ぶっ飛ぶかと思った。カッコ良すぎて。
そしてレーザーで文字が映し出される。「Thankful」「To Bere Here」「SUMMER SONIC 2023」、これまた大歓声。すげえ、すごすぎる、かっこよすぎる。

そして幕が降り、"火花"がスタート!メンバーの姿が露わになった。これもまたまた大歓声。

メンバー全員凄腕だが、なんといってもすごかったのが小山田圭吾のギターだ。なんでそんなフレーズ思いつくんだ!?の連続。

テクノ、オルタナ、メタル…様々なジャンルが反復横跳びのように飛び交っていく。プラモデルを何個か買って、そこからパーツを抜き出して全く未知のロボットを作りました、みたいな。計り知れない音楽知識量と、持って生まれたセンスが為せる技なのだろう。

そして映像。映像と音のリンク具合が凄すぎた。緻密に計算されているのにロックバンド的な熱量もひしひしと感じる演奏。特に"Another View Point"。様々な映像が(楽器を演奏する南米あたりの民族とか)がTVのザッピングのように、脈絡なく次々と流れていく。そして一瞬のブレイクを挟んだ後、今度はアーティストの映像に切り替わる。Joy Divisionやビートルズ、スミス、Cureなんかの映像が次々流れていく。大いに湧き立ったのがリアムギャラガーとBlur(Giris&BoysのMVだったはず)が写った瞬間。粋な演出だ。

個人的ハイライトは"Count Five or Six"からの"I Hate Hate"の流れ。まんまメタルな早弾きギターが凄まじくかっこいい。鼓膜破りに来てた。

ラストは"環境と心理" "あなたがいるなら"でしっとりとさせ、終了。「どうもありがとうございました」、最後にして唯一のMCを残して去っていったメンバー。

衝撃だった。とんでもないライブだった!ソニックステージトリでも全然いけたのでは、、、

去っていくメンバー

コーネリアスのあとはWet Legを冒頭4曲のみ観て、Blurに移動した。
Wet Legの出演が発表された時はマジで嬉しかったのに、Blurとびみょーに被ってしまっていて泣く泣く途中離脱。"Wet Dream"聴けてよかったけど。
はにかみながら「元気ですか、トウキョー?」というMCはめちゃくちゃ可愛かったけど。へスターがボーカルをとる"Convincing"も良かったけど。シャイな性格なのか恥ずかしそうに歌う姿がたまらない。

最後まで、観たかった…!!タイテ担当許さん。


で、Blurを見るべくマリンスタジアムに移動した。Two Doorで体力使い果たしていたのでスタンディングで見るのは諦め、スタンド席に向かったのだけどものすごい満員。全然席なかった。みんなBlur大好きかよ。

結局、グレアムが全然見えない位置しか空いておらず渋々そこに座った。まあ、モニターあるしいいかと妥協した。
次はもっと早く入場しよう…完全ソールドアウトのサマソニを舐めてました。

Blur

さあ、いよいよBlurだ。なんと2分くらい巻いて開演。ステージにバンドロゴが現れた瞬間、幕張は完全にイギリスと化した。

そしてふらりとメンバーが現れる。グレアム、アレックス、デイブはラフなTシャツ姿。デーモンはポロシャツにジャケットを羽織り登場。すげえよ、Blurが俺の目の前に居るよ…!!(ちなみにグレアムはおなじみの横縞Tシャツ、アレックスは短パンだった。コンビニ行くのかな?)

「Good evening!」というデーモンの挨拶、そして新譜からの"St.Charlie Square"でキックオフ。そして間髪入れず"Popscene"!!グレアムのノイジーなギターが早速火を噴く。デーモンも飛び跳ねて観客を煽りにかかる(この時点でもうジャケット脱いでた)。
グレアムはめちゃくちゃハイテンションでギター弾きながら後転を決めていた。まだ2曲目やぞ!最高かよ!
そして3曲目にして早くもハイライト。"Beetlebum"だ。これがもう最高だった。グレアムのオルタナ魂炸裂なギターがマリンスタジアムを揺らす。この音になら鼓膜破られても良い。あの轟音ソロをおでこや顔をポリポリ掻きながら鳴らすグレアム、よかった。

聴けて嬉しかったのがアルバム『13』収録の"Trimm Trab"。それこそ今日見たコーネリアスに通じるような実験的な曲で、こんな曲がスタジアムで鳴らされるという良い違和感。アコギパートから轟音エレキに移行するところがたまらない。

そして、グレアムの「Hi」というあっさりとした、でもグレアムらしい挨拶。「カンパイ!」とちっちゃい声で言った後は"Coffee&TV"!!
入りをミスってやり直してたのはご愛嬌(デーモン「しーっ🤫」)。最高にポップなメロディをグレアムが相変わらずの俯き加減で歌う。そんなグレアムとは対照的に超笑顔で歌い踊る観客。最高の空間だ。
そこに続くのがなんと"Country House"!!デーモンは客席に突入!!最前列はもみくちゃになっていた。観客の手を取り、目をガン見して歌うデーモン。きちんとLブロックとRブロック両方に突入していた。サービス精神。

からのからの!なんとダメ押しの"Palklife"!!すごすぎでしょ、この流れ!!密かに期待していたフィルダニエルズの登場こそなかったけど、みんなみんな「パークライフ!!」の大絶叫。幕張?それどこ?ここはイギリスですよ。

もう既にベストアクトは完全にBlurで決まり、当選確実、って感じだったのに"To The End"がそこに続くのだ。なんてこった。名曲しかないのかこいつら。

この日のブラーはとにかくご機嫌。デーモンが観客に投げキッスしたり(歓喜の悲鳴が起きていた)、グレアムが曲中に突然ピックを投げてニヤリとしたり。
そしてごめん、なんの曲だったか記憶が曖昧なのだが、グレアムがタッピングを披露する場面も。かっこよかったなー。

そして楽しすぎる時間も終わりが近づいてくる。"Girls&Boys"の電子音が鳴り響き、観客絶叫。もうそこは完全にダンスフロア。スタンドで座ってみていたのだけど、思わず立ち上がって踊ってしまった。前にいたお姉さんも、斜め前にいた外国人のお兄さんも総立ち。みんなでワイワイ楽しく踊る。この曲からデーモン、MVでも着てるFILAのジャージにお色直し。
外国人のお兄さんと目があって、「Yeah!!」ってこっちを指さしてくれて、思わず僕もYeah返しをしてしまった。ド陰キャの僕が、ですよ。パリピだよパリピ。良い音楽は人格すらも変えてしまうのだ。

そしてハイテンションな"Advert"のあとはついにあのドラムが。何の曲か察した観客、スタンディングエリアはもはや発狂、スタンドもみんな立ち上がる。そしてあのギターリフが鳴らされる!!みんな叫ぶ!!!Woohoo!!!! そう!!必殺の"Song 2"!!!
尋常じゃない盛り上がり。比喩抜きでスタジアムが揺れていた。

もうここで終わってしまっても良いくらいなのだが、Blurはまだまだこんなもんじゃない。ラスト4曲が本当にすごかった。多分、走馬灯に映る。
まずは"This Is A Low"。ディスイズアロォォォォォォォォ!!!というデーモンの叫びが夜の空に溶けていく。僕の体と心の中にある不純な物質とかも溶けていく。そして、"Tender"、これが本当に感動的だった。誰からともなく、観客がみんなケータイのライトを付け始めて、さながらスタジアムは星空状態に。それをみて感極まったような表情をしていたメンバーをみてこっちも感極まる。数万人による「Oh my baby…oh my baby…」の大合唱、今思い出してもうるうるしてしまう。こんな素晴らしい時間が僕の人生に訪れるなんて思いもしなかった。2016年のサマソニでRadioheadの"Creep"を泣きながら大合唱したあの時と同じくらいの至上の時であった。
つづいて新譜からの"The Narcissist"。これがまためちゃ良い曲なのだ。Blurにしか鳴らせないメランコリックなバラード。新曲が過去の名曲と全く見劣りしない強度で鳴り響くの凄いことだ。並みのバンドじゃできない。

そして、オールラストはUKロック史に残る名バラッド、"The Universal"でした。なんというか、この曲が鳴らされてる時、「あ、俺の人生ここで終わるな」なんてことを思った。いや終わらないけど。エンディングテーマ感が凄かった。全然これが人生の最後でも良い、ってくらい美しい瞬間で、そう思えるって並大抵のことじゃない。

最後、デーモングレアムが抱擁していた。それがまた、最高にグッと来た。何年かかっても良い、また日本に来てね。


ということで1日目、終了です。
最高だった。いやあ、生きてて良かったなぁ…。
生きてればこんな幸福な気持ちになれるんだなって思った。まだ翌日もあるのに。

ところで冒頭にも書いたけど、今年のサマソニはとにかくとにかく暑かった。お昼のマリンステージのNewjeansの時、入場規制がかかり、炎天下の中人がすし詰めで倒れる人が続出したのだとか。僕もTwo Doorの時とか終わった後はフラフラだったけど何とか生き延びた。

これ、開催時期を一考するフェーズに入ってるかもね…せっかく楽しい気持ちになりたくてフェスに行くのに死んだら意味ないよ。


それでは2日目に続きます。

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