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万能な壁が崩れた。そして、壁の内を見た。

わたしの、理論武装の正体。

それは、わたしの弱い心でした。

つい昨日、わたしの言葉が邪魔をして、わたしにとって大切なことが見えなくなってしまいました。とても苦しく、切ない夜でした。


なぜ、こんなにも言葉が必要なのか。
そう考えていた時に、"母"の存在が浮かびます。


わたしの母は、妻と母と嫁と労働者の4役をこなす人でした。

核家族が多くなった今、4役とはなかなか大変ということは想像ができます。実際に、そばで見てきた母は、わたしが大人になった今思い返しても、苦労はしているし、楽しいことはあったのだろうかと切なくなります。


母に4役を可能にしたひとつが、「人を見る視野の広さと世話好き」の性格だと思います。

母は、とにかく人の世話が好きです。
世話をすることで、自分に対する承認を得ているんだと思います。


相手が何を求めているか、今自分は何をしたらみんなが喜ぶか。
そういう情報をたくさん持っています。


わたしはそれが嫌いでした。


子供にとっては、とにかく過保護な親に写ります。
そして、論理的というより感覚的な母は、思ったことをすぐ口にするため、

「あそこ掃除しなきゃ」
「あ、もうこんな時間!洗濯物してから出なきゃ!」
「まだ寝ているのね、大丈夫なの?」

世の中の母親の大半が、子供に対して口にすることですが、
とにかく何千回何万回言われてきました。
しかもやっかいなのは、わたしが行動して間違えたことに対して指摘するのではなく、わたしが行動する前に(母の思う)正解を全て言われてしまうということです。

「母の思う」正解は、世に言う「正論」です。

しかも、子供の時は絶対神である母に言われるので、文句を言うこともできません。


だから、わたしは、心の中にもう一人の自分を作り、その人に対して文句を言います。無意識に出来上がった防衛方法です。


今でも、心の中での自問自答は得意です。不安な時、苦しい時は特に加速します。

本を読んで、人の言葉を借りることも多く、さらに、言葉は強化されます。

強化された言葉は、攻撃されたときはすごく強い武器になります。相手に言い返す好きも与えません。

ただ、そういう時、わたしの心はぐちゃぐちゃなのです。

言葉がいくつも出来上がって、壁を作っているだけで、壁の内は全然です。

昨日、ついにそれに気がつきました。

万能だと思っていた壁が崩れました。

ただ、幸いなことに、壁の内が「ぐちゃぐちゃ」ということを、わたしは見ることができ、理解し、認めることができました。


今はそれだけで十分です。

まだまだ、わたしは弱いです。

今日は土曜日。みんなゆっくりやすみましょ。

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