本を読みました。はじめての社会学
久しぶりに、厚い本を最初から最後まで一語一句飛ばさずに読みました。一気読みしました。
上野千鶴子さんと鈴木涼美さんの共著、「限界から始まる」です。
読書がそれほど習慣化しているわけではない私が、なぜ350頁弱ある本書を夢中になって読んだのか。
それには2つ理由があります。
ひとつは、わたしは社会学を全く知らなかったから、ということです。
ずっと専門は医療・福祉であったし、小学校のころから歴史や政治の授業が苦手だったわたしにとって、「社会」と付くものに対する嫌悪感というか、「どうせわたしが読んでも分からないだろう」という諦めを強く感じていました。
大人になって、読書が、学生の頃より好きになり、本屋さんに行っても、社会学や女性学、その類の本は、ワードは聞いたことがあるしある程度予想は出来るけれど、分野が多様すぎるし、それゆえ、個人の発言はかなり偏りがあるから、思いつきで手に取ったところで到底理解が出来ないのではないかと、幼いころこらのアレルギーを引きずっていました。
だから、本書を読む中で、同居人が教えてくれるまで上野さんが有名な方だとも知らなかったし、本のタイトルだけ見ると内容も予想出来ませんでした。
なぜ、この本を手に取ったかというと、SNS上で、ある男性デザイナーの方がこの本を読み、感動されたとの記載を見て、"ちょっと気になる"くらいの興味を持っていました。
読んでいくうちに、社会学・女性学という学問の扱うものが、わたしの人生と切り離すことが出来ないトピックばかりということと、2人の女性がその実体験を語りながら扱っているヒリヒリ感がわたしの知的好奇心を満たしました。
もうひとつは、著者の御二方の言語能力に魅了されたことです。
専門用語も知らないうえに、言語能力に長けたお二人の文章は、一語一句追わなければ情報として入ってこないし、一語一句追う楽しさもありました。
ということで、一気に読了したのですが、
今まで触れてこなかった学問を、身近な体験として知ることができた中でも、
「母親という存在が、社会にとってどんな位置にいるか」
ということも、なんとなくではあるが知ることができたのが、わたしに取っては一番の収穫でした。
社会的には、女性の社会進出にも世間が慣れつつも、親世代から受け継いだ男女の非対称さにも対応しながら、家庭の中での運動量も確保しないといけないという、なんとも忙しい世代だったか、と。
そりゃあ、子供に対しては口うるさくなるだろうし、子育てが母親の役目だと信じて疑わなかったのだから、子離れも苦戦するだろう。
親世代から現代や、女性というものに対する社会の見方があるのだと、ほとんど初めて知ることができ、
口うるさい母に対しても
「お母さんも大変だったね」
と、拙い想像力を駆使した同情も出来ました。
今のわたしにとっては、それが限界で、それで十分です。
はあ、難しい言葉ばかりで疲れた。
おやすみなさい。
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