不具合ありきで入手したDell Alienware M18 AMDを検証
買っちまったぜ。
要らねぇ要らねぇ言ってたDELL Alienware M18ですが、ヤフオクで偶然上等品を見つけてしまい、それでもまだ買う気はなかったのですが、週末4000円引きクーポンが決め手となり、落札。
※あとで確認しましたが、SSDの稼働時間は僅か70時間でした。1週間も使われてなかったんやね。
さて、検証の時間だぁぁぁぁ!!!
まずはCPU-Zのベンチ
なんつー性能だよ・・・これがノートパソコンのポテンシャルか・・・?
というか、これが26万なら確かに安いわね。
続いてPASSMARK
コア数が多い分、CPUスコアがCore-i7 12700よりも圧倒的に高く、総合性能でデスクトップに迫るポテンシャル。
続いてCineBENCHR23
とんでもないCPUですねこれ…。これでモバイル用?頭おかしいよやっぱこれ…。
3DMark色々
過去のベンチと色々比べてみたところ、このノートパソコン、普通にRTX3070Tiより強いという事が判明。レイトレーシングに関してはいい勝負な模様。ただ、これ初期ドライバなんですよ。
不具合について検証
ここからはバッテリーの持ちを検証すべく、ドライバを全てAMD公式サイトから最新のアドレナリンエディション入れて色々いじってみた。
FF15ベンチ入れたり色々してたんですが、噂通り1時間でこの有様。アイドル状態で100W使うとか様々な噂は聞いたが、モニタリングしてみたところ、どうも内蔵のAPUであるRadeon610Mが悪さをしているようだ。
バッテリー駆動時のGPUの挙動が明らかにおかしい。
パフォーマンスはバランスモードにしての検証だが、どうもこのパソコンはバッテリー駆動時の非ゲーム時は610Mが稼働し、ゲームを起動すると7900Mが立ち上がって、デュアルGPU状態でゲームを回す仕様らしい。
え、なんでそんな要らん仕様にしたの・・・?
省電力化のために行った苦肉の策らしいのだが、どーもこの仕様があまりよくない模様。本来は激ツヨの7900Mも50W程度に制限されてしまい、しかも610と交互?か知らんけど、同時稼働して回すもんだから、ベンチマークもガックガクで、結果は上記の通り。
アイドル時100Wの噂の正体は、多分610Mが瞬発的に50W出してる分に、何らかの負荷で7900Mが50W程回った際に観測されたものと推測される。やっぱり610Mが50W前後出し続けてるのおかしいよ。
じゃあRadeon610M無効にしたらどうなん?
そんなわけで、デバイスマネージャーから610Mを無効にしてFF15ベンチを回してみたのだが、まずもってそもそも起動時に固まるという現象が起こった。そのあとはどうにかベンチマーク始まったが、結果はこの有様。
どーもこのパソコンのGPUは7900M単体では機能せず、Ryyzen7945HXとの連動を前提にして作られているらしい。メモリへのアクセスにせよ、VRAM周りの挙動もどうやらニコイチ前提の仕様になっているようだ。
CPUは割と安定。
グーグルマップは地味に重いので結構な負荷はかかった筈だが、異常に重くなるという事はなかったので、CPUとメモリの方は特に異常はないと思った。ただ、上の画像では既にメモリを12GB近く食っており、やはりメモリ不足感はある。これは出品者が最低仕様の16GBで構成を組んでいたためであるが、16GBではこのパソコンに関しては明らかに少なすぎる。
何故なら、このパソコンはメモリとVRAMを共有する仕様になっているから。
610Mの不穏な挙動は共有RAMのせい?
この画像見てもらうとわかるように、Alienware M18では2つのGPUが同時に稼働している事が判る。GPU0が610Mで、GPU1が7900Mである。
そして、実質的なVRAMは本体メモリの16GBのうち8GBを共有とし、7900Mの16GBと併せて計24GBで動くように設計されている。これはRadeon7900XTXが24GBなので、そこに併せようとしたモノなのかは不明であるが、16GB分を7900Mが担い、残りの8GBはせっせと610Mが駆動させているのではないかと推測される。
小刻みに610Mが不穏な動きをしていたのは、この機構が原因なのではないかと思われる。APUとGPUがハイブリッドに仕事をこなすというのはAMDの設計思想なのかもしれないけど、その実際の挙動を観測してみると、どう考えてもまだ未完成だってハッキリわかんだね。
ドライバをDELL公式の物に戻してみたら610Mの不穏な挙動は収まったが・・・?
小刻みに610Mが暴れる状態で使い続けるとバッテリーにも負荷がかかりそうだし、とりあえずDELLが4月に公表している610M&7900Mのドライバに戻してみる(ダウングレード)事にした。これらは片方のドライバを入れるわけではなく、両方セットとなっているドライバである。
すると・・・?
恐らくこれでバッテリーの方も大分マシになったと思われるが、代わりにRadeonソフトウェアのRSRやAFMFといった神機能が使えなくなってしまった模様。
つまり、DELL側のドライバとAMD側のドライバが共存できない状態になっている訳やな。
一応ベンチマークも回してみたが・・・
公開されたばかりのDELL独自ドライバであるためか、クロック等が非表示になっているものの、スコアはCPU・GPU共に伸びていて、順当に最適化はしている模様。DELLもまぁ仕事はしてるんだね。となると、やはりAMD側のドライバ対応が問題なのでは?という気がしなくもない。
まとめ:ドライバが悪い。
まーこの一言に尽きるやね。AMD側のドライバとDELL側のドライバの連携があまりに悪いというか、AMD側も様々な技術に挑戦している一方で、NVIDIA程の洗練されたドライバサポートがないのがどうもね・・・。CPUの方は大分洗練されてる印象があるけども、専業でない分、GPU分野はまだまだこれからという感じかもしれません。
ただ、こういうクセのある商品は正直嫌いじゃないので、とにかく今後もドライバの開発に力を注いでいただきたいものです。
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