見出し画像

美容院で女性と意気投合するも、気まずくなった話

昨日、美容院に行ってきました。2回目の染髪、ブリーチです。前回は仕事の前に美容院に押しかけ、ドタバタ突貫工事で染めてもらったのですが、今回はちゃんと美容院の日を休みにしました。迷惑もかけてしまうし、何より僕も時間に余裕を持って動きたいので。せっかくならじっくり時間をかけて丁寧に施術してもらいたいし。ということで、今回はカット込みで5時間以上かかった。休日が半分持っていかれてしまったことは少し悔しいが、おしゃれは我慢。自分の中で釣り合いがとれなくなったら髪を染めるのはやめます。現時点ではまだ時間とお金をかけてでも派手な髪を手に入れたいと思っている。

さて、5時間以上にわたる施術ともなれば1人の美容師が付きっきりというわけではない。カットはいつもの担当の方がやってくれるのだが、ブリーチやカラー、シャンプーなどは別の人が代わる代わる担当。僕は美容院で会話をするのが好きですが、担当が代わるたびに「あ、どうもはじめましてよろしくお願いします」と、セクキャバの3回転コースみたいな中身のない自己紹介からスタート。例えが下品で申し訳ない。で、そのうちの1人の女性がやたらと積極的に話しかけてくるタイプの人だった。開口一番「そういえばリモートワークなんでしたっけ?」と聞いてきたので、以前に話したことがあったかな?それとも僕と担当美容師の会話を聞いていたのかな?などと考えを巡らせつつ「あ、そうです」とそっけない返事をしてしまう。数分後に気づいたが、そういえばこの人とは前回少し喋った覚えがある。いつも思うが、美容師というのはどうしてこうも客の情報を具に記憶しているのだろう。少なくとも1〜2カ月は間が空くわけだし、その間に何十人もの客の相手をしている。ましてや、自分の担当でもない客のプロフィールまで把握しているなんて、すごすぎる。歴代総理大臣とかすぐに暗記できそう!・・・いや、この例はよくない。コナンに出てくるモブキャラの名前や設定もすぐに覚えられそう!うん、まだこっちのほうがマシだ。

話を戻そう。名前を知らないので、仮にこの人をAさんとしよう。Aさんはやたらとよく喋る。僕はたくさんお喋りをしたいので、単純に嬉しい。それに、話のノリも合う。合わせてもらっているのかもしれないけど。自ら年齢を25歳だと明かしてきたのも驚いたが、同時に独身であることも告げられる。なかなか肝のすわった人だ。なんでも、田舎だから異性との出会いがなく、結婚相手はおろか恋愛相手すら見つからないのだという。まあ、僕も田舎に引っ越してきて異性どころか同性との出会いすら絶望的で悩んでいたので、そんな感じのことを話し共感を得る。ところで、マッチングアプリで出会った相手とのエピソードトークのようになっているが、僕がいまお話ししているのは美容院での会話だ。お間違えのないように!

話も弾んできたところで、相手から「HSPって知ってますか?」と質問。「Highly Sensitive Personのことですか?(キリッ)」という返答が喉元まで出かかったが、キモすぎるので棄却。「ああ、繊細さんみたいなやつですか?」と濁した情けない返事をする。「そうですそうです!」と嬉しそうなリアクションを貰えた。よかった。「私HSPなんですが、なかなか周りに理解してもらえなくて・・・」そう、少数派はつらい。天才ゆえ孤独なのもつらかろうが、ハンディキャップを抱えたマイノリティは存分につらい。彼女が本当にHSPなのかどうかは分からないけれど、話を聞いている限りファッションというわけでもなさそうだ。「日常生活を送っていて、どういうところでHSPのつらさを感じますか」と、カウンセラーみたいな質問をする僕。すると、「異性にお誘いの声をかけることができないんです」とほぼ即答。「確かに、断られたりしたら気まずいですし、誘う前に色々思考がめぐって頭パンクしちゃいますよね」と同意を示し「同性だったら大丈夫なんですか?」と尋ねると「同性で仲良ければ全然大丈夫です!でも異性でほぼ初対面とかだとなかなか・・・」とAさん。「異性で、ほぼ初対面、なるほど・・・」ここで初めて絶妙な沈黙。話し始めて早々に出会いが云々というテーマから始まり、そこからこういう会話の流れだと「僕に誘えと?」という考えが脳裏を過っても、誰も僕を責めないはずだ。きっと。しかし、僕にそんな勇気があるはずもなく。ほどなくして沈黙を破ったのはAさんだった。「結局、断られるのが嫌で自分からは全然誘えず仕舞いで、何も進展しないんですよね」すかさず僕も「悪い方にはいかないけれど、良い方にもいかず、って感じですね・・・」と、Aさんの台詞を言い換えただけの無難な返事。再び沈黙。ああ、こうして僕は人と出会うチャンスを逃してきたのだろうし、今も、そしてこれからもそうなのだろうなと、走馬灯のように過去の記憶が呼び覚まされる。結局、そのあたりでAさんの担当する時間は終了。慌ただしく別の客のもとへ駆けつけるAさん。

今回僕がお話ししたのは、あくまで僕視点、僕のフィルターがかかりまくった、一種の妄想じみたエピソード。なるべく主観が入りすぎないようにしたつもりだけれど、何を勘違いしとんねんと思われても仕方がない。オスとはそういう愚かな生き物なのだ。けれど、会話自体はとても楽しかったし、友達くらいになれたらなあ、なんて淡い期待を抱いてしまっているのは事実。恋愛のモチベーションはからっきしだけど、趣味の合う人と喋るのは大好きなので。次に美容院に行った際にAさんと会話する機会があれば、また日記でお伝えしようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?