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新潟名スポット ホテル公楽園へ

前々からどこか遠くに行きたいなと考えていた。思えば昨年は1度も泊まりがけの旅に出ていない。引っ越しなどでバタバタしていたり、そもそも収入がなかったりで旅行にいく余裕がなかった。昨年秋頃からある程度身の回りのあれこれが落ち着き、今月はようやく心にもお金にもゆとりが生まれた。ということで、前々から行ってみたかった「ホテル公楽園」への旅を計画。新潟県にある宿で、僕の住む石川県からは高速道路を使って4〜5時間ほど。僕は基本的に2連休を取らないので(5連勤が嫌だから休日は分散させている)、1泊の旅は少々ハードルが高い。もちろん、翌日が休日だというタイミングで旅に出ますが、それでもスケジュールは以下のようになる。夕方に退勤した後、急いで目的地へ向かい、宿泊して、次の日の夕方には帰宅。まして移動が片道4時間超となると、なかなかの弾丸旅だ。もはや旅の半分は移動時間。しかし、今回の旅の目的は宿なのでそれでかまわない。それに、僕は車の運転も好きなので、移動もさほど苦ではないでしょう。そんな浅い考えで果たして大丈夫なのか・・・。

ひとまず、宿に予約の電話を入れます。4時間かけて到着したものの、満室ですと追い返されてはたまりませんからね。電話をかけたのは21時頃だったのですが、スマホのスピーカーからは気の良さそうな高齢男性の声。「明後日、大人1人で宿泊の予約をしたいのですが…。」僕が言うと「大丈夫ですよ!空いてます!」なんて気さくに対応してくれたのですが「ただ・・・」と付け加え、何やら条件がある様子。生唾を呑み「ただ・・・?」僕が神妙な面持ち(相手には見えない)で聞き返すと「明日、明後日と新潟は大雪の予報でして。水道管が凍って水が出なくなるかもしれないんです。お風呂もトイレも使えなくなるので、その場合はこちらから事前にお断りの電話を入れさせてもらいます。」とのこと。天気予報を確認してみると、確かに僕が伺おうとしている日とその前日、新潟は豪雪のようだ。なんというバッドタイミング。しかし、僕とてそう簡単には引き下がれない。1泊の旅ができるようなスケジュールは月に1度あるかないかなので、できればこの機会を逃したくない。「わかりました。水道管が凍らないことを祈ります!」と伝え、予約は完了。かと思いきや、もう1つだけ確認事項があるらしい。「建物や設備が老朽化していて、エアコンがほとんど効かないんです。他のお客様は毛布など持ってきておられますが・・・それでも大丈夫ですか?」そう、実はこの「ホテル公楽園」は昭和レトロな雰囲気満載のディープスポットとして有名なのだ。なので、もちろん建物はたいへん年季が入っている。そうした事情を承知のうえで、それでも行きたい、いや、だからこそ行きたい!くらいの強い熱意を持った者たちが集結する名物ホテルなのです。かく言う僕も当然「うひぇ〜、だったら願い下げでやんす〜」なんて微塵も思わない。むしろとてもワクワクします。「ではしっかり防寒具を用意して伺います!よろしくお願いします!」と元気よく言い放ち、今度こそ予約完了。毛布、ちゃんちゃんこ、ももひき、帽子、靴下、電気で温まるカイロ、などなど・・・。思いつく限りの防寒具を用意し、車のラゲッジに積み込んだ。武者震いがするぜ。ホテルに泊まりに行くというのに、まるでサバイバルに行くかのような気分です。だったらキャンプをするなり山小屋に泊まるなりすればいいのかもしれませんが、屋外でのアクティビティはどうも腰が引けます。そのうちやってみようとは思いますけどね。ひとまずは、こうした不便な宿に泊まるだけでも十二分にアナログな体験ができるはずだ。ちなみにドライヤー、歯ブラシ、寝巻きなどもなさそうなので、それらも持参の予定。

正直、現代では自宅でも十分に便利で快適な生活が送れている。なので、便利&快適というベクトルで非日常を味わうのってけっこう難しいと思うんですよね。やるとしても、豪華客船に乗るとかクルーズトレイン「ななつ星」に乗るとか、とにかくお金がかかる。そうでもしないと非日常レベルにならない。しかし、それとは全く逆の不便&不快というベクトルの非日常であればお手軽に挑戦できる。わずかばかりの勇気は必要ですけどね。

はてさて。そんなわけで、僕は豪雪の新潟県にある「ホテル公楽園」の予約を取り、旅の計画の第一段階が完了したわけですが・・・果たして水道管が凍ることなく無事チェックインできるのでしょうか。ネタバレをしてしまうと、この日記が公開されている時点で、僕の今回の旅は決行されています。というのも、僕がこの日記を書いているのは旅の前日なのです。先ほどもお伝えしましたが、当日は退勤後即移動で、宿への到着は21時頃の予定です。その後ホテルの内外を散策していると日記を書く暇がありません。気づいたら日付が変わってしまいます。なので、翌日の日記を事前に書くという「日記」の定義を逸脱した蛮行をはたらいているわけです。嘘は書いていないので、どうかご容赦ください。もし、水道管が凍ってしまい旅がキャンセルとなったら、この日記はお蔵入りです。みなさんがこの文章を読んでいるということは、すなわち僕が新潟の地へ足を踏み入れているということなのです。旅の詳細については明日の日記で書こうと思います。それではみなさま、おやすみなさい。僕はきっと震えて眠ります。

追記:続きはコチラ

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