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スティーブのひとりごと

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『スティーブのひとりごと』は、毎日の生活の中で「これは語りたい」と思ったことを、メンバーそれぞれの新鮮な言葉でお届けします。Steve* Magazineは、クリエイティブカンパ…
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#一度は行きたいあの場所

大学で教えてくれないことは、東北の居酒屋が答えをくれる。 1時限目「完璧の正体とは」

 夕方から霧雨が降り続いたせいか、いつもはギラギラすぎる数多のネオンが、キラキラくらいには柔らかく見えた。まるで『銀河鉄道の夜』に書かれている夜空に浮かんでいるかのような心地よさを覚えながら霧の中を進むと、なんと、銀河の旅を夢見た小説の主人公、ジョバンニが正面から近づいて来るではないか。一瞬驚いたが、良く見ると単に銀河のようなスーツに身を包んだ客引きの店員だった。  仙台市・国分町。古くから東北一の繁華街として栄えたこの街の、稲荷小路と呼ばれる細い路地。派手な看板が多い国分

丸森時間差遺産 第8話「新春初詣ドライブ」

 忙しかった一日。永遠に続きそうな仕事を何とか無事に終えて車で家へ帰る途中、冷え込んできたなと思ったらヘッドライトに白く光るものが反射した。雪である。僕は暗闇をふわりと舞う雪を見ながら、祖父と初詣に行った日のことを思い出した。  昔、野球でキャッチャーをしていたという大柄な体格のイメージとは似つかわしくない、柔らかな物腰の祖父が僕は大好きだった。18歳となり車の免許をとってからは、よく祖父をドライブに誘っていたのだが、断られた記憶が無く、いつも喜んで時間をとってくれた。悩ん

丸森時間差遺産 第5話「棚田にて深呼吸を」

夕暮れの国道349号線。大学での授業を終えて自宅へと車を走らせる途中、思い立って寄り道をした。阿武隈川沿いの側道を坂道に沿って3分ほど登ると、日本の棚田百選・農林水産省選定のつなぐ棚田遺産にも選ばれた「大張沢尻の棚田」が現れる。長い時間をかけて、複雑な地形を試行錯誤しながら開拓して生まれた、人々の努力の結晶である。  見晴らしの良い駐車スペースに車を停めて、秋風が吹き抜ける新鮮な空気を思い切り吸い込んだ。夕陽に照らされ階段状に連なる田んぼを埋め尽くす黄金の稲穂。久しぶりに訪