「1段変わる」とは

以前カメラの明るさの設定の話をしたときに、シャッタースピード・F値・ISOの合計数値が同じであれば明るさは変わらないという話をしました。

下の表のそれぞれの項目の右側の数値のことです。

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「シャッタースピードの数値を1上げたらF値の数値を-1することで、明るさは同じになる」という話もしています。具体的に言えば、シャッタースピードが1/2が1/4になることと、F値が1.4から2.0になることと、ISO400が200になることは明るさの変動が同じわけです。それぞれの数値は違う書き方をしているけれど、明るさに関してはある一定のルールで動いているのです。

段とは明るさが2倍変わること

ここから説明することに対して、2つほど前提として頭に置いておいてほしいことがあります。
・表の右側の数値が1変動することを「1段」と呼ぶ
・1段変わると、明るさが2倍変わる
数値が小さくなることは1段明るくなる、大きくなるのは1段暗くなると呼びます。

シャッタースピードの1段

まずはシャッタースピードにおける1段とは。これは単純です。
1秒、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30……
見ておわかりの通り、シャッタースピードが先に進むごとに半分ずつになっています。1/8から1/15になるところはなぜ1/16じゃないの? って思うかもしれないけれど、これはそれぞれの数値に本当は小数点以下があって、そこを1/15で丸めたということだそうです。うるう年みたいなものか(違う)。
シャッタースピードが半分になれば、物理的に取り込む明るさも半分ですね。つまり逆から見て1/4を1/2にしたら明るさは2倍。これがシャッタースピードの1段です。

F値の1段

F値の1段はちょっとややこしいです。
F1.0、F1.4、F2.0、F2.8、F4.0……
一見めちゃくちゃな数値に見えますが、実はそうでもないのです。
F値とは直径の比率のことを指しています。
レンズは丸いです。そして明るさを取り込む大きさは直径では測らず、円の面積になりますよね。

円の面積の公式はなんでしょう。
半径×半径×3.14です。

では、ある面積から明るさを2倍にしたい場合はどうすればいいでしょう。
簡単な数字で当てはめるとわかりやすいです。
例えば半径を1としたとき、1×1×3.14=3.14。この答えを次は3.14の倍、6.28にしたいわけですね。?×?×3.14=6.28。?×?=6.28/3.14。
つまり、?×?=2。同じ数字をかけると2になる数字はなんでしょう。覚えてますか、√2(ルート2)です。
√2の覚え方、「ひとよひとよにひとみごろ」も懐かしいですね。
√2=1.41421356。
明るさが2倍変わるときの半径は、約1.4倍されるんです。
そして更に2倍になる場合は√2×√2で、ジャスト2倍になるのです。
それを並べると、1、1.4、2、2.8、4……となり、明るさが2倍されていくのです。

ISOの1段

ISOに関してはこんなもんだと覚えるしかないんですが、これもシャッタースピードと同じような考え方で、100、200、400……と単純に2倍されるたびに明るさ2倍です。

まとめ

結局言いたいのは、明るさ2倍で1段変わるという感覚を身につけたいねってことです。私も掴めていないので日々精進ですね(笑)。

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