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20キロワットから始まる未来!小型EVの駆動装置とビジネスチャンス

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約

ニデックは、小型電気自動車(EV)向けの駆動装置「イーアクスル」の製品群を拡充する計画を発表しました。2024年3月期には、出力70キロワットの機種を発売予定で、50キロワット以下の機種の開発も急ピッチで進めています。これまで乗用車や高級車向けの100〜180キロワットの機種を提供していたニデックですが、中国での小型EVの人気増加に対応するため、小型化を急いでいます。

イーアクスルは、モーター、インバーター、ギアが一体化した駆動装置で、EVの基幹装置に相当します。中国では、出力20キロワットの低価格EVが普及し始めており、日本国内でも47キロワットの軽EVの販売が好調です。ニデックは、小型EVが市場の中心になると見ており、モーターの軽薄短小化の技術を活用してイーアクスルの小型化を進める方針です。

今期のイーアクスルの世界販売計画は約54万台に引き下げられましたが、中国市場に適した製品を増やし、成長速度の維持を目指しています。



車の価値の変革

イーアクスルの登場により、車の価値が大きく変わりつつあります。これまで排気量の違いはあれど、軽自動車と高級車の走行距離や最高速度に大きな差は感じられませんでした。そりゃ差はありますよ。でも、4人乗れて高速道路で100キロ出せて、荷物も積めて。人からどう見られるかの自意識の違いはあっても、車としての機能価値の差は、それほどなかったのではないでしょうか。

唯一あるとすれば、加速性能。坂道や人や荷物を多く載せているときに「あー走らないなー」的な印象がありました。その少排気量エンジンの弱点が、トルクフルなモーター化によって、大部分改善されることで、車の購入視点が変わるのではないでしょうか。

この変化は、消費者にとって車という商品において新たな選択肢を提供し、より自分に合った車を選ぶ機会を増やすと考えています。

用途に応じた選択の時代

近隣を周回するだけなのか、高速道路での長距離移動が頻繁なのか。用途に応じて駆動出力を選ぶ時代が到来すると予測されます。僕は、この変化が消費者にとって新たな選択肢を提供し、より自分に合った車を選ぶ機会を増やすと考えています。

以前から超小型車と呼ばれる2人乗りの車は色々とありました。スマートフォーツー、ルノートゥインゴなど。ただし、どれだけ小さくても駆動部分の部品点数や製造コストは大型車とそれほど変わらず、結構な割高感があるため、あまり普及しなかったと思われます。

でも、実際に田舎で暮らしていると、大きなクルマに一人で乗る理不尽さを日々感じているところです。近距離だけを移動できる、格安車、すぐにでも欲しいところです。

この動きが進展すれば、特に経営者にとって、ビジネス用途に特化した車の選択が可能になることで、経済的な効率化が期待できるでしょう。

ニデックの戦略と未来

ニデックは小型EV向けのイーアクスルに開発を集中しています。高付加価値よりも、数の経済性を追求する戦略が見て取れます。僕は、この戦略が新たなブランド価値を生み出し、「ニデック入ってる」という時代が来ることを期待しています。

「街はアルトで歩こう」47万円という当時としては、衝撃的な価格で人々のライフスタイルを変革した、スズキアルトの事例を思い出しました。

例えば、コンピューター業界での「インテル入ってる」のようなブランド戦略が、自動車業界でも展開される可能性があると感じています。経営者としても、信頼性と効率性を追求するニデックの戦略は参考になるでしょう。


今日の問い

  1. 用途に応じた車の選択: 今後、車の駆動出力を選ぶ時代が来るとしたら、あなたのビジネスにおける車の主な用途は何ですか?それに応じて、どのような駆動出力の車が最適だと考えますか?

  2. ブランド戦略の変化: 「ニデック入ってる」というブランド戦略が自動車業界で展開される可能性について、あなたの業界ではどのようなブランド戦略が効果的だと考えますか?新しい技術の導入によって、ブランド戦略はどう変わるべきでしょうか?

  3. 経済的効率化の追求: 小型EVの普及による経済的効率化が進む中、あなたの経営する事業ではどのような効率化が求められていますか?新しい技術や製品の導入によって、どのような経済的効果が期待できるでしょうか?

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