未完だからこそ面白い
〝小説家〟スヌーピーの代表作『ある真っ暗な嵐の夜だった It Was a Dark and Stormy Night』–––––
––––– 〝なろう系〟が世の読書人口への供給過多を起こすかと思われる昨今。スヌーピーの小説執筆の執念は、特に文章を趣味として書く人種の共感を呼ぶものではないか。出版社に原稿を拒否されて落胆するスヌーピーの姿に、コンクールなどに楽譜を送っては不発に終わり苦渋を舐めさせられ続けた筆者の過去をつい重ね合わせてしまう。
遡れば、確かチェーホフの短編『イ