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雑感拾遺:“ただあること”を聴く

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Ecrits divers : 日々の生活の折ふしに聞こえてくる“ただあることども”に耳を傾ける
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#昭和

【新刊案内】台本集『赤ずきんと死神』

筆者の作曲した歌劇(オペラ)等の台本について、このたび電子書籍の形で公開することと致しました。 ※なお本電子書籍は Kindle Unlimited に対応しております。 一人の少女の旅を描いたモノローグ・オペラ《赤ずきん》(2007) のほか、古典落語に題材を仰いだモノドラマ《死神》(2009) と《一眼国》(2013)、同じく古典落語を題材としたオペラ作品(〝ラクゴ・オペラティック〟と銘打たれておりますが)《なりひら・こぉど》(2013) と《鰍沢綺譚》(2013)

昭和昭和と云ふけれど…

「昭和」といっても、時代としては西暦で言えば1926年(12月25日)から1989年(1月7日)までの半世紀を優に越える長期にわたり、その間には世界恐慌や太平洋戦争(大東亜戦争)という社会的にも文化的にも大きな混乱の節目を迎えていて、その全ての期間を一括りに語ることはできない。 もっとも世間では、ざっくり(本当にざっくりと)〝ショーワ〟とまとめて、その時期のあれこれを並べて「古いモノ」として一蹴する空気もあるようで、言葉の言い回しでさえ無意識にでも口にしたその一言で〝年寄り認

アナタニ、モウ、ちぇるしー、アゲラレナイ…

遠足のおやつにバナナを持っていかなくても、これ一箱持っていればオシャレに感じられた、あの時代の代表格。ただ〝キャンディー〟ではない。「チェルシー」という銘柄があっての存在感だった。'70sのサイケデリック感が漂うパッケージの色合いやデザインと相まって、背伸びした子供心の憧れを輝かせていたのである。CMソングとともに決めゼリフ「アナタニモ、ちぇるしー、アゲタイ」––––– このカタコト日本語の口調を真似ながら一粒、友達の手に渡したりしたものだ。 そんな「チェルシー」が販売終了