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雑感拾遺:“ただあること”を聴く

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Ecrits divers : 日々の生活の折ふしに聞こえてくる“ただあることども”に耳を傾ける
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#今昔物語集

【新刊案内】台本集『赤ずきんと死神』

筆者の作曲した歌劇(オペラ)等の台本について、このたび電子書籍の形で公開することと致しました。 ※なお本電子書籍は Kindle Unlimited に対応しております。 一人の少女の旅を描いたモノローグ・オペラ《赤ずきん》(2007) のほか、古典落語に題材を仰いだモノドラマ《死神》(2009) と《一眼国》(2013)、同じく古典落語を題材としたオペラ作品(〝ラクゴ・オペラティック〟と銘打たれておりますが)《なりひら・こぉど》(2013) と《鰍沢綺譚》(2013)

今ハ昔、音曲ヲ爲サウトスル男アリケリ

«Canticum IIº: Le pont du démon» (2003) 世界広しといえども、『今昔物語集』の近江国安義ノ橋の鬼出現話を合唱曲にした物好きは私ぐらいのものではないだろうか。 歌舞伎『茨木』と似た粗筋だが、こちらはもっとグロテスクで救いようのない展開。フィクション(都市伝説)だからこそネタにできる物語と言える。 その後も夢野久作や江戸川乱歩、落語の「死神」「一眼国」など、アヤシゲな題材で曲を書いているが、猟奇趣味だけではない、カワイラシイ曲だって作曲