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雑感拾遺:“ただあること”を聴く

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Ecrits divers : 日々の生活の折ふしに聞こえてくる“ただあることども”に耳を傾ける
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#金子みすず

【新刊案内】台本集『赤ずきんと死神』

筆者の作曲した歌劇(オペラ)等の台本について、このたび電子書籍の形で公開することと致しました。 ※なお本電子書籍は Kindle Unlimited に対応しております。 一人の少女の旅を描いたモノローグ・オペラ《赤ずきん》(2007) のほか、古典落語に題材を仰いだモノドラマ《死神》(2009) と《一眼国》(2013)、同じく古典落語を題材としたオペラ作品(〝ラクゴ・オペラティック〟と銘打たれておりますが)《なりひら・こぉど》(2013) と《鰍沢綺譚》(2013)

みすゞの魂に寄せる憧憬

金子みすゞの詩による三つの童謡 (2004)2004年初春、金子みすゞの数ある詩作の中から、特に心に触れたものを3作選んで、あまり捻らず、素直な感興を平易なカダンスに乗せたメロディで付曲した。 とかく重量級の作品が歓迎される現代音楽の世界では〝正統なる歌曲〟の扱いを受ける事はないのだろうが、こういう作品があっても良いと思う。 第1曲〈花のたましひ〉-浄土に花綻ぶ詩人の魂 この詩で歌われる〝花〟の、ただただ周りに幸福感を与え続ける姿に、古の聖人たちの生きざまを見る事ができる