川の源流を探す: 矢作川支流 阿妻川

同音の川が埼玉にあるらしい。知らなかった。

阿妻川は、本流矢作川に豊田市旭地区で流れ込む一次支流である。
そのまま上流へ辿ると、岐阜県恵那市明智町にたどり着き、ここに"阿妻"という名の地がありそのまま名の由来となっている。

流域には美濃焼の材料となる土を採取する業者も建ち、川には実際そのような土砂が流れていることを確認できる。これらの由来は陶器の記事に譲るとして、川としては隆起地形の岩々しい流れを見ることが出来る。
岩には火山性の花崗岩も含まれ、風化して砂となっている部分もある。同一の河川、それも源流域でありながら、岩を中心としたエキサイティングな流れのあるエリアや、砂が堆積した遊びやすいエリアを併せ持ち、川遊びにはお勧めの川となっている。

さて本川もいつも通り多くの沢が合流して明智町阿妻より本格的な河川として扱われていくわけだが、今回はどのポイントを源流として探索するのか。


GoogleMapより、 岐阜県恵那市明智町阿妻

GoogleMapを確認すると、由来となった阿妻から南の沢筋、一度愛知県に戻るルートが阿妻川という名を引き継いでいる。
北に分かれるルートは阿妻を流れるルートなのだが、そうではないようだ。
色々探していると、岐阜県発行の洪水浸水想定区域図より、南ルートを阿妻川と扱う記載を発見できた。

https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/336175.pdf

他沢筋と比べ、南ルートを太く強調した表記になっている。本資料は国土地理院地図をベースに作成されているが、その図よりも太く記載されているため、意図的な編集であると思われる。

というわけで、今回はこの南ルートをたどり、それらしき阿妻川の最初の一滴の一つを探していきたいと思う。
(なお地理院地図では、この南ルートは"大沢"と記載されている部分も見受けられた。気にしないものとする。)


地理院地図, 国道419号沿い

地理院地図で沢を追っていくと、国道419号線沿い、愛知県と岐阜県の境に近い小原トンネルの辺りまで辿りつく。
今回はここを目指して探索する。

結論から、源流付近は傾斜が厳しく、一般人では登る事が叶わなかった。写真は断念した地点である。

小原トンネル岐阜県側出口、すぐ西に沢筋が伸びる

地理院地図上の青い線の終点には、周辺の山から水を集める構造物を発見することが出来た。その日は雨の翌日であったため水は多量に流れており、そのうち最も大きな流入は国道419号線沿いの暗渠であった。
これを追跡し、国道419号線を渡ると、ガードレールの先に沢筋を発見することが出来る。

Google ストリートビューより


残念ながら最初の一滴にはたどり着けなかった。今後もこの趣味を続けていくには本格的な登山やかじり程度でも登攀の技術が必要だろう。とはいえシャワークライミングほどでは無いが水のある場所を歩くので、ちょうどいい技術とはどこで手に入るのか謎である。
ちなみに同日に訪れた滝も同様に車道から見ることは出来るが大半が木に覆われ、直接の撮影は沢登り必須。丸一日私たちはまだひよっこであることを痛感させられる旅程であった。


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