マルチタスクとシングルタスクの境目

マルチタスクが死ぬほど苦手だ。

より正確に言うと、マルチタスクはそもそもできない。シングルタスクとしてしか認識できず、「高速にコンテキストスイッチを行っているシングルタスクの集合」になる。

ただ、私は(自虐としての)ゲーム依存なので、ゲームはそこそこできる。日本において想像されるゲーマーの中央値から考えたら、目が飛び出るほどの高難易度のゲームをプレイしている時もある。
何故ゲームを持ち出すかというと、ゲームはマルチタスクではないのか?という話だ。

これは私が猛烈に好き(最近はやってないけど)なゲームで、自身の記録用に残していた動画である。
大量の敵に囲まれた中、さらにはボス敵や、プレイヤーを拘束する攻撃を行う特殊な敵も出現する状況はマルチタスクではないのか。
プレイヤーとしては、これはシングルタスクであると答える。

このゲームは一人称視点のゲームであるから、何をやっても覗き窓が一つしかない。全てこの一人称視点を基準に、与えられる情報を自分の都合がいいように配置すればよい。だからこれはシングルタスクだ。

ところが、初心者にとっては絶対にマルチタスクだ。「目の前の敵を反撃を受けないように攻撃する」と、「周囲の敵の状況」の認識は、初心者にはシングルタスクでは不可能のはずだ。それを認識するための、ゲームに対する経験と知識が不足している。プレイ時間と座学を重ねることで、これらの認識にかけるコストを減らしていき、並走することが出来るようになるだろう

…ん?並走?

つまり、あらゆるシングルタスクも結局「微細なコンテキストスイッチのあるマルチタスク」のことではないだろうか。例えば寿司にタンポポを乗せる仕事も、よく考えれば1つの寿司の上にタンポポを乗せるのではなく、必ず2つ以上の寿司や、つま等複数のものに寄りかかって乗っている。厳密に解体していったとき、これを純粋なシングルタスクかと問われれば違うはずだ。

マルチタスク、シングルタスクを問わず、高いパフォーマンスでタスクをこなしたいならば、対象のコンテキスト群について深く馴染んでいくしかないということだろう。マルチタスクで悩んでいる私は単に、参画初期段階なのに複数抱えようとするのが間違っていたようだ。まずは1つを深く掘り下げていき、余剰リソースを他プロジェクトに回していく、というやり方がよさそうだ。

参考までに、上記動画時点での私のプレイ時間は1500時間を超えていた。



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