砂の道 第5話 廃人
恭平は義実家に連絡を取ったが、貴子はまだ真相を話していないようだった
義母「恭平さん、夫婦喧嘩はよくある事だから、そんなに心配してないけど、
早く迎えに来てやってね」
恭平「ああ、義母さん、まだ貴子から聞いてないんですね、、、」
義母「えっ❓何があったって言うの❓」
恭平「不貞、、、ですよ、、、
それも、、、オヤジと、、、」
義母「そんな、、、嘘でしょ⁉️
そんな事あり得ない、、、」
恭平「いいえ、これは私の目の前で起こっていた事ですから、、、間違いありませんよ」
義母「ど、どう言うこと⁉️」
恭平「会社帰りに実家に寄ったら
やってました、、、」
義母「そ、そんな、、、
お父さん、ちょっと、、、
カクカクシカシカ、、、、、」
義父「そんな事、本当なのか‼️」
恭平「はい、その時玄関から入った時の動画もありますから、、、見ますか❓」
義父「い、いや、、、じゃあ本当なんだなぁ、、、なんて事だぁ、、、」
恭平「しかし、相手は私の父親なので、義父母さん方には、私からそれほど抗議する事もありません、、、でも
離婚はさせて頂きます、、、もう無理です。」
義父「、、、そ、そうか💦、、、
君も辛かったなぁ、、、スマン、、、
ウチの娘が、、、💦」
その後、貴子の荷物は運送業者を呼んで実家に運ばせた
不倫相手が自分の父親だなんて
そうそう誰にでも話せることではない
誰にも相談なんて出来ない、、、
恭平は離婚について色々調べてみたが、不貞で離婚する時の慰謝料など、取りたくも無いと思っていた
もう、絶縁あるのみ、、、そう思った
恭平は離婚届けを準備して義実家に郵送した。
後日、貴子が訪ねて来た
合鍵は没収しているので入れない
貴子「あなた、、、ごめんなさい、どうか許してください🙇♀️、、、
あなた、、、居るんでしょ
開けてくんない❓お話ししたくて、、」
恭平「もう、話すことなんて無いよ
兎に角忘れたいんだ、オレの前に現れないでくれ」
貴子「ごめんなさい、私のした事は
とんでもない事だと分かってます
でも、あなたとお父さんは血の繋がった親子、必ずやり直せるし、私達も何とかやり直したい、、、そう思って、、、」
恭平「オレは君の事を、本当に愛していたよ、心から好きだった、、、
だからこそ許せないんだ、、、世界で一番好きだったからこそ、、、
許せないんだよーーーっ‼️」
貴子「そ、そんな、、、せ、世界で
い、一番好き、、、そ、そんな、、、」
貴子は喪失感に打ちひしがれながら実家に戻った、、、
その後何度も何度も、懇願に来たが、
その度に喪失感に支配されながら
帰って行った
しかし最も喪失感に苛まれていたのは
恭平なのである
家族をいっぺんに失った、、、
そしてある日義実家から呼び出しがあった、、、
まぁ、義両親に会わずに離婚という訳にもいかないので、
離婚届けをもらいに行くと思って、
会いに行った行った
義父「よく来てくれたね、ありがとう」
恭平「はい、今日は離婚届けを頂きに来ました。」
義父「そ、そうだな、まぁ、上がってくれたまへ」
そう言って通された和室応接間には
勘八と貴子が土下座🙇♀️🙇して待っていた、、、
勘八「恭平、すまんかった、許されない事だとは分かってるんだが、なんとか貴子さんだけでも許してやってくれないか❓、どうか、どうかお願いします🙇♀️」
貴子「本当にごめんなさい🙇♀️、許されない事をしてしまいました。もう弁解の余地はありません。でも一生を賭けて償わしせて貰えないでしょうか、心からお詫びします。この通りです。🙇♀️」
義父「こんな状態なもんで、離婚届けもまだ未記入のままなんだよ、、、
でも許されないにしろ、このふたりの想いも聞いてやって欲しいと思ってね、
今日は嫌だろうとは思ったんだが、
来て貰ったんだよ、ごめんね、、、」
義母「恭平さんの気持ち、痛いほど分かるのよ、恭平さんには本当良くして貰ってましたから、、、貴子からあなたの愚痴なんて一度も聞いた事がないのよ、、、
それだけこの子は幸せにしてもらってたと思うんだけど、、、こんな事してしまってねぇ〜、一度の間違い、、、
だけど、、、なんとかならないものかねぇ〜」
恭平「………申し訳ないですけど、、、
もうな〜んにも要らないんですは、
自分の生命さへどうでもよくなりました、、、もう最愛の妻も、大好きだったお父ちゃんも、、、もうオレには何も無いんですよ、なーんにも、
アハハハーーーッ🤣🤣🤣」
恭平は気が狂ったかの様に笑った
笑って座敷を歩き廻る
そして勘八を殴る、蹴る
貴子にも殴る蹴る、、、
恭平「アハハハーーーッ🤪
こんなの人間じゃねーは‼️ボコッ👊
何だこれ⁉️ボコッ👊」
義両親は完全に引いていた、、、
恭平は気がふれた、狂ったと
そう思っただろう、、、
しかし、それも無理はない、、、
それほどの事を彼等はしてしまったのだから、、、
しばらくは静観するしか無いと義両親は思っていた
そして恭平の首に血が固結した切り傷がある事に気づいた
本当に死のうとしたのだと、、、
散々暴れ回った挙げ句、疲れて、
膝をついて座り込んだ恭平、、、
義両親はその機を見計らって、貴子に離婚届けを記入させる
貴子は渋っていたが、
恭平の奇行を見て記入せざるを得なかった、、、
それほど貴子がした事は残酷な仕打ちだったのである
義父「恭平くん、ほら、離婚届け、記入させたから、、、ほら、、、」
恭平はその離婚届けを無雑作に奪い取り、義実家を去って行った、、、
失意と狂気の中で何とか家にたどり着いた恭平、、、もう何もする気が起きない
廃人の様に時を過ごす日々
心配はされても、誰も手を出しはしない
冷たいものである、、、
…つづく…
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