静なる狂気 第9話 狂気の果て
卓郎の病は治癒しない、、、
なので仕事も出来ず、
闘病生活を送る毎日がつづく
精神状態も良いわけがない、、、
卓郎「オレがこんな状態で、、、
スマン、スマン、、、もうどうしたらいいか、分からん、、、💦💦💦」
紗代子「仕方ないじゃない、、、
だから今は、まずは心穏やかに、療養しないと、、、」
卓郎「こんな自分が情け無いよ💦💦」
紗代子「今は何とかなってるからさ
家政婦の仕事、良いお給料貰えてるから
安心して、、、ねっ、、、」
卓郎「………、お前、アイツと出来てんだろう❓もう分かってるよ、家政婦しに行って、ハメられて来るんだろ❓」
紗代子「何言ってんのよ、あの人はそんな事しないは、、、
アンタと違うのよ‼️、、、
あっ‼️、、、ご、ごめん」
卓郎「何がごめんだよ、元夫だろう⁉️、やられたっておかしくないじゃないか⁉️嫁さんに分からんようにすりゃええんやから」
紗代子「あたしね、こないだちょっとセクシーな格好して、色っぽい仕草してみた事があるの、、、誘ったってわけじゃないけど、真希さんって今の奥さんに対抗してみたくなってさ、、、」
卓郎「ほら見ろ、やっぱり、やろうとしてんじゃねーかぁ‼️」
紗代子「違うのよ、誘ったみたいになっちゃったけどさ、対抗したのよ対抗‼️
そしたらあの人
"オレは弱った男の女に手を出すような卑怯なマネはしない"って言われちゃってさ、、、もう違うのよ、、、住んでる世界が、、、」
卓郎「クソッ‼️そこまでしてたんか‼️お前‼️そりゃ断られただけで、やったのと変わんねーんだよ、それ‼️」
紗代子「だって、わたしだって精神的にはいっぱいいっぱいなのよ、、、元夫が幸せそうに今の奥さんと仲良くしてるの見なきゃなんないの、たまらなく悔しいはよ‼️」
卓郎「ほら見ろ、やっぱ心はもうアイツの方に行ってるじゃねーか‼️」
紗代子「そんな事しても、思っても、
相手にもされないは、、、わたしはもう恋愛対象じゃないのよ、、、分かるでしょ❓もう、人間のレベルが違い過ぎて、会話すら成り立たない事があるほどよ」
卓郎「それはオレのレベルが低いって事だろ‼️あー分かったよ‼️そうそう、
オレのレベルが低いんだよ‼️」
紗代子「そりゃわたしも一緒でしょ❓
あんただけが低い訳じゃないから、
安心して、、、」
卓郎「クソッ‼️クソッ‼️クソッ‼️
もうやってらんねーなぁ‼️」
そんな不機嫌な卓郎をあやしながら
家政婦の仕事をしては帰る毎日
そんなある日、電話がかかってきたので出ると、なんと警察からである
誰かが、事件に巻き込まれたのかと
期待した性悪女の紗代子だったが、
一瞬にして表情が凍りつく、、、
紗代子「はい、、、はい、、、はい、
そ、そ、そんなーーーッ‼️
わ、分かりました、向かいます、はい」
大声に驚く真希
真希「ど、ど、どうしたんですぅ⁉️」
紗代子「夫が、夫が、夫が、、、
死にました、、、じ、じ、自殺です、」
真希「じゃあ、すぐに帰りなさいな
ここの事は全部わたしがやっておくから大丈夫よ、さぁ、早く早く」
卓郎の自殺による死は、真希の口から洋平に伝えられた
そして卓郎から洋平に宛てた手紙があると言う、、、
それには、
こうなってやっと自分の犯した罪の深さに気付かされた、
そしてあの時、
裏切られた洋平の気持ちが分かった様に思うと、、、
なので自分は死を以て償いたい、、、
そして、どうか紗代子を許してやって欲しいと、、、
さらに、残された家族をなんとか助けて欲しいと、、、
書いてあった、、、
なんか無理矢理に美化したような
そんな胸糞悪い想いが湧き上がってくる
洋平の想い
どんだけ自分勝手なのか❓
勝手に死んで、それで何を償った事になるのか❓そんなもの、何にも償えない、、、なんの意味もない
それで紗代子を許せと、、、
どの口が勝手のええことほざいとんねん
そんなもん、絶対に許さねー
家族を助けてやってくれ❓
お前はどこまで自分勝手なんだよ
だって関係ねーだろう、もう
離婚してんだよ、、、
オレが助けるのはふたりの自分の子供達だけだ、、、それ以外は知らん
それは天命の時が来たのである
洋平は家政婦としての紗代子を解雇し、親権の譲渡を提案した
洋平「紗代子、家政婦はとしての君を解雇する。彼はもう居ないのだからその必要はないだろう、そして君にはあの二人の子供を育てられない、よって親権を私に渡してくれないか」
紗代子「わたし達はどうやって生きて行けば良いのよ‼️そんなの卑怯よ‼️」
洋平「あの二人はもう15歳を超えている、親権は彼ら自身でどちらに行くか決められるんだ、それが法律ってもんだろ❓」
紗代子「あの子らはあなたについて行くって言ってるの⁉️」
洋平「ああ、本人に確認済みだ」
紗代子「そ、そんな、、、」
洋平「これでキッパリお別れだ、
長い事、世話になったな、ありがとう
そしてご苦労様」
その話を加奈子と翔真が聞いていた
加奈子「お母さんはお父さんを裏切って私たちとお父さんを引き離したんでしょ❓、私達には戻る権利、あるよねー」
翔真「だってお父さんといた方が色々勉強になるし、、、」
加奈子「翔真は真希さんに可愛がられたいんだもんねー」
翔真「こらっ‼️それを言うなっ‼️」
加奈子「アハハハーーーッ図星だったね、、、」
後日、弁護士を通して手続きが行われた
そして無事に親権は洋平のものとなった
そして紗代子と卓郎の子供達は全く違う人生を歩む事になる
二人子持ちのシングルマザー、アラヒィフになろうとしているデブス女に手を出す男は中々居ない
紗代子は新しく仕事を見つけて働いてはいたが、パート勤務しかなく、それほど収入は得られない、卓郎の長女が高校を出て進学を諦めて就職し、家計の支援をしているという、長男は将来的に家を出ると言っているらしい
そして洋平と真希のところへ加奈子と翔真が来た
それぞれ学校に行っているので住まいは別々なのだが、暇があれば帰ってくる
真希の手料理が美味しいからだろう
休日は泊まっていく事もあるし、先日は加奈子が彼氏を紹介しに連れて来た
翔真は夏、冬の長期休暇には帰ってくる
そして、洋平は翔真に会社の将来を託そうと考えているようで、今からその教育に余念がない、
大学進学後には留学も考えている様である
因果律とは単純にみえて深いものである
どこに居ても、どれだけ時間を隔ても
自分が他人にした事が、
自分の結果として帰ってくる
…つづく…
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