砂の道 第6話 勘八
恭平は廃人の如く生活している、、、
恭平には姉がいる、少し離れた街へ嫁いで行ったのであまり交流がない
その姉が義実家からの連絡を受けて、
やって来たのである
姉の名は杏奈、3歳上で気も強い
そんな姉が遥々実家の街へやって来たのである
姉の杏奈は事情を慮って、
実家へは行かず、
恭平のところを訪ねて来た
杏奈「恭平、、、おい、恭平、、、
恭平ったらっ‼️、、、もう、
どうなっちゃったのよ、、、」
恭平「あ、ああ、姉ちゃんかぁ、、、
どうして来たの❓、、、」
杏奈「義父さんに話を聞いてね、
これは放ってはおけんと思って、来たのよ、あんた大丈夫かね、、、」
恭平「大丈夫な訳ねーーーだろう❓
聞いたんか❓貴子とオヤジの話し、
もうオレどうでもええは、なーんも
やる気せんからな、、、どんなことも
一生懸命やる事が無駄なんだは、
何やっても、なんも実らん、ひとつも
ええ事なんてないんだは、、、」
杏奈(コリャかなり重症だな、、、)
杏奈「そんな事あるかい、
諦めんかったら最後はちゃーんと
花も咲くし、実もなるんやぞ
ええか‼️人生諦めたらいかん‼️
兎に角前に進む事だよ、アイツら踏み台にしてのし上がるんだぞっ‼️
お前の人生はまだまだ永いんだ、」
恭平「………」
杏奈「はぁっ、、、ダメだコリャ😮💨」
杏奈は夫に許しを得て、姉として、しばらく恭平に寄り添う事にした
部屋を片付け、掃除をしてし、晩御飯を作っている時、電話がかかって来た
杏奈「もしもし、〇〇ですが、、、」
警官「もしもし、あー、こちら〇△警察署ですが、恭平さんおられますか❓」
杏奈「はい、おりますが、、、
今、ちょっと受け答え出来る状態ではないので、私は姉ですが代わりにお聞きしますが、よろしいでしょうか❓」
警官「ああ、そうなんですか、、、
は、はい、大丈夫ですので、、、
お伝えしますが、心落ち着けて聞いて下さいね、
先程、お父様がお亡くなりになっている状態で発見されました。
〇△公園の山辺の木で、首を吊っておられまして、
今、〇△病院に運ばれていますので、直ぐに来て頂けますか❓」
杏奈「え、ええーーーっ‼️
し、死んだんですかぁーーーっ‼️」
警官「は、はい、ご愁傷様です、、、」
杏奈「わ、分かりました、、、
直ぐに向かいます‼️
ち、ちょっと、恭平‼️
お父さん、お父さんが死んだって‼️
自殺だって‼️、病院行こう‼️
早く‼️、、ほら‼️」
恭平「ぬぁにーーーっ‼️自殺⁉️
オヤジが死んだーーーっ⁉️」
杏奈「兎に角行くよ、ほら」
恭平は姉の杏奈に引き摺られる様に
病院へ行った、、、
そこは病室ではなく霊安室
警官の付き添いの元、本人か確認が行われる
顔に被せられた白布を取ると
そこには自殺ながら安らかに眠る父親の顔があった、、、
杏奈「うぐぅっっ、、はい、間違いありません💦💦💦」
恭平「何だよオヤジ‼️これで罪滅ぼしのつもりかぁーーーっ‼️そんなもんで許される訳ねーだろーーーッ‼️💦💦💦」
恭平は床に膝を付いて泣崩れていた
杏奈「恭平、アンタも辛いけど、
お父さんも苦しんだんだよ、
自分のしてしまった事、、、
お前を傷つけてしまった事、、、
ぜーんぶ背負って生きようにも、
その重荷に耐えられなかったんだよ」
恭平「そんなーっ、そんなーっ、
そんな事ってあるかよーーーっ‼️
オレは誰を恨めば良いんだよ‼️
何処にこの怒りをぶつければ
良いんだよーーーっ‼️
あーーーーぅ💦💦💦
あーーーーぅ💦💦💦」
そして静かに誰の参列も無く、杏奈によって簡単な葬儀が行われた
葬儀には参列者は呼ばなかったが、ひとり式場の外から手を合わす者がいた
貴子である、、、
貴子は黒い服装で、式場が見える隣りの駐車場から手を合わせて祈っていた
貴子「お父さん、、、🙏
ごめんなさい🙏わたしがしっかりしていれば、ちゃんとお断りしていたら、、
こんな事にはならなかったのに、、、
💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦」
貴子の涙は止まる事なく流れ続ける
💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦💦
そして手を合わせて出棺を見送った
普通、カランカランカランカラン
と出棺のベル🔔が鳴るのだが、、、
何の音もなく、霊柩車のエンジン音だけが、響いていた
そして、勘八は骨💀になった、、、
貴子の胸には恭平を最悪の形で裏切ってしまった事と、さらに勘八を死に追い込んでしまった事が重圧となって、
のしかかっていく事になる、、、
こんな日の夕陽はむごい
涙で腫れた貴子の顔を映し出して
夕陽は沈んでゆく、、、
貴子は肩を落として、
俯いて帰って行った
…つづく…
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