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【大人】植物学① 全身で森を感じる ~植物学の前に~


▼森を満喫してみる、誰にでもできる方法

子どもと一緒に、ちょっと近場の森にピクニックに行ったりすると、子どもは放っておいてもすぐ遊び始めます。何かに夢中になって、親の事なんか全然眼中にない、なんて時もありますよね。

子どもを視界の隅に置きながら、まぁ、コーヒーでも飲もうかな、なんて時。せっかく森にいるんだから、一人でこっそり森を満喫したり、植物と戯れてみてもいいかもしれません。もちろん、誰かと一緒にやれば楽しさ倍増です。

この日、神戸シュタイナーハウスでは、子どもクラスが植物学を学ぶために森に行くというので、送迎を兼ねて、大人クラスでも森の中で植物と親しんでみることにしました。町から車で15分の六甲山中。ところどころにベンチや藤棚もある、森の中の公園、というような場所です。


▼ビルの中と森の中
~感覚の翼をグングン伸ばしてみる~

町の中では、いろんな感覚を閉じて暮らしています。刺激が多すぎて、全部受け取っていると疲れてしまうのです。町のスクランブル交差点なんかを渡る時には、感覚を鈍らせるどころか、防御姿勢になったり(たまに攻撃姿勢の方とすれ違ってヒヤリとすることも)、道を歩くだけでストレスを感じたりする事もあります。

一方、森の中では、木々や風や空や雲や太陽の光や土や…に囲まれて、呼吸も深くなり、いろんな感覚が開放されていくのを感じます。隣の人の感情とか、自分の姿勢とか、繊細に言葉を選ぶとか、五感を越えたいろ〜〜〜んな感覚がイキイキと目覚め、柔らかくなっていく方も多いのではないでしょうか。

え、森や公園は退屈? スマホひとつであらゆるコンテンツにアクセスできる時代、自分で何かをしなくても、際限なく楽しませてもらえますものね。誰かの作ったものに遊んでもらう状態に慣れてしまうと、自分から何か能動的に繰り出して遊ぶ森の中で、どう楽しんでいいのか戸惑ってしまうのも無理はありません。

日ごろ、やるべき事に追われて、せっかく「何もしなくていい」状態に身を置いているのに、時間と空間が与えられると自分から楽しめないなんて、もったいない! とりあえず、キレイな石や珍しい虫でも探してみます? 小枝をポキポキ踏みながら歩いてみます? それとも、いっそ、寝そべって目を閉じてみましょうか。

【WORK 1】
その場で目を閉じて、いろんな感覚をスイッチオン!
「何が見えますか?」

というわけで、早速、森の中で目を閉じてみましょう。さて、何が見えますか? え、目を閉じるのに何が見えるか? 何を聞かれてるかわからない!
普通、そう思いますよね。私たちは普段、圧倒的に視覚情報に頼っているので、今日はまず手始めに、視覚のスイッチを切って、目以外のいろんな感覚器官のセンサーがどう動いているのか確かめてみましょう。

一般的に、感覚器官は五つあると言われています。シュタイナーは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感に加えて、バランス感覚や生命感覚、言語感覚など、全部で十二の感覚があると言います。目を閉じて、呼吸を整えて、心をまっ白にして。音、温度、匂い、肌ざわり…、さあ、目以外の感覚で何がキャッチできるでしょうか?

……遠くで楽しそうに話すお年寄りたちの笑い声、
風が横を過ぎていく涼しい感じ、
太陽の方向の眩しさや熱の違い、
あらゆるものをしっかり支えてくれている大地の頼もしさ、
遠くのアレは水音? あの低く続く人工的な音は何?
ベンチの傾き、足裏の小石、隣の人が集中してる感じ、
あ、虫が近くを飛んで行った。
自分の耳の中や指先で規則正しく脈打っているのもわかる!

同じ場所に何種類かの鳥がいることも、
その鳥がこういう鳴き声だという事も、
あっちの鳥が鳴きかわしている調子が、
こっちの鳥たちと似ているということも、
目を閉じて、初めて気づいたことでした。

これ、実は森に行かなくても出来ます。近くの児童公園でも、河原でも、何ならご自宅のベランダでも。視覚以外の感覚で、何をどう感じられるか、機会を見つけて試してみてください。

でも、やっぱり自然の中が楽しいけどね! 次回は実際に植物を見てみましょう。

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オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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