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【大人】動物学① ~大人のための動物園実習~

神戸シュタイナーハウスの活動で、子どもクラスが動物園に行くことになりました。せっかくなので、送迎がてら、大人クラスも動物園でできる活動を考えてみました。と言っても、もう動物園なら動物学にキマリです! 

▼動物を通して何を学びたいのか

活動は毎月1回。毎回オリジナルで、私たちならではの活動内容を考える、というチャレンジを続けています。手探りの探り始めに、まずはシュタイナーやシュタイナー関連の先生たちの本から、動物について言及しているところを探して読んでみました。
  ・『一般間学』 12講
  ・『オックスフォード教育講座』 第5回
  ・『人間理解からの教育』 Ⅲ-2 動物学 など。
…その他、アレコレ。

動物を学ぶ、と一口に言っても、そもそも私は何を学びたいのかな? そこがまず謎でした。上記のテキストをあれこれ読んだり、人と話しているうちに「動物を知るということは、人間と動物の違いが際立つということだから、動物を通して人間について、自分について知って行けるはず!」、という目的が決まりました。

その目的のために、当日までに以下の準備をしました。

・上記の本を読んで、自分なりに理解を深め、エッセンスをまとめたレジュメを作成。
・その言葉を実感するために、動物園でのワークショップを考える。
・記入用のワークシートを作成してコピーする。
・台紙変わりのバインダーと筆記用具を人数分持参。
・タイムスケジュールのイメージ作り。

▼大人クラスの動物園実習~♪

当日は、残念ながら大雨でした。ただ参加された大人のみなさんは「雨の動物園って初めて〜」と、土砂降りの中でもまるで気にしない感じです。というのも、親になって、子どもを動物園に連れて行くことはあっても、子どもが迷子にならないよう、常に子どもを見ていて、ゆっくり動物を見ていられないからです。

今回は、大人だけなので、親も遠慮なく動物が見られるはず。もしかして、私は今まで、心ゆくまでじっくり動物を見たことが一度もなかったのではないかしら。

子どもがあちこち走るのを追いかけながら「ほらほら、パンダが動いたよ!」だの「お猿の赤ちゃんカワイイね〜♪」だの、自分の見たものを子どもにも見せたくて、もしかして子どもの邪魔をしていたのかもしれません。そして、自分が見たものと言っても、実は通りすがりに外から見える動物の形や動きばかりだったように思います。

今回の動物園では、ゆっくり動物を見てみましょう!

▼こんな方法で動物を見ました

単純に「動物をゆっくり見る」と言うのではなく、具体的な見方のポイントをまとめ、観察過程を記入できるプリントを配布しました。それを参考にして、ポイントを絞って動物を見ていくことにしす。目で見ることに加えて、感じることも、考えることも、知ることも、フルに使って、動物に向き合ってみます。

具体的な見方は、以下のとおりです。

・好きな動物、嫌いな動物、気になる動物を、2~3種ずつリストアップ。
・その中から、動物園の園内マップを見て、今から見に行く動物を2つ決める。
・1種につき最低10分(目安。もっと長くてもいい)は動物と向き合い、見てわかること、気づいたこと、特徴を、できるだけたくさん具体的に書き出してみる。
・檻にある看板を見たり、スマホで調べたりして、その動物が住んでいる場所、食べるもの、習性などを知り、本来の姿に想いを馳せる。
・その動物の性質を見つける。残忍?やさしい?せわしない?ノンキ?
・その性質と自分の共通点はあるか?
・「似ている度」をパーセントで書いてみる
・その動物を外から見るだけではなく、中に入ったつもりで、なりきってみる。いわば「動物瞑想」。その動物にひたすら寄り添ってみる。

このような動物の見方を提案しました。見る動物は2種類の予定ですが、1つの動物をずっと見ていて時間切れになったらそれだけ深く見たということなので、それでもOKです。30分後に集合することを伝えて、各自園内にGO!

この日は大雨。子どもも少なく、檻の前の最前列かぶりつきで大人が一人で動物を見ているのにも遠慮は要りません(^^)。その点はむしろ、人がまばらな雨の日で良かったくらいです。

▼次回予告:見た事と言葉が結びつく

次回「動物学②」では、集合してシェアした内容 ~各自が向き合った動物について、どう見えたか、どう気になったか、何を教えてもらえたのか~と、シュタイナー周辺の動物学の言葉、そこから私たちが何を学んだのかをお伝えします。

動物についての乾いた知識が、実際にじっくり動物と向き合うことでどんな色合いを帯びるのでしょうか。次回もお楽しみに!

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オキツ 神戸シュタイナーハウス代表 大人クラス担当
小さな勉強会や書くことに関する仕事、普段の暮らしなどを通して自分の考えを深め、表現する。その結果、自由で愛のある社会に近づけるといいな。
ブログ毎日更新中。https://blog.goo.ne.jp/oneby1
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