俺が好きなジャンルの話

フュージョンは音楽ジャンルとしてほぼ死にかけてる。そもそもフュージョンという言葉を聞いたことある人間が現代にいるのかどうかすら怪しいレベル。3〜40年前まではかなり人気があった。リー・リトナーやラリー・カールトンはもちろん、カシオペアとかTスクエアとか、和製のバンドも隆興した。シャカタクとかレベル42あたりのポップ色の強いバンドも、まあフュージョンの範疇だった。それが90年代に入って、ビーイングとか小室とかの曲が流行るようになって、イギリスではブリットポップ、アメリカではグランジがトレンドになってからフュージョンブームはスパッッッッッッと絶たれてしまった。そして今に至るまでフュージョン系統のバンドが売れたことは一個も無かった。はず。

そもそもフュージョンがどんな音楽かというところに原因がある。フュージョンは日本語に訳すと融合という意味で、まあまんまいろんなジャンルの融合である。ただ言語的にはおんなじ様な意味のミクスチャーロックのミクスチャーの意味がラップを軸にしてるのと同じで、フュージョンの場合はジャズを軸にしてロックとかポップとかと融合させた音楽という意味で使われる。誰かのツイートで見たけど、ジャズを最大限までポップに昇華させたのがフュージョンという意見もある。まあとにかく、ジャズが好まれて聴かれない昨今なのでフュージョンも聴かれることはないというからくりである。技巧派のミュージシャンが技術を駆使してポップな曲を弾くけど、リリックも無いので特に盛り上がることはない、天気予報のBGMにしてみたらいい感じに落ち着く、そんな感じの音楽。

確かにフュージョンは意識して聴いてたら退屈かも知れない。フュージョンとかマジでスーパーの鮮魚コーナー辺りにでも流しとけやとか言われるかも知れない。ジャズとかプログレとかも含めて、インストが主の音楽ジャンルというのは今後売れる可能性は皆無に等しいかも知れない。それでも俺はフュージョンを崇め続けたい。スティーブ・ガッドやバーナード・パーディから影響を受け続けたい。トム・ミッシュの新譜を待ち続けたい。そんな気持ちで今日も生きています。フュージョン大好き。


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