一瞬に生きたホモ達 〜Frankie Goes To Hollywood〜


フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(Frankie Goes To Hollywood)というキワモノバンドを紹介させていただきます。活躍した期間が短かったため知名度は少々低いのですが、1980年代中盤に強烈なヒットを飛ばしたイギリスの伝説的バンドです。彼らは同国の他のバンドと共に有線に乗って海を渡り、徐々にアメリカのチャートを支配していきました。俗にブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれます。この波に乗ったバンド達は概して曲者揃いの異端児揃いでしたが、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(長いので以下FGTH)もご多分に漏れず激烈な異彩を放っていたバンドでした。

まずFGTHのメンバーにはゲイがいます。6人中2人なので1/3の割合でいます。そもそもこの手のバンドにはホモが割と多かったのでそこまで珍しくは決してないのですが、しかし決定的な違いはこのバンドのファッションが雄々しいゲイ、つまりはタチ側だったことにあります。同時期に活躍したカルチャー・クラブ、デッド・オア・アライブというバンドのゲイはどちらかというとネコ側のファッションであり、ゆえに女性人気も高かったのですが、FGTHは全く違いました。男らしさ全開の髭が似合うポール・ラザフォード、そしてスーツと白手袋でビシッと決めたインテリ系ホモ、ホリー・ジョンソンの両ボーカリストは、どう見ても女向けの様相を呈してはいなかったのです。

彼らはゲイを前面に押し出して活動していましたが、勿論それだけで売れたわけではありません。プロデューサーであるトレヴァー・ホーン(元バグルス、イエス)主導で作られた力強い、前衛的過ぎるシンセサウンドに加え、非常に際どいエログロ的な世界観や厭戦的な歌詞は当時大きな話題を呼びました。例を挙げると彼らの最大のヒット曲「Relax」の歌詞は同性愛者によるSM行為を描写したものとされ、NHKを含む世界の多くのテレビ局で放送禁止となりました。にも関わらず世界中で大ヒットを記録したのが、当時の彼らの勢いを表していますね。

その「Relax」を含んだアルバム「Welcome To The Pleasuredome」は全英1位を獲得しましたが、その後アルバムは一枚しか出さず、それも前作ほど売れないままひっそりと解散しました。一発屋という評価を受けることも多いですが、彗星の如く現れ一瞬にして世界中でセンセーションを起こした彼らの楽曲は、今もなお人々に愛され続けています。多分。

他の代表曲(収録アルバム)

Two tribes(Welcome To The Pleasuredome)

多分2番目くらいに売れたシングルです。ソ連国家みたいになるところが面白かったです。

Welcome To The Pleasuredome(Welcome To The Pleasuredome)

17分くらいあるプログレっぽい曲。トレヴァー・ホーンのイエスでの経験が生きたんでしょうね。知らんけど。


個人的にはドラムマシンの使い方が凄く斬新で好きです。スネアをそこまで強くせずにバスドラの重さだけでノリを出したりとか、クラップを多用したりとか、人が叩いてないのに(一応、ドラマーはいるけど)強烈なグルーブがあるので、練習してて勉強になります。


飽きたので次はまた今度

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