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【BBG】BBGセッション11月「カラダCOLORS」ショーイングレポート(前編)|りきや

2023年11月26日 晴れ
BBG(Blue Berry Garden)黒岩にて振付家・ダンサーの鈴木ユキオさん振付演出によるコンテンポラリーダンスショーイング「カラダCOLORS」を開催しました。今年度の集大成となったショーイングをレポートいたします。ちなみにショーイングレポート前編の写真は、詩人/朗読家のGOKUさん撮影です。GOKUさん、ありがとうございました!

「カラダCOLORS」振付演出の鈴木ユキオさん
ダンサーの安次嶺菜緒さん

2023年の春より15名のメンバーが定期的に集い、鈴木ユキオさんのメソッドと向きあって来たBBGセッションも、いよいよ最後のショーイングを迎える事となりました。この日は午前中から集合して、ワークショップやリハーサルを行います。

これまでのBBGセッションを写真とキーワードで振り返る展示

会場の破戒劇場には、これまでのBBGセッションレポートで使った写真と鈴木ユキオさんがワークショップの中で語ったキーワードも添え、BBGセッションでの積み重ねを展示しました。

いつものストレッチで、カラダと向き合うBBGセッションメンバー
鈴木ユキオさんのワークで、空間やカラダの感覚をそれぞれが掴む

BBG黒岩のキッチンではケータリング担当の高橋早紀さんが、朝からスープやおにぎりなどのご用意をしております。野菜を切ったり炒めたりする音がキッチンに響き、美味しい匂いは破戒劇場にも流れていきます。素材の鮮度や品質にこだわり、とても優しい味わいの早紀さんのお料理は、お腹も心も満たしてくれます。

BBG黒岩のキッチンで、ケータリングの準備をする高橋早紀さん
根菜たっぷりのスープは、カラダも心も温まります
佐久市で早紀さんがお仲間と育てた、無農薬無肥料の美味しいお米

ショーイングのお客さんの席を確保する為、子供達の遊び場は、いつもとは別の場所に移動しました。大人たちが真剣にコンテンポラリーダンスに取り組む会場の片隅で、子供達は仲良く遊んでいました。子供たちは既に何回か一緒に遊んでいる為、お互いに打ち解けた雰囲気が感じられました。

おもちゃコーナーを、いつもと違う位置に移動しました
大人たちがワークショップをする会場の片隅で遊ぶ子供たち

ショーイングに向けての打ち合わせでは、鈴木ユキオさんから事前に伝えられていた構成に沿って共有していきました。
ショーイングは、ブルーベリー直売所のあちこちでおこなわれているソロダンスからスタートする構成です。直売所の庭やブルーベリー畑などの野外も自由に使って、それぞれがソロダンスする場所を決めて行きます。それぞれ自分が決めた場所で、自分が決めたモノやイメージに「動かされる」ソロダンスです。

ソロダンスの練習をする前田斜めさん
ソファーでソロダンスの練習する神津利恵子さん
木の上のステージでソロダンスの練習する森田芳文さん

風・椅子・木・葉っぱなどそこにあるモノや、そこにはない夏の暑さ・犬・虫のイメージなどを感じてカラダが「動かされる」個々の感覚をソロのダンスで表現します。ショーイングのオープニングは、お客さんが自由に観て歩く形式で始まる段取りです。

直売所スタジオでソロダンスの練習する司白身さん
テーブルの上でソロダンスの練習する小松順子さん
山﨑到子さん
戸谷ひかりさん

それぞれがソロダンスを踊っている所に、鈴木ユキオさんや安次嶺菜緒さんが、踊りに加わりイメージに重なりに行きます。そしてダンサー達は、次々と破戒劇場に集まっていきます。ショーイングをスムーズに始める為には、お客さんを客席へさりげなく誘導する、スタッフ達の協力も必要になります。限られた時間の中で、鈴木ユキオさんからショーイングの段取りが的確に伝えられていきます。

鈴木ユキオさんが振付や構成を伝えます
点から線へ、素早く瞬間を捉えるダンス
音響のオペレーションをする安次嶺菜緒さん
モノとカラダのダンス
本番に向けて段取りを確認して共有します
伊東昌恒さん
事務所では運営スタッフも打ち合わせ

順調にリハーサルを終えてお腹が空いた頃、お昼休憩になりました。高橋早紀さんのケータリングを、美味しく堪能する時間です。皆で食べる時間を共有する事で、直売所に温かで穏やかな雰囲気が広がりました。

高橋早紀さん
稲井咲紀さん
安次嶺菜緒さん(左端)  大村麻弥さん(右端)
水野安実さん(中央)  前田斜めさん(右端)

お昼休憩中の小松順子さんと神津利恵子さんへ、キザムさんにインタビューをしていただきました。BBGセッションに参加して、お二人はどんな事を感じているのでしょうか?

神津利恵子さん(左) 小松順子さん(右)

小松順子さんインタビュー
【質問1】BBGセッションに参加して自分で変わった所は、ありますか?

【小松さん・1】去年までも参加していて、去年と比べて変わったなって言うのは、メンバーが固定化してきたので、去年までは毎回違う人が参加していたんだけど、今年は割と固定したメンバーが集まっているので、なんか積み重なっていく感じがあったと思います。段々同じメンバーで日々重ねて来て、積み重なり感があるなって思います。

【質問2】これから、更に何かしてみたいと言う希望みたいな事、ありますか?

【小松さん・2】月に一回くらい来て貰ってワークショップやるんですけど、その、ちょっと間が空いちゃうので、2~3日でもいいんですけど、ワークショップを。今日の発表みたいに、最後だけでも何日か続けて、皆で出来ると良いかなぁと思います。

【質問3】この場所でやって、魅力みたいな事って何かありますか?

【小松さん・3】なんかあの、知り合いの人の家に行って踊ってるみたいな感じ、気楽だし何かホールとかで、閉ざされた中で踊るのと違って、四季とか自然とか感じたりとか、寒いと辛いし、暑いと大変だけど、それはそれで。まあ、ダンスの始まりってたぶんお祭りとか、そういう時の踊りから来ていると思うから、そういうのに近い様なイメージはあります。良いと思います。


神津利恵子さんインタビュー
【質問1】BBGセッションに参加してみて、私生活とか考え方で変化した事ってありますか?

【神津さん・1】そうですね。人に合わせなくてもいいなって思いました。自分は自分で、時に個性的であっても。なんか、人に合わせる傾向が日本人はあるのかな。やっぱり、でも合わせなくてもいいのかなって思います。ダンスも皆で合わせてやるダンスって言うのもあるじゃないですか。そういうのでなくてもいいかなぁって、自分でやりたい事をやってもいいのかなって、考える様になりました。わざわざ合わせなくてもいいかなぁ。

【質問2】コンテンポラリーダンスの魅力、ユキオさんのワークの魅力ってなんでしょうか?

【神津さん・2】自由に動いていい所。うん。そうです。自由に、それも否定もされないし、認めて貰えるのは嬉しいじゃないですか。上手く言えないですけど。

【質問3】この場所でやってみて、いいなって思う事ってどんな事でしょうか?

【神津さん・3】自然が近いので、そういう影響は凄く受けられると思います。だけど、ちょっと寒かったり暑かったりはありますけど。開放的ないい効果は、沢山あると思います。外で踊りたくなるよね、時々ね。

根菜たっぷりスープを飲むキザムさん
なみさん(中央)

鈴木ユキオさんには、なみさんがインタビューしました。BBGセッションに関して、どの様な手応えを感じているのでしょうか?

鈴木ユキオさんインタビュー
【質問1】今日これから始まるにショーイングに対して思う所とか、意気込みとかありますか?

【ユキオさん・1】なんか、「作品です」って感じにはしたくなく。今日の最初のアップの時間なんかも凄くいいなぁって思っていて。結構前半のアップとか皆でやっている時間とかが、凄く意義がある感じがするんですよね。皆のカラダが凄く生き生きしているし、それを皆で一番大事にして。一人一人の時間もあったりして、上手く伝えられたらいいなぁって気持ちで、ディレクションさせて貰ってます。カラダの状態が単純に観てて面白いし、プロセスが一番大事だからね。

【質問2】去年まで単発でやってきたワークショップが、今年は継続になった事で感じる事とか違いってありますか?

【ユキオさん・2】休みがあっても、基本的に参加出来る人って事にしたんだけど。それは、やっぱり結果的には凄く良かったなぁって。やっぱり単発でOKだと、どれだけ進んでも初めての人に合わせる部分があって、進まない部分がやっぱりある。3年目とかだと、やっぱりもっと深く追求したい人もいると思うので、それに対して、皆がある程度共通して成長してきていると、始めから説明しなくても話が伝わるし、積み重ねる事が出来るって言う意味では、今回良かったなぁと。あと結果的に皆が気を使わなくてもいられる様な雰囲気になってきて、皆それぞれの時間を過ごせるし、皆で話をする時間も増えた気がするし、緊張感がほどけた上で付き合える良さがあったよね。黒岩さんのお母さんが豚汁作ってくれたり、何時までに出てくださいって事じゃないから、残って話したり出来るからね。ここの場所のアットホームな感じで、リラックス出来る所はあるよね。

【質問3】今回の参加者さんを観ていて、何か思う事ってありますか?

【ユキオさん・3】継続して来てくれている人のカラダが、圧倒的に変わってきたなって思っていて、この前、単発ワークショップで「佐久っとダンス」をやらせて貰った時に、凄く感じたんですよね。「初めまして」の楽しさも ももちろん良いのだけど、共通認識がある皆とカラダを動かしている一体感があるんだなぁって、特に感じて。この同じ場所でやったから、いつもとの違いを感じたね。そういう意味では継続する良さもあるんだなと思ったよね。


美味しいお昼ご飯の後は、いよいよショーイングです!
春から自分のカラダと向き合い、仲間とシェアする体験を積み重ねてきたBBGセッションは、どの様な果実を実らせるのでしょうか?(後編へと続きます)

皆で食べるおにぎりやスープの美味しさは格別です!

写真:GOKU

わかち座 BBG事業

農作物とアート作品を収穫するプロジェクト
企画・制作
わかち座


支援
信州アーツカウンシル
(一般財団法人長野県文化振興事業団)

令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業

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