SteamMewksの報告的な物 令和6年1月

挨拶

 あけましておめでとうございます。(今更)
 昨年もSteamMewksをご愛顧頂きましてありがとうございました。今年も変わらず、他所で見かけないようなトンデモなアイテムをご用意していこうと思う次第…まあ、しょっぱなからこれを覆す話になるんですが。
 まあ、Mewksや店主とお付き合いの長い方々からすれば「まーたなんか始めたぞ」くらいの大して驚く事でも無いんですが。思いついたら即実行こそSteamMewksですからね。

事のあらすじ

発端

 さて、SteamMewksは来年度で8年目を迎えます。4年前に活動休止を1年間挟んで活動の引き出しを広げることに集中していた為、連続で活動していた年数が3年しか無かったんですね。
 来年度は8年目となるということは活動の連続年数が未到の4年目に入る事となりまして、「コイツは新しいことをやる絶好のタイミングじゃねえか」と思ったわけです。
 加えて私生活の方で、結婚を控える形となったのでMewksの存亡や縮小を含んだ活動の見直しを考える必要ができました。もちろん続けたい意欲はあるんですが、それこそ未来の話として子どもでも授かろうもんなら極小の素材を多用するMewksの活動なんて危険すぎるので畳まなきゃいけないんですよね。それを見越して対策を考えないといけないな、という状況になったんです。

未踏の4年目

 去年度は原石や宝石を仕入れて、マクラメを集中的に作っていたのですが不景気や純粋な魅力的な意味合いでMewksの出す作品群はあまり売れ行きが伸びず、どうにも全盛期のMewksに到達するような面白いことができなかったんですね。
 毎度ながら「利益を出すこと自体が目的では無い」と掲げてはいるものの、結局活動を続けるのに先立つものは必要…それが限られてるリソースであれば当然、削減していくしか無いんですよ。
 そんなわけで白羽の矢が立ったのが彫金の分野。幸いなことにIJTや各種ミネラルショーで様々な知見を得ることができ、「自前で宝石を用意できるなら彫金も自前で行えば良いのでは」と思ったわけです。

彫金を始めてみた

 これまた幸いなことに、Mewksは祖父母が以前使っていた工房を昨年継いだもので、場所的な条件は整っていました。
 また技術に関しても、父の職業から様々な知識や経験を知る機会があり、最低ラインの工具の使い方や注意点などを身に付ける術も得ることができました。
 彫金に必要な道具類や正確な手順なども、昨今はハンドメイドが副業として広く受け入れられ始めた事で発信してくださる方々が多く、情報として集めやすい環境になった事で簡単に入門する事ができました。
 元々彫金の分野はMewks最初期から一つの目標として掲げていた事もあり、ついにそれに着手する事にした感じですね。

 ひとまず一発目はコレクションとして大量に所持している薬莢を指輪に作り変えられないか、という実験を始めたんですが、これがまた地獄の難易度でした。どう考えても最初にやる事じゃなかったです。
 なにせ円柱を平たい板材に変換する必要があるほか、刻印を消さないように打ったりと初心者が最初にやるにはとんでもなく難しいものだったんですね。やってみせましたが。

 見ての通り、刻印部分がボッロボロです。
コレじゃ話にならないので、どうしたら改良できるか…と試行錯誤。4つ目を作る頃にはさすがに慣れたもんで、売り物になるくらいにはなりました。
 リング部分は意図的にゴツゴツとした状態を残したのですが、これは「薬莢が綺麗だったら格好悪いよね」っていう店主の主観です。

薬莢リングが成功したら

 薬莢の指輪で地獄を見つつも、次の制作物に取り掛かります。
 Mewksでは以前から超極小のルースを仕入れる事が度々あったのですが、使い道に困っていたんですよね。それを消化する為に極小の石を使った指輪を作れないかと考察を開始したのですが。
 技術提供の父に初心者のお前にできるわけねえだろヴァカ”というニュアンスの煽りを受け、婚約者に“何言ってんだコイツ”という目で見られながら開発を続行しました。結果として金属のバリを使って石を止めるとかいうトンデモ技法を思い付いて実践してみたんですが、当然失敗。だったら力技だと2mmの石を無理やり覆輪留めする事で成功させました。結果として父も婚約者も驚いてましたが、驚かないのはたぶんMewksに毎回色々なものを見に来て下さる方々くらいだと思います。「まーたこいつわけのわからん技術持ち出してきたな…」はMewksの常連さん達の共通意見です。

2mmの石座も完成したら

 ここまで来たらリング部分のデザインを考えるだけなので至極簡単な話なんですよ。
 で、ここでMewks店主の理性が働きました。「ここで技術追求してるから、いつもトんでるデザインばっかになるんじゃね?」と。
 そこで、シンプルで精巧さに特化したモデルを作ってみたいと思ったんですね。

 いや、つまんねえな。
Mewksらしさのカケラも無い、無骨でシンプルなデザインになりました。シンプルなものが好きな人はいいでしょうけど、こんなもんうちに来るお客さん方が求めるわけがない。知らんけど。
その上、この手の宝飾品や宝石類のデザインについては母が凄まじくうるさいので試しに見せてみたところ「リング部分太すぎね?」と一撃で論外判定食らいました。
 とはいえ指輪のデザインは好みが大きく分かれる分野なので、デザインの一つとして残すことに。そして母に太すぎね?と言われた事から「じゃあ1mmでやってみよう!」と思いました。ロウ付けができないって理由で撃沈し、仕入れた1mm線の処理に追われる羽目になります。

 そんなわけで、1mmを捻って少し太くしたら良いんでね?と気付き、1.5mm程度の太さにデザインを変更。これは中々可愛らしいデザインになった気がします。
 母の判定は…「まあ良いんでね」。

>>>まあ良いんでね<<<

 この母親は店主をどっかのブランドの職人レベルとでも思ってるんだろうか。初めて1ヶ月立ってない人間にできるわけないだろうと。一方で技術自体は1ヶ月未満でやる事を既に超えてるとも評価されたわけですが。

そんなこんなありつつも

 ひとまず販売しても「ゴミ屋さん」みたいな評価は受けないものが完成し始めたので、もう少し練習を重ねて次の作品を作っていこうと思う次第。
 そんな事を考えながら在庫整理をしてたんですが、ファンシーサファイアが大量の余ってる反面で他の貴重な奴らを次々作って売れるかどうかもわからない状態で出すわけにはいかん…ってなりました。その販路を考えた時、

受注生産でやるか

書類用意めんどくせえな

ネット販売の仕組みを利用できないかな

となりまして。

 とりあえずURLだけ取得。年内で使えるようにしようと思います。

締め

 この1ヶ月は、こんな感じに活動していました。来月以降も彫金は引き続きで諸々作っていこうと思うんですが、3月にアイドール東京があるのでそっちの準備も進めています。
 彫金に本腰を入れる場合、ドール分野に宝石を使えなくなる可能性があるので、こちらは今後次第…というかMewks縮小を考えた時、ドール分野は真っ先に廃業する分野です。2mmのボタンとか針とか危なっかしいものしか無いですからね。

 そんな感じで今年も活動していきますので、改めてSteamMewksをこれからもよろしくお願い致します。

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