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自由とは、自由であるべく、不自由になる事である。-サルトル [①デッキ紹介編]

0.はじめに

皆さんは、長年使い続けている愛着のあるデッキはお持ちでしょうか。

私は、対戦動画の演者であることもあり、
スクラップ&ビルドの気質が強く、構築したデッキの殆どを
撮影後すぐに解体しております。

そんな私でも、かれこれ5年ほど、調整を重ねながら使い続けているデッキがあります。

今回の記事ではそのデッキを紹介しながら、長く持ち続けられるデッキとは何かについての考えをお話したいと思います。

1.デッキコンセプト

今回紹介するデッキの核となるコンセプトは、

"《DDD覇龍王ペンドラゴン》で聖刻をリリースしてランク7や☆8・9シンクロを使い分けながら闘う"

です。

まずは《DDD覇龍王ペンドラゴン》(以下、「ペンドラゴン」)の効果を見てみましょう。



ペンドラゴンは手札又は場からドラゴン族・悪魔族をそれぞれ1体ずつリリースして手札から特殊召喚できるモンスターです。

また、聖刻モンスターは共通効果として、「リリースされた場合、デッキ手札墓地からドラゴン族通常モンスターを特殊召喚できる」効果を持ちます。



即ち、これらを組み合わせることで、場に☆7闇悪魔のペンドラゴンと、任意のドラゴン族通常モンスターを展開できます。

ドラゴン族通常には、☆7モンスターは勿論、☆1.☆2等のチューナーも存在します。

したがって、聖刻で特殊召喚するモンスターを☆7かチューナーか選択することで、「ペンドラゴンと聖刻」の組み合わせから★7のエクシーズ又は☆8・9のシンクロを選択することができます。

また、ペンドラゴンは DDD専用サーチの地獄門の契約書が、聖刻モンスターは専用サーチ魔法である召集の聖刻印があることから、両者を継続的に手札に抱えることは非常に容易です。
即ち、状況に合わせながら、毎ターン、★7のエクシーズ又は☆8・9のシンクロを選択し展開することが可能になります。


3.コンセプトは"自由"

このデッキは、自由をコンセプトとしています。

"自由"という言葉には、2つの意味を込めています。

まず、先に述べた通り、同じ組み合わせから状況に合わせたモンスターを繰り出せる"戦術の自由度"。

そして、ペンドラゴンによりリリースするモンスターは「悪魔族」「ドラゴン族」であればなんでも良い、という"構築の自由度"。

構築の自由度とは、様々な構築が試せると同時に、様々な新規カードが採用候補になるということです。
極論、悪魔族とドラゴン族の新規カードは全て採用候補です。
また、戦術の自由度の高さ故に、相手によって様々な戦い方を選べるこのデッキは、明確な初動や展開ルートを定めていない為、何年使い続けても飽きが来ません。

この自由度故に、私はこの聖刻ペンドラゴンデッキを5年もの間使い続けることができているのだと考えています。

4.採用の選択肢:悪魔族

先述の通り、このデッキは好きな悪魔族とドラゴン族を組み合わせて構築することができます。

ここでは、現在採用しているカード、および過去に採用・検討されたカードをご紹介します。

・溶岩魔神ラヴァゴーレム、多次元壊獣ラディアン
ペンドラゴンの特殊召喚はルール効果ではなく起動効果であり、リリースはコストである為、《闇黒世界 シャドウ・ディストピア》の併用により、相手の場のドラゴン族・悪魔族をリリース可能。
壊獣(ラディアン)及びラヴァゴーレムは、相手のモンスターを悪魔族へ変換できる。



・三幻魔下級(七精の解門)
七精の解門のサーチとキュリオスの降臨を両立できるモンスター群。蘇生効果により手札を全て悪魔族に変換できる。
また、解門の蘇生効果により☆10の《GO-DDD神零王ゼロゴッド・レイジ》を展開でき、そのまま永続魔法回収効果に繋がる。レイジはペンデュラムモンスターである為そのままでは墓地に送れないが、《DD魔導賢者トーマス》のP効果でEXデッキから回収、そのまま解門のコストにすることで再び蘇生可能。



・カプシェル
上述の解門で蘇生できる。キュリオスで落とすと無駄がない。
あらゆる素材になった時にドローができる為、ペンドラゴンのコストとしてもその他の素材としても優秀。



・幻魔王ラビエル-天界蹂躙拳
解門からアクセス可能で、自己回収があり、シャドウ・ディストピアとの組み合わせで相手の場に触ることが出来る。




・破械
サラマと破械雙極の組み合わせにより悪魔族を恒久的に準備できる。前述のヴァレルロードRドラゴンとの組み合わせによって化けそうなカテゴリ(今書いてて気付いた)。



・魔帝アングマール
アドバンス召喚時、墓地の通常魔法をデッキからサーチする。
召集の聖刻印経由で後続の聖刻にアクセスできる為、このデッキの課題である「聖刻の供給」の解答となり得る貴重な悪魔族。
但し、このデッキでは召喚権の喰い合いが深刻である為、現状採用は見送られている。

5.採用の選択肢:ドラゴン族

続いて、ドラゴン族の採用候補についてもご紹介します。

前提として、このデッキには真紅眼の黒竜を落とす為の竜の霊廟が複数枚採用されており、
霊廟の追加効果で墓地へ送るドラゴン族は自由枠である為、
墓地で発動する効果を持つドラゴン族は個性を発揮しやすいです。

・闇黒の魔王ディアボロス
墓地に落として強いドラゴン①。ペンドラゴンのリリースコストをトリガーに墓地から湧く体制持ち高打点。シンプルに強力。



・覇王眷竜ダークブルム
墓地に落として強いドラゴン②。PテーマであるDDとの相性は言わずもがなである。
注目すべき点は、自身がドラゴン族であり、悪魔族である覇王門をサーチできる事から、1枚でペンドラゴンのコストを両方準備できる。



・妖醒龍ラルバウール
墓地に落として強いドラゴン③。自己再生後自身対象でディアボロス等をサーチできる。



・始源竜プライマル・ドラゴン
リリースして旨味のあるドラゴン。ペンドラゴンのコストにする事で2回攻撃を付与。ペンドラゴンは自身の効果で打点が3100まで届くので、突破力は高い。



・真紅眼関連
聖刻ペンドラゴンから出すランク7の筆頭候補は真紅眼の黒竜を素材に出す《真紅眼の鋼炎竜》であり、それ故に、真紅眼関連のカードは無理なく採用できる。
過去の構築では、《真紅眼の鎧旋》による通常モンスターの展開を併せた型もあった。

・青眼関連
真紅眼と同じくドラゴン族通常モンスターテーマである。真紅眼と違い、聖刻ペンドラゴンコンボではレベルの都合上リンク召喚にしかつながらない為、優先度は低い。
過去の構築では、光の霊堂や青き眼の剣士を主軸に、霊堂を共有できる魔轟神キャシーをドラゴン族であるドラゴンアイスのコストに当てる事で相手ターンの妨害としたりしていた。

・ヴァレット関連
ヴァレルロード・R・ドラゴンは自己回収効果により安定してペンドラゴンのコストに充てる事ができる。また、ヴァレット・シンクロンはRから回収でき、釣り上げ効果により、閻魔竜レッドデーモンやアビスに繋がる。

6.採用の選択肢:EXデッキ

☆8シンクロおよび★7エクシーズの任意選択による戦術の自由度がコンセプトであるこのデッキにおいて、
EXデッキの自由度の幅こそが構築の肝となります。

採用カードは、劣勢時の「打開要因」と優勢時の「制圧要因」の2つに大別されます。

[打開要因]
・閻魔竜レッドデーモン(☆8シンクロ)
ブラックホール効果により、相手の場を突破します。

・No.11 ビッグ・アイ(★7エクシーズ)
コントロール奪取効果により、閻魔竜で突破できない破壊耐性持ち等を処理します。


[制圧要因]
・DDD呪血王サイフリート(☆8シンクロ)
魔法罠を無効にすることで、相手の行動をコントロールします。
相手が魔法罠による牽制をしている場合、このカードは突破要因にもなり得ます。

・ヴァレルロード・S・ドラゴン(☆8シンクロ)
言わずと知れた制圧要因。
このデッキはリンク召喚の比重が軽い為、序盤の制圧ではこのカードを活かせないケースも多い。


・真紅眼の鋼炎竜(★7エクシーズ)
相手の行動にバーンという足風を付けることで身動きを取りづらくする。
カード効果を多用する強力な相手ほど真価を発揮できる。
蘇生効果からの追加展開も期待できる、このデッキの裏エースの1枚。


7.おわりに

多くのデッキは、時代と共にパワーやカードプールの変遷の結果、何処かで足を止める日が来ると考えます。

しかし、このデッキは、構築自由度の高さ故に、
あらゆる悪魔族・ドラゴン族を貪欲に取り込み続けることで
遊戯王OCGが続く限り、いつ迄も進化が止まることのないデッキです。

これからも、これまでのように、このデッキの様々な可能性を探究し続けることで、末永く付き合える愛着のあるデッキとして、育て上げていこうと思います。

また、次の記事では、このデッキを通じた構築論について、
お話しさせていただきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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