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自分をゆるすということについて。癌に罹患したのは自業自得なのか?

母は、わたしが保育園に通っていたころ乳がんを患い、胸のかたちを回復させる技術はそのころまだ無かったですから、片方の胸がありませんでした。

年に1回くらいは熱を出して寝込むこともありましたが、小さな不調は少ない人で(辛抱強かったのかもしれません)、わたしが高校を卒業したあたりで、今度は卵巣癌にかかりました。

小さな不調に関して弱音を吐くことがなく、ある日ストレスが頂点に達したとき、癌というかたちで現れていたのではないかなあと感じます。

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子宮癌の検診を受けることはできますが、卵巣癌は罹患してからでないと発見することができない、物言わぬ臓器のひとつで、罹患がわかったときにはステージが進行していることの多い癌です。わたしも罹患がわかったときにはステージ4でした。

ふり返ってみると、わたしは現在断酒を継続していますがアルコール依存症で、たくさんお酒を飲んできましたし、食生活に関しても意識が高いとは言えない期間が長かったです。おまけに夜の接客業からはじまり、24時間スーパーの深夜部門、それから介護職に就き夜勤三昧と、不摂生を極めていたと言って良いです。

ですから癌にかかったのは自業自得と言われればその通りですが、そのときにできる精一杯のことをしながらこれまで生活してきたのです。

「自分のせいだなんて思わないほうが良いよ。あれが悪かったのか? これが悪かったのか? なんて考える必要ない。たとえば肺が悪いのに煙草をやめないとか、そういうことであれば別だけど。」 と声をかけてくれた看護師さんが居ました。

わたしとまったく同じ生活を送っていても癌にならない人が居るだろうし、意識高く生活していても癌になる人が居る。

大事なことは現状を受け容れることなのだと感じます。

今、口内炎が痛いし、乾燥肌にもやられていますが、コンディションが整っていたときの自分と比較して現在の自分をダメなものとして捉えると苦しくなる一方なので、これが現在のわたしの姿なのだと肩のちからを抜いて受け容れると、痛みもあらゆる不調も、気に食わない体型も(お腹が張ってデニムがきつい)受け入れられるようになります。

過去の良かった頃に戻ろうとするのではなく、今ここの自分から始めるしかないので。癌になったのは自分のせいか否かを問うよりも、こうなってしまった現状を受け容れることが肝要と思う。