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踏襲を狙うディープボンド

前回の続きです。
 阪神大賞典の興奮から1か月ほど経ちまして、GⅠシーズンが徐々に到来する中でnetkeiba(競馬の情報サイト)を見ていたら、「ディープボンド、予定通り天皇賞春に向かう」という記事を見かけました。天皇賞とは春秋2回開催されるGⅠで、名のとおり皇室が関わっている歴史あるGⅠレースです。まあ当時はそんなことも知らずに、”お、この子GⅠ走るんだ!じゃあ馬券買って応援してあげなきゃ”と軽い気持ちで備えていました。
 しかし、このディープボンド、戦績を詳しく見たらGⅠを勝ったことが無いのです。勿論、世の中の大半の馬がGⅠを獲れずに引退してしまいます。ですが、その一つ下のGⅡは2勝している力があり、なんといっても私を競馬に沼らせた張本馬。これは勝ってほしいと、こちらも段々力が入ってきました。
 そして迎えた本番当日。指定席の抽選(※)は当たりましたが、コロナの悪化に伴い無観客開催に…。これはこれで悔しかった。(まさかこの後1年も生で見られないとは思いもしなかった。)なので自宅のテレビで観戦。アナウンサーが、今年は1強2強ではなく、誰もに等しくチャンスがある年です、と実況していたので、ボンドにとっては最大のチャンス。
 そしてゲートが開いた。阪神大賞典の時と同じく、先頭からやや後ろにつけ、滞りなくレースは進みました。そして最終コーナー手前から、騎手がガシガシと合図を出し、前へ前へ上がってきました。そして、曲がり切って直線コースに出た。ボンドが先頭に躍り出る。しかし、左隣からもう一頭が迫り、最後の最後で交わされてしまった。頭の中でガラガラッと崩れ落ちる者がありましたねえ。私も悔しかった。私の夢を乗せた子が負けてしまったのですから。
 しかし、最後の最後まで抜かそうとするボンドの走りは、より私を競馬に引き込ませました。機会はまたある、その時を見届けたいし、今度こそ生で見たい。こうして、ディープボンドは私の崇拝対象となりました。
(※)コロナにより入場規制が緩和されても、全席指定の抽選方式でしたので、現地に行くことも簡単ではありません。

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