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クロアチアはPK戦3連勝 日本の惜敗をデータで振り返る

この記事は、自社メディア『The Analyst』の記事を翻訳して編集したものです。
元記事はこちら:Japan 1-1 Croatia: Penalty Masters Croatia Prevail on Spot Kicks Once Again


延長戦のスペシャリストであるクロアチアは、今大会のラウンド16でも日本を相手に延長戦に突入し、勝利を収めた。クロアチアのメジャー大会(欧州選手権とワールドカップ)における決勝トーナメントでの試合は、直近8回のうち7回で延長戦に突入しており、その唯一の例外は、ワールドカップ2018年大会決勝のフランス戦だ。

クロアチアのキーパー、ドミニク・リバコビッチは、日本のPKの4本中3本を阻止し、ヒーローとなった。しかし、PKを蹴った日本の選手たちのシュートは質が低く、キーパーにとっては楽な戦いだった。

これでクロアチアはワールドカップのPK戦に3回連続で勝利したことなる。プレッシャーのかかる場面では、経験がものを言うことを証明したのだ。ワールドカップのPK戦での勝率は、4回全勝のドイツだけが、クロアチアを上回っている(100%)。

日本は試合開始直後から積極的で、最初のシュートを放つまでに、多くの脅威を与えた。試合を通して前線で躍動した前田大然は、最初の20分間で、スタッツには残らない素晴らしいチャンスを2度得ている。1つ目は、電光石火の伊東純也が出したボックスを横切るボールに、伸ばした脚が届かなかったシーン。もうひとつは、左サイドからのクロスに頭で合わせられなかったシーンだ。

運動量豊富な伊東を中心に、日本のクロスは試合を通して脅威となっていた。伊東は前半最多の4本のクロスを供給した。ボールを受けて左サイドバックのボルナ・バリシッチ相手に仕掛けるたびに、危険な印象を与えた。以下のグラフィックが示す通り、日本は前半、伊東のサイドを中心に激しく攻め立てた。

ワールドカップ2022年大会 クロアチア戦前半
アタッキングサードにおける、日本の攻撃的プレーの分布

リーグアン(フランス1部)のスタッド・ランスでプレーする伊東は、ドリブルの能力が高い。今季、リーグワンでは突破を仕掛けるドリブルを25回行っており、これはチーム最多だ。

だからこそ、前田がクロスからゴールを奪ったことは理にかなっていた。ショートコーナーから堂安律がエリア内に蹴り入れたボールを吉田麻也が留め、ゴール前の前田が押し込んだ。前田にとってこの試合で初めてのシュートだったが、それまでのハードワークに相応しいものだったと言える。また、これは日本が今大会の試合において、前半で放った最初の枠内シュートでもあった。

クロアチアはいきなり試合を振り出しに戻した。デヤン・ロブレンが出した素晴らしいクロスから、イバン・ペリシッチが弾丸のようなヘディングシュートを放つ。日本の攻撃の中心だったクロスが、クロアチアにとっても同じくらいの武器だったことが証明された。この試合では、90分の間に45本のクロスが上げられた。今大会でこれより多いクロスを記録した試合は2つしかない。

ペリシッチは国際舞台での活躍を続けている。 彼は現在、ワールドカップ14試合で10得点に絡んでいる(6得点、4アシスト)。2014年にワールドカップで初出場して以来、彼より多くのゴールとアシストを記録しているはリオネル・メッシ(8得点、4アシスト)とキリアン・エムバペ(9得点、2アシスト)だけだ。

また、このヘディングシュートはクロアチア代表としてメジャー大会10得点目となり、ダボール・シューケルの持つ代表記録の9得点を抜いた。下のシュートマップを見ると、彼が得意とするエリアがあることがわかる。

イバン・ペリシッチの得点を決めたシュート位置
(ワールドカップと欧州選手権の通算)

このゴールでクロアチアは、自分たちのサッカーを取り戻すための自信を得た。ここからクロアチアはリラックスしてボールを保持することができるようになり、試合のリズムをつかみ始めた。一方で、日本のプレーには活気が少し失われた。

試合終了が近づくにつれ、PK戦にもつれ込むことは必然に思えた。そして、実際に1-1で120分が過ぎた。南野拓実が日本の最初のキックを外したとき、すでにクロアチアの勝利は決定的に感じられた。

準々決勝で、クロアチアは韓国に勝ったブラジルと対戦する。


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