見出し画像

薬剤師が教えるクスリのリスク

世の中の薬に対する「常識」を変える必要があるなと日々感じるこの頃。有名人を起用し、誤解を生むようなイメージ先行ありきで、バンバンCMを流す企業。有害性と危険性の情報提供は画面の端っこに小さく表示、または数秒表示させ、すぐ切り替わるのが当たり前。洗脳されたイメージによって消費者は、商品購入し当然有効だと思って投与する。その「投与したくすり」によって、思わぬ結果がもたらされる可能性さえ学ばず、具合が悪ければ「即投与」を繰り返す。病気になり、出てきた症状に対する対症療法ばかりに眼を向けられ、根本の「原因除去」の方法を悩まずに、いかに「くすりを足し算していくべきか」ばかりを考えているような現状は、医療費の観点からも健康視点からも本来の姿ではないように思える。

ここでは一薬剤師の私が、日頃医療に従事しながら思う不可思議な点について綴ることとする。断っておくが、全く無害なくすりは存在しない。くすりには必ずリスクが伴う。万人・万病に効く薬などは存在し得ない。なぜなら、くすりによって攻撃をうける相手(ウイルス・細菌等々)もまた、絶滅回避のために進化し続けていくためだ。ゆえに、くすりは常に改良・進歩を繰り返しながら、弱点を克服しては、新たな欠陥が生じてくる。はたまた逆に、狙った結果とは異なる良い結果が生まれ、それが新たな治療薬を開発することにもつながっていく側面もある。

大切なのは、そういった「くすり」への理解を深め、くすりをうまく使いこなすリテラシーを身につける事こそが、健康的な人生を生むために最も必要な考え方だと言える。どんなに優れたくすりでも、正しく飲んでいなかったら元も子もないし、どんなに優れたくすりでも、健康的なライフスタイルだったり、食生活だったりと、根本となる「土台」が構築されていなければ、焼け石に水。まったく役立たずになってしまう恐れだってあるということを知るべきだと思う。


いつも読んでくださりありがとうございます。サポート代は勉強代に活用させていただき、優良な記事として還元させていただけるように励みます。