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アマンダ・マーグレットとジェリー・クロフォードに関する勝手な考察

終わっちゃいましたね、ハリウッド・ゴシップ。始まる前から「彩彩が同じ振り分けで、しかもなんかバチバチやり合うとか、神みたいな作品じゃん!」とワクワクしていたら、あっという間に始まってあっという間に千秋楽。

観劇してからというもの、舞台では描かれていない時間やその後に思いを巡らせ、ぼーっと考えてしまう日々を送っている。
よくもまぁ、こんな日々の生活に支障をきたす危険な作品を田渕先生は世に送り出したものだ。アナザーストーリーでも創って、責任とってください!!

危険因子は明確で、ベールに包まれているジェリーとアマンダという登場人物とその真の関係。本作は二人について、あまりにも観客の想像に委ねる余白が大きすぎるのよ本当に。

幸いにもエステラが観察眼に優れているという設定だったから、その台詞からぽつぽつヒントを拾う…しかないと思っていたのですが!指輪もヒントを与えていることに気づいた。

◆なぜ指輪?
もう終わってしまったのでしっかり確かめることはできないが、アマンダの指輪が記者会見の時に、左の薬指にはめられているのが目に入ったことが指輪に注目するきっかけになった。
はにゃ?ハワードの部屋でのシーンとか自邸では違ったはずだが??

違和感を覚え、その後のアマンダを注視していると、登場時と同じ位置に戻っていた。
もしや、アマンダとしてみとさんは、あえて位置を変えているのでは??と思った。

◆指輪のはめる位置による解釈
ここからは、指輪に関するサイトを参考に、アマンダとジェリー、そして一場面だけ指輪をはめているコンラッドの思いや考えを探る。なお、あくまでも個人的な想像ですので、解釈の違いや誤りはご容赦ください。

そもそも大前提として、指輪をはめる手の意味は以下の様に考えられている模様。

【右手】権力と権威の象徴、現実の力を表す。
【左手】服従と信頼の象徴、想う力を表す。

つまり、右手は現実に持っていて維持したい・高めたいことに、左手は今は持ち合わせていないが、斯くありたいという希望に力を与えると解釈した。

【アマンダ】

○第1幕:記者会見以前
ハワードの部屋と自邸のシーン

右:薬指
精神の安定、創造性やインスピレーション向上に効果。宝石の意味がストレートに出る指。訳もなくイライラ、何か心が落ち着かない人向け。
左:中指
人間関係改善、協調性を高める、判断力向上に効果。友達や家族、また仕事に関係する人達とのより良いコミニュケーションを望む人向け 。相手の気持ちの微妙な動きがつかめて、それを素直に受け入れられるようになるそう。

上記を踏まえ、アマンダの心の内を推し量る。
ジェリーの策略により映画界から締め出されてイライラが止まらないから右薬指に。

その一方で、ハワードに吐露していたが、人間関係を修復してもう一度昔の仲間と映画を作りたい、ジェリーとも仕事仲間としてかもしれないが、またやり直したいという気持ちから、左中指に指輪をはめていたのかな。

○第1幕:記者会見

右:中指
邪気から身を守る、行動力発揮、意志を強くする力をもつ。意志のまま行動したい現実的なパワーが欲しい時、勝負事の時にオススメ。
左:薬指
言わずと知れた、結婚を意味する、愛の絆を深める、恋愛力UPの力を与える指。恋人のいる人には永遠の愛を、片思いの人には想いが伝わるように助けてくれる重要な指とのこと。

右中指には、コンラッドのデビューの場重要な勝負である記者会見に勝つ!という強い意志を持っていることが表れている。

そして、問題の左薬指。ジェリーにコンラッドとの関係をほのめかすためかと思ったが、「片想いの人に想いが伝わるように助けてくれる」効果もあるようなので、無理矢理だがジェリーへの仕事仲間を超えた想いが消えていないとも取れる。

〇2幕:アマンダの自邸(コンラッドとの別れ)

右:薬指
左:中指
1幕と同じなので効用の説明は割愛

記者会見の時は異なる指にはめていた指輪は、また元の位置に戻った。
しかし、1幕とは少し違う意味合いもあるのかなと推測する。

右薬指は、1幕は映画界から締め出されたイライラを落ち着けるためとしたが、2幕は脚本家としての顔をもつため、創造力やインスピレーションUPのためでもあるかもしれない。
もう一つは、ジェリーの容態が心配で、心を取り乱したアマンダが、落ち着きを取り戻すために右薬指に指輪をはめていた可能性。
コンラッドの「(ジェリーを)愛していたんでしょう?」の問いかけに、光の下に晒されたアマンダの崩れたアイメイク。それが全てを物語っている。

左中指の指輪は、また映画の現場に脚本家として復帰する中で、関係者と上手くやりたいという願いをもっている表れではないか。ジェリーとも撮影現場で顔を合わせなくてはならなかったかもしれない。「相手の気持ちの微妙な動きがつかめて、それを素直に受け入れられるようになる」という効力もある左中指。彼とも素直に向き合いたかったのだと信じたい。

【ジェリー】
〇1幕2幕共通

右:人差し指
人差し指は、行動力や自立心を象徴する。右は、よりリーダーシップを高め意志を強くする効果がある。既に指導者の立場にある人が物事を成し遂げる際に良いという。
左:中指
先に書いた通り、人間関係改善・協調性を高めたい人向け。加えると、空気が読めない人に効果的とのこと。

ジェリーの想いは一貫しているのか、指輪の位置が終始変わらなかった。
スターとしてトップの座に君臨している彼は、映画界のリーダーとしてより一層力を発揮し、思い通りに事を進めたいという想いを右人差し指に込めているのか。

ジェリーが、左手中指に指輪をはめているのはちょっと意外だった。
凪様曰く「(ジェリーは)引くに引けなくなった」とのことだが、ジェリー自身「みんなと上手くやりたい」「こんな振る舞いはやめたい」と、どこかで思っているのかもしれない。アマンダに対しても同じことを思っているのかは正直分からない……。

思えば、コンラッドがエステラと初めて出会った時、コーヒーを服にこぼされて「イタリアのシルクだぞ!」と声を荒らげたシーンに、びっくりした。冒頭のコンラッドは、そんな物言いをしないような人物だと思ったのに、アマンダの試験を経て人が変わった。

ジェリーもコンラッドと同じようにアマンダにスターらしく堂々と振る舞うことを教えられただろう。元々我儘ではなかったが、時が経つにつれてアマンダの教えに自己流解釈が入り、周囲の評価の高まりも相まって、その振舞い方がおかしな形で染み付いてしまったのかと推測する。そして引くに引けなくなり、心の闇が……。

【コンラッド】
〇第1幕:記者会見

左:人差し指
精神的に前向きでありたいと願う時、心に誓いを立てる、積極性、能力をアップさせる指。
引っ込み思案、言いたいことをなかなか言い出せない、控え目で少し臆病な人向け。新しい魅力が引きだされ、自信と勇気が湧いてくる。

もう、説明を見るだけでコンラッドの願いが痛いほど分かる。彼は、記者会見のシーンしか指輪をしていない。言い訳ばかりのダメな自分を変えたい!このデビューの場で自分の人生を変えたい!と全てを懸けていることが伺える。

◆指輪以外のヒント
冒頭でコンラッドが「セットの裏には何もない」と歌っている通り、セットの裏は木の板が剥き出しのままだ。
仕事で映像の美術さんとお話する機会が多いのだが、「カメラに映る部分はしっかり作り込んでいて、演者さんがしっかり役に入り込めるよう、役の性格や心の動きに合わせて小道具の内容や配置を変えている」と聞いたことがある。
つまり、セットの裏には何もないが表には情報があるということではないか。

指輪以外でセットの中で気になったのは、アマンダの自邸の赤い薔薇の花。「愛してもいない年増女優に薔薇を贈って…」というアマンダの台詞に登場するあの花。
自分を陥れた復讐したいくらい憎いはずのジェリーを思い出してしまうであろう花をなぜ飾っているのか?アマンダがジェリーのことを想い続けている証拠の一つであろう。ラストのアマンダのアイメイクの崩れ方が決定打となるが。

コンラッドがあすなろ抱き(古い表現w)をした後、泣きながら彼が触れた腕を、今度はアマンダ自身の手で触れていた。あぁ、ジェリーにもあすなろ抱きされたのかな……とか、
「別れの手紙にジンを垂らして涙と見せかけた」とジェリーが言っていたが、泣きながら浴びるように酒を呑んでいて、たまたまジンの方が垂れたかもしれないとか……想像し出したらキリがない……

アマンダがジェリーを想う気持ちの証拠はあるのに、ジェリーが本当はどうアマンダを思っていたのかはやはり謎である。指輪の位置から、「関係を元に戻したい」という願望がある可能性は考えられるが、それがビジネスパートナーなのかそうでないのかは分からない。

エステラが「彼は優しくしてくれた」しかし「ジェリーは自分しか愛せない。スクリーンの中にしか存在しない世界中の恋人」と話していた。エステラが言うくらいだから、きっとカメラが無いところでもジェリーは彼女を気にかけていたと想像される。
では世界中の恋人のジェリーが、エステラに優しくするのか?観劇された方と少し話した。

話題作り以外の可能性として、エステラとジェリーには共通のバックボーンがあるからではないかというところに行き着いた。
エステラが父親と離れてしまったように、ジェリーは母親と離れて暮らしていた。エステラの気持ちにが分かるからこそ、気にかけていた。ジェリーが母親に捨てられたのであれば、アマンダには恋人というより、母親の姿を見ていたのではないか。

また、スカステの突撃レポートで、フィナーレのタンゴの話題になり、凪様が「(タンゴは)先生からジェリーとかけている」という寝耳に水な発言がサラっとあった。すぐに違う話題に移ってしまったので、どういう意味か全く分からないが、これはジェリーが性別を超えて世界中の恋人でいるということなのか?
そうなると、やはりアマンダには恋愛感情というより、母親から受けるような愛情を求めている説がつよまる。

何れにせよ、アマンダとジェリーは違う形で愛を求め合う切っても切れない関係。
ジェリーが目覚めた時に側にいるのはアマンダであってほしい。そして、大恐慌時代を二人で乗り越えてほしい。

ってなわけで、ワンサポ見るまでは、私の脳内公演は終わりそうにない…

参考にしたサイト
「指輪の歴史とはめる手や指のもつ意味」
http://progress1988.com/sp/finger.html

#宝塚 #雪組 #ハリウッドゴシップ

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